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そこは、ゲームセンターだ。
人がちょこちょこいるのと、音が色々聞こえるのは苦手だけど…
ここに、
『あ、あの子かわいい!』
『ほんとだ!』
昔の琥珀さんは、ぬいぐるみが好きだった。
今はわからないし、生きている方がいいかもしれない。
あと、茜さんはどうだろうか。
それが少し心配だった。
でも、
2人とも、気に入った子を見つけたみたいだ。
あれは…
UFOキャッチャーとか言う機械の中にある、
ハムスターのぬいぐるみか。
確かに、かわいい。
一回100円か。
お金を入れる。
『そこのボタンを押すのかな?』
よくわからない。
琥珀さんと、茜さんにさせてみる。
いいところにいったんだけど、
すぐ、その場に落ちてしまう。
もう一回。
もう一回、
もう一回…
………
チャリン。
本当に取れるのだろうか。
と、
お!
しっかり掴んでいる。
そして、
『とれた!』
見事、一つとった。
でも、
2人に渡すなら、
もう一つ、だな。
チャリン。
自分もやってみる。
うわ、
マジか、
掴む力が弱くないか?
もう一度、
『ぬああ!』
まだまだ!
『ああ!』
最後の一回、
『あと少しなのに!』
これでラストォ!
ポトリ。
『へ、へへ、まだ、お金はあるぜ…』
『もう、大丈夫だよ?』
『甘さん、大丈夫?』
2人から心配される。
頼むから、取らせてくれ!
と、
『よし!』
なんとか、とれた。
『はい、この子もどうぞ。』
2人に渡す。
これで、1人1つずつになる。
『甘ちゃんはいいの?』
『僕はいいよ。』
2人が喜んでくれればいい。
『ありがとう。大事にするね。』
僕も、2人も笑顔になった。
さて、
お昼か、
『お昼、ここらで食べましょうか。』
皆で、前に行ったカフェに行くことに。
皆、注文して、食べる。
そして皆が食べ終わり、
帰る。
と、
『あの、甘さん。』
茜さんが僕を呼んだ。
『何か、ありましたか?』
僕は、茜さんを見る。
『私にも敬語ではなくて構いませんよ?あと、茜と呼んで欲しいのと…』
茜さんが、少し下を向いた。
『私も甘ちゃんと、呼んでもいい?』
茜さんの頬が赤くなっている。
『あ、あぁ、大丈夫です。あ、大丈夫…』
こっちも恥ずかしくなる。
『あ、甘ちゃん。』
『ふぇぇ⁉︎』
変な声が出た。
『い、今のは呼んでみただけ…』
『・・・』
そ、そうか…
『茜ちゃんとだったら、浮気しても許すよ?』
『うぐっ!』
浮気…
て、許すんだ…
『えと、甘ちゃんと琥珀ちゃんはお付き合いしてるの?』
『うん、甘ちゃんとお付き合いしてるよ、』
ああ、茜さんに伝えてなかったな。
『ご、ごめんなさい!私、邪魔だよね…』
『ううん、邪魔じゃないよ。これからもずっと、いっしょにいようね。』
『ほんと?いっしょにいてもいいの?』
『うん!』
琥珀さんが頷いた。
茜さんが僕を見た。
『琥珀がいいって言ってるなら、僕も大丈夫だよ。』
笑顔を見せる。
なんか、悪いことしてる気分だけど、
いいのかな。
その分、2人を幸せにしよう。
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