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文化祭が終わったその日の夜。
わたしたちは、じゃっぴの家に全員集合した。
「おじゃましまーす!!」
一番に入っていったのは、やっぱりのあさん。
そのあとをゆあんくん、ひろ、うり、わたしの順で続いた。
じゃっぴの家、めちゃくちゃ広い。ていうかふつうにモデルルーム。
リビングの床にはふかふかのラグ、ゲーム機やスピーカーが並んでて、テンション爆上がりだった。
う「すげー、まじで雑誌に載ってそう…」
うりが天井見上げながらつぶやく。
う「まぁ、な。ウチ、代々イケメン家系だから」
ゆ「それは関係ねぇだろ」
ゆあんくんが即ツッコんだ。
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テーブルには、ピザ、ポテト、チキン、アイス、お菓子、ジュースが山盛り。
ゲーム大会がはじまって、UNOとかジェンガとか、大はしゃぎ。
罰ゲームで変顔したり、変なあだ名つけられたり、どんどん夜が更けていった。
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「ねぇ、寝る時どうするの?」
のあさんが唐突に聞いた。
じゃ「男はリビングに雑魚寝、女子はオレの部屋貸すから!」
ゆ「えー、じゃぱぱの部屋とか絶対なんか出るって~」
じゃ「人の部屋をなんだと思ってんの」
結局、女子はじゃぱぱの部屋で、男子はリビングに決定。
の「えとさーん、となりで寝ようねっ」
のあさんが枕抱えて満面の笑み。
え「うん…てか、布団ふかふかすぎない?高そ…」
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そして夜中。
部屋の電気が消えて、隣からのあさんの寝息が聞こえてきた頃。
わたしはまだ目が冴えてた。
そしたら、ドアの向こうから、トントンってノックの音。
ゆ「……えとさん、起きてる?」
小さい声。ゆあんくんだった。
え「起きてるけど、どうしたの?」
ゆ「ちょっとだけ、外で話そ」
わたしはスリッパつっかけて、部屋を抜けた。
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リビング横のベランダ。夜風が気持ちよかった。
ゆあんくんはジュース缶2本持ってて、1本くれた。
ゆ「文化祭、楽しかったな」
え「うん。たぶん今まででいちばんかも」
ゆ「…おれさ、劇で主役の相手できて、よかった」
え「え?」
ゆ「だって、えとってさ、すぐ頑張りすぎるし、ちょっと抜けてるとこもあるけど…まっすぐじゃん」
え「なに急に」
ゆ「…ま、これ酔ってるってことにしといて」
え「ジュースで?」
ふたりで笑ったあと、少しだけ沈黙。
でも、その時間がすごくあたたかかった。
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部屋に戻ると、のあさんが寝たふりしてて、くすっと笑われた。
の「えとさん、夜風で顔赤くなってる〜」
え「気のせい…!」
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翌朝。
じゃぱぱの家で、みんなで朝ごはんのホットケーキを焼きながら、
また次のイベントの話で盛り上がってた。
うりが焼いたやつだけ焦げてて、
ひろがきれいに重ね直して、
じゃっぴが「バランス感覚とは」とか言ってて、
ゆあんくんは静かに食べてるけど、何か言いたそうだった。
わたしはただ思った。
こんな毎日が、ずっと続けばいいのに