テラーノベル
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カメラに映っていた“白い服の誰か”は、まるでこちらを見ているようだった。
「ハルカ……今、誰も階段にいないよね?」
「……うん、リアルでは。
でも、カメラの中では──未来を撮ってるのかも」
「ちょ、待って、未来!?それ心霊ってよりSFじゃん!」
ハルカは液晶画面をじっと見つめた。
そして、階段の“白い誰か”が動いたことに気づく。
映像の中、その人物はゆっくりと階段を降り、カメラの真正面に向かって近づいてくる。
──顔が、見えない。
光に焼けたように、ノイズでぼやけている。
だが、白い服のその人は、手を伸ばし、レンズを“覆った”。
画面が、真っ暗になる。
……ピッ。
録画が停止された。
《REC 231:48》 → 停止
同時に、ホテル全体の照明がバッと落ちた。
「──ミナミ!?見えない!!」
「ちょっ……!ハルカ!ここにいるってば!」
「誰かが来てた!映像と連動してた!!」
──ガン、ガン、ガンッ……
階段の上から、誰かが“重い足音”で降りてくる音が響いた。
コメント
1件
え?え?だいじょぶそ???