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第二章 気づいていた2人
同じステージに立ちながらも、若井と、元貴は、それぞれに 違った視点でりょうちゃんを見ていた。
若井は、昔から りょうちゃんの心のくせに敏感だった 。
ふざけているように見えて、誰よりも 空気を読む タイプ。
誰かが辛い時に一番先に気づくのは、たいてい りょうちゃんだった。
若 「最近、りょうちゃん 無理して笑ってないか?」
リハーサル後の楽屋で、元貴にそう言ったのは若井だった。
一方の元貴は、自身がバンドの中心に立つ 責任から、りょうちゃんの不調に気づいていながらも、どこかで目をそらしていた。
元 「俺が止まったら バンドが止まる」
そんなプレッシャーの中で全てを拾いきれなかった。
ある日、都内のスタジオでの出来事だった。
音合わせの途中で、りょうちゃんが不意に演奏を止めた。
黙って、鍵盤の前から立ち上がり、スタジオ 出て行った。
藤 「…ごめん、無理かも…」
その背中に、元貴も若井も何も言えなかった。
ただ、その一言が心に重く響いた。
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