日差しが差し込む店内で1人、花屋を営む謝怜は客を待っていた。すると、
カランカラン
涼しい風と共に、右目に眼帯をした美しい少年が入店してきた。
「いらっしゃいませ。」
(なんて綺麗な人だろう、学生さんかな。)
謝怜はその少年の美しさのあまりじっと見つめてしまった。すると、その少年が
「私の顔に何かついていますか?」
と聞いてきたので、慌てて謝怜は
「す、すまない!君がとても綺麗でつい…と、ところで君の名前を聞いてもいいかな?」
と勢いで名前を聞いてしまった。
すると、その少年はにこっと笑って
「三郎って呼んで。」
と言った。三郎はところであなたは?と言わんばかりに謝怜に視線を送る。
「三郎、いい名前だね。私は謝怜、好きに呼んでくれて構わない。」
と謝怜が言うと、三郎はここぞとばかりににやっと笑い
「哥哥って呼ばせてもらおうかな。」
と嬉しそうにほほ笑みかける。
それを聞いた謝怜はふふっと笑った。
今日の店内はいつもより明るくなった。
END