ビーパチッ誤作動で目覚まし時計が鳴った
真夜中目が覚めると視界が溶けたようにぐにゃぐにゃとうねっていた。時計に目をやると、
『時刻1時34分』
となりには麗が寝息を立てて眠っていたこんな真夜中に誰だろうかこんな時間にインターホンを鳴らす奴ということは酔っ払いかもしくはプッツンいってるやつだろうそうおもった半ばインターホンがまた鳴った
ビービー ビー ビー
「どうかした」
「インターホン鳴ってるよ」
「無視しとこう」
そう言うと麗は寝てしまう
好奇心盛り
この言葉がよく馴染む
15分程経った後お手洗いのついでに玄関に見に行った。
まず大きな廊下沿いにあるトイレのすりガラスがあるので見てみると、特に様子はいつもと変わらずの道路があるだけだった
トイレすりガラス覗き窓何もなかったので玄関を開けようとするとなにかにつっかえてしまい見えなし開かない
勢いよく無理矢理開けると、突っかかってた物がドタっと崩れてったそれは
『死体の積み重ね』だったらしい。
咄嗟の出来事に唖然と死の恐怖が混ざり声が出ず顎がガクガクと震えている
エンジン音がして慌ててそちらを見るが、ナンバープレートや運転手の顔を見る隙すら与えてくれなかったこの惨い嫌がらせから事態が非常に危険な事と言うことが再確認させられた。
カチカチに固まった身体と相まって乳が垂れ脇から乳房が突起しているよく見るとそれは偽乳だ凝視していると頷くぐらいしか出来なくなってしまう
怖くてどうしようもない
真っ先に思ったのは自分がいつこの死体と同じようにされてしまうかわからないそれがとてつもない程の恐怖だ
風が吹きつけると生暖かいアルヒデト臭と共に少し甘い死臭が鼻についた
頬をびしょびしょにしていたらやっと兄が来てくれが惨劇に驚きなんとも言えない表情だった
「おいで」と
兄が引っ張ってくれてようやく家に入れた
即座にトイレへ連れてってもらう。腹部の筋肉が収縮しお腹が上下しよだれが便器に垂れた
嘔吐物には夕飯の素麺や胃液胆汁が混ざる
兄は背中を撫で続けてくれたが嘔吐は止まらず10分程吐き続けた
麗に抱っこされるとしゃくり泣きながらもベットに横たわると麗が風呂場から桶を持ってきてくれた
「ここに吐いてね」
口調がいつもよりも柔らかく人の温もりを感じるだがすぐに思い起こし頭が、ホワイトアウトした
「はい..はい」「えぇ」「はい」
即急に警察に電話を入れた田舎だからか署は一件しかなく早くても40分程掛かってしまうらしい
「遺体には触れないでご自身の家で待っていてください」
そう言って電話が切れてしまった。
「瞳おいで」
腕を引き寄せると汗まみれになっていた恐怖で顔が青褪めていた
今にも吐いてしまいそうに喉を鳴らしているので便所に連れて行くと嘔吐が止まらない
夜食べたものは全てでているだろうに胃液が喉を通る度に辛そうに顔を顰めた
背中を下から上に向かってさすっていたら大分経ったあとに嘔吐が止まった
寝かせようとしてベッドに連れて行こうと抱きあげる昔はよくしてあげたが小4になるとさせてくれなくなった
でも中2になっても肌の質感や手の握り方見の任せ方などは昔とそれ程変わらない
抱き上げると勢いよく息をすったからなのかそれとも緊張急激なストレスからなのかえぐえぐとしゃくり泣いてしまった。
可哀想でしょうがない弟が危険だなんてと思うとこっちは激怒で意中がいっぱいになってしまう
瞳の話によるとあの男が原因だろう横を見たら可愛い弟が眉間のシワを寄せてねむっている
そんな男に関わらなければ、あの男が居なければ良かったのに殴って、してやりたいそう思った。
ピロランピロラン
スマートフォンから音が鳴った電話に対応すると警察官だ
「もしもし」
「もしもし田中様のお電話で間違いありませんか」
「はい」
「ご自宅に着いたので一度玄関まで出てきてもらって宜しいですか」
「わかりました今いきます」
「はいお願いします」
警察官の声は強張っている。田舎町だからか滅多にこんなことはないんだろう
瞳にまたあの光景をみせるのかと思うと締め付けられる思いがあった
瞳を抱き抱え外に出ると一台パトカーと、婆ちゃんがいた。どうやらついさっきパトカーの音で目が覚めて外に出たところだったらしい
鑑識係が細かく現場の状態を撮っているのだがフラッシュが眩しい
「わたしの部屋の窓から凄い音がしてね」
「やっぱり布団がベットに近いからかねぇ」「そうだね俺もアパートだけど窓から音がすごいよ」
警察官が話を取り合ってくれているうちに掛かり付けの介護施設に電話をした
「明後日から事件性がないか家宅調査をさせていただくのですがご都合よろしいですか」
「はい全然大丈夫です」
そう言って家宅捜査の日程を決め必要な書類などは署で書かせてもらい署を後にした
自宅に帰るのも気味が悪く民宿に泊まろうと思ったスマホアプリで探したがホテルが近くになく困ったあげくに公園のベンチに座っている
すると長身な奴が話しかけてきた
横で安心し切って寝ている瞳をさらに側に万が一に備え寄せた
「貴方も宿探しですか」
「えぇ今家に諸事情で帰れなくて」
「そうですか大変でしたね」
男は親しみ深く人に好かれるタイプだろうだが女装をしていていたきっとLGBTの人なんだろう
少し経ってから一緒に宿をさがしていたら丁度空いているホテル部屋があったので一緒に移動した
「道路に出たのでもうすぐですね」
男はナビゲーションを見ながらそう言ってきた「可愛い弟さんですね」
「生意気だけど可愛いですよ」
急に弟の事を話してきてびっくりしたさっきまで居ないように扱っていたのに
よくよく考ればやはり可笑しいのだ。
真夜中に偶然公園でばったり会って一緒のホテルを探していて
もしかしてそんな考えがよぎって速足になるそうするとそれに合わせて足を合わせてきている
やばい直感でそう思ったもしそうだったらこいつから逃げられるだろうか
ピンヒールを履いているから走れないだろうそう思い至ったが刃物やスタンガンを所持していたらどうしようか
刺激しないのがベストだろうか
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!