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あの後、僕はいつも通り働いていた。
そして、退勤の時間が迫った時、唯月さんから連絡があった。
【今日、家に来れるか?】
メッセージアプリを開くとそう書いてあった。
普段、急に家に誘うような事は言わない、
もしかしたら、何かあったのかもと思い、僕は急いで返信をした。
【大丈夫です。何時頃が良いですか?】
僕は返信をした。
【すぐに来い】
唯月さんの文は命令口調だ。
いつもとは違うギャップに驚きつつ、また返信をする。
【分かりました】
そして、今から僕は唯月さんの家に向かう。
実は一人で向かうのが初めてだ。
普段、唯月さんは僕のことを迎えに来て、共にエレベーターに乗り、家の中に入る。
だからか、少し緊張する。
ピーンポーン
僕は家の前のインターフォンを押し、ドアが開くのを待つ。
ドアが開き、エレベーターに向かう。
僕は階数のボタンを押し、しばらく待つ。
そして、家の前に着き、またインターフォンを押す。
ガチャ
ドアが開いた。
僕は家の中に入る。
その時、僕は唯月さんに腕を引っ張られ、壁に押し付けられる。
いわゆる壁ドンと言われるやつだ。
「…唯月さん?」
「……なんで、」
唯月さんの声は小さく、なんと言っているのかが聞き取れない。
「声が、小さくて、」
「なんで、華恋と一緒に居たんだ」
唯月さんの声はものすごく恐ろしいものだった。
なんで、一緒にいると分かったのか、
その疑問が頭に出てきたのは、唯月さんが喋ってから、3秒ほど経った後だった。
「…なんで、知ってるんですか?」
「その質問をするということは何かやらしいことをしていたということか」
唯月さんは僕の肩を思いっきり掴む。
でも、痛いとは思わない、それよりも怖いという感情がずっと勝ち続けていた。
「あ、すまない、」
唯月さんは理性を取り戻したのか、僕の肩を掴んでいる手を離し、リビングへと向かった。
僕も掴まれた肩をさすりつつ、リビングへと向かった。
僕達はソファに座った。
「どういうことか説明をしてくれるか?」
「はい、最初から説明しますね」
「ああ、頼んだ」
僕は朝、華恋さんがお店に来たことから展望台で話したことを全て話した。
その間、唯月さんは先程のように取り乱すことなく、落ち着いた様子で話を聞いていた。
「…という訳です」
「ああ、そうだったのか、」
唯月さんは落ち込んだ様子だった。
何となく、言いたいことが分かり、僕は慰めるために口を開く。
「大丈夫ですよ」
「すまない、陽向の事を疑った」
「しょうがないですよ、ほらコーヒー飲みましょ!」
僕はそう言いながらキッチンへと向かった。
あの時作った陶器にコーヒーを淹れようと陶器を出す。
ガッシャーン
その時、僕のお腹には鋭い激痛が訪れた。
僕はその拍子に陶器を落としてしまった。
「大丈夫か!?」
「唯、月さん、?」
「ああ、そうだ」
僕自分の足元を見る。
そこには、綺麗に割れた陶器があった。
「…ごめんなさ、…われちゃっ、た、」
「そんな事どうでもいい!どうした!?」
「…おなかが、いた、くて、」
僕の呼吸はどんどん早まっていく。
「落ち着け、深呼吸だ」
そう言いながら、唯月さんは僕の背中を擦る。
「…ふぅ、…ふぅ、」
背中を擦ってもらっていたら大分痛みは落ち着いてきた。
「落ち着いたか?」
「…はい、」
これ、もしかしたら、
僕の頭にはある仮説が浮かんでいた。