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🍍「……じゃあ次、もうちょっと大胆にいきましょうか。」
俺はカメラを持ったまま、思わず唇を噛んだ。
どうしても見てみたい構図が、頭から離れなかった。
🍍「或間さん、ベッドの端に座って……うん、それで。で、片膝を立てて、手をこう、後ろに回して支える感じで。」
🧸「……?」
或間が不思議そうに首を傾げる。
俺は思い切って言った。
🍍「で、シャツを少しはだけさせて……あ、視線はカメラじゃなくて、自分の胸元に落としてみてください。」
一瞬、沈黙。
いるまの動きが止まる。
🧸「……それ、結構あざといポーズですよね?」
低い声に苦笑が混じる。
しまった、やりすぎたか……? と焦る俺。
だけど次の瞬間、或間は小さくため息をついて、肩を竦めた。
🧸「まぁ……それも仕事ですからね。」
呟いたその声が、なぜかほんの少し照れていて。
赤くなった耳を隠すように髪を揺らしながら、或間はゆっくりと俺の指示通りのポーズを取った。
俺の心臓は、もう限界だった。
シャッターを切る指が震える。
🍍「……っ、最高です。」
気づけば、俺の声は思いのほか熱を帯びていた。
或間は小さく笑って、視線を逸らす。
🧸「変なとこばっかり撮られてる気がするんですけど。」
🍍「違います。俺にしか撮れない或間さんを撮ってるんです。」
言ってから、顔が真っ赤になるのが自分でも分かった。