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「あああっ!」
百子は下腹部が僅かに痙攣したのを感じ取り、腰をくねらせて陽翔にしがみつく。彼の胸板が自分の胸と僅かに擦れる感触が心地良い。花びらをなぞられたり、花芽にちょんちょんと触れられたり、ゆっくりとこね回されるたびに体が跳ねて、喉を反らせて声高く啼く。
「しののめ、くん! あああっ! 気持ち、いい……! だめ、きちゃ……う!」
白い瞬く光を瞼の裏に感じて、陽翔にしがみつく手にぐっと力を加え、白の奔流に攫われまいと爪を立てる。そっと目を開けると、陽翔が自分の頭をゆるゆると撫でて、心底嬉しそうな光が彼の眼鏡の奥で踊っているのが見えた。そして間髪入れずに彼の指がまた花びらをそっと撫で上げる。愉悦を逃しきれていないのか、彼女の体が跳ねて震え、とろりと蜜が溢れて陽翔の指を濡らす。
「ここも食べ頃だな」
陽翔がそこに指を突き立てると、小さく水音を立てて難なく迎え入れられたその様子に己の昂りをさらに滾らせる。
「簡単に飲み込んだな。昨日よりも蕩けてる」
「んんっ……!」
陽翔の指が淫靡な水音を奏で、さらに奥まで押し込まれる。だが昨日のようにすぐにざらざらとした場所に指を届かせることはしなかった。その代わりに、百子に耳元で何やら囁く。
「百子、ナカはどこが気持ち良い?」
「え……?」
「もっと気持ち良くさせたいんだ。だから教えてくれ」
陽翔は指を二本に増やし、隘路をかき分けて指をバラバラに動かし始めた。彼女は愉悦を感じて腰を揺らすが、あの疼くような感覚にはまだ遠い。さっきから悦いところを触られ、疼きが近づいたと思えば彼の指がそこからするすると逃げるのを幾度となく繰り返されており、思わず強請りたくなったが、そうは言うもののやはり触ってほしいと伝えるのは恥だ。
(イけないのがこんなに辛いなんて)
高く喉から声を上げても、腰を揺らしても愉悦が弾けず、体の中をぐるぐると回っている疼きを逃そうとしても、それを察した彼の指が悦いところからまた逸れてしまい、どんどん下腹部に疼きが蓄積してしまう。百子は思わずいやいやと首を振った。
「やだ……しののめ、くん……」
「だったら教えてくれ。お前の悦いところを」
口元を歪めてそう告げる陽翔はまるで悪魔か何かのようだ。だがこの熱を逃がすことができるのは陽翔だけである。
(本当に……ずるい人)
百子はまるで|悪魔《陽翔》に魂を売るように、そっと唇を動かした。
「……もう少し、上の……お腹側の、とこ……」
「よく言えたな」
百子の声が羞恥心で震えるが、陽翔の耳にはしっかり届いていたらしい。彼は指を3本に増やし、ざらざらしたところを探り当て、そこを大きくなって来た水音とともに擦る。彼女から強請られるのは想像以上に陽翔の精神を高揚させ、血潮を滾らせ、全身がゾクゾクと歓びに震え、己の昂りも煽りをうけてその質量を増した。
「ひう……っ! ああっ!」
彼に秘花を触れられるたびに燻る熱が弾け、腰が跳ね上がり、下腹部が愉悦に疼き、嬌声が歓喜を歌い、蜜が溢れて陽翔の指を、太腿を濡らす。乱した息は嬌声と共に、陽翔の口の中に吸い込まれていき、舌を絡めとられて溶けていく。
「あっ……! やだ……! イッちゃ……!」
びくんと大きく跳ねた腰は、二度、三度と続けて波打つように跳ね、溢れた蜜が腿を濡らしていく。百子の意に反して蜜壺が陽翔の指に絡みつき、蜜を纏わせて引き留めようとしたようで、彼が指をゆっくりと引き抜くと、水音が名残惜しそうに指を離した。
「すげえ濡れてたぞ」
陽翔は引き抜いた指を百子の目の前に持ってくる。陽翔の大きな手は半分以上自分の蜜に塗れており、その指の間に糸を引いていた。淫靡に光をぬらりと反射しているそれは、指が動くと水音を小さく鳴らす。
「み、見せなくても、いいじゃない……ちょっと!」
百子は目にしたものに驚いて、慌ててキョロキョロしてティッシュを探す。陽翔があろうことか、蜜をまぶした指をゆっくりと舌でねぶったからだった。劣情に染まった瞳の彼の赤い舌が指を這う様子は艶かしくてぞくりとし、蜜が唾液に絡めとられているのを食い入るように見つめた。
「そういう顔が見たいんだよ。すげえかわいい顔してるぞ」
「……なにそれ」
顔も首もりんごが真っ青になるほど赤くした百子は、それだけぼそりと告げる。脳裏に指についた蜜を舐める彼の様子がはっきりと浮かんだからだ。劣情に塗れて色気がだだ漏れな陽翔を直視できなかったのと、反論する気力は乱れた吐息と共に逃げていったのも理由の一つである。その原因たる彼は満足そうに口元を歪め、百子の唇を奪う。深い口づけを繰り返すと、自分の花びらからとろりと蜜が出てくる感触がした。陽翔が太腿をフェザータッチで撫で上げるものだから、その動きにも反応して体が跳ねる。しかし肝心の秘めたる場所には一向に触れてくれない。再び甘い疼きが蓄積されて外に逃がすことができず、体の中を縦横無尽に駆け回った。それだけでも苦しいのに、陽翔は何と百子の太腿に唇を寄せ、熱く分厚い舌を這わせて舐め回した。