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ー時透sideー
「と、ときとうさん…話…って…?」
『うん…えっとね…』
…これは紗奈に話させてあげて良い話なんだろうか?
また…思い出してしまうんだろうか?
「えっ…と…天元さんから聞いたんですか…?」
『…うん、聞いたよ』
『…紗奈の過去の話…もっと聞きたいんだけどいいかな?』
「…は、はい」
紗奈は戸惑い気味にそう言った
少し強引だったかな…
「ど、どこまで天元さんに…き、聞いたんですか…?」
『うーん…紗奈が鬼殺隊に入るまでかな?』
「そ、そこまでですか…?!」
紗奈が驚いた表情でそう言った
『…それで僕、分かったんだ』
『紗奈が魘されていた理由…。泣いてた理由…』
「…っ!」
紗奈はハッとした表情をした
…初めて知ったことだから無理もないか。
『僕はまだ紗奈の事、全然分からないけど…』
『…これからもっと、知りたいな…』
…その前に紗奈が戦いで死んでしまうかもしれないけど
「…は、はい…!わ、わた…わたしもときとうさんのこと…も、もっと知りたいです…!」
『…!な、なら良かった…』
…やっぱり紗奈は可愛いな
「…お、お互いの事を知るには…ま、まず好物で、ですよね…」
『そうだね…。僕の好物はふろふき大根。紗奈は?』
「わ、わたしはキャラメルです…!」
…後で蝶屋敷にキャラメルでも送っておこうかな
「…紗奈、時透くん宛にキャラメルが1000個、そして甘露寺さん宛にもキャラメル1000個が届いたんですけど…。何か心当たりあります?」
「…あっ…」
『って言うことがあったんだよ』
「俺の知らねぇ所で派手にやるなよお前ら!」
開口一番に宇隨さんはそう言った
「くそっ。やっぱり天井にでもへばりついておくべきだったか…」
『そういう時はお嫁さん達にバラして社会的に終わらせるから覚悟しといてね』
「やめろ」
宇髄さんはそうツッコむと茶を啜ってこう言った
「…にしても、他人にさほど興味なかった時透がこんなにもベタ惚れするとわな〜」
『はぁ…』
「気まずい感じ出すのやめろよ…」
「…ていうか、結局紗奈の過去の話聞き出せなかったのかよ!」
『…あっ』
そういえば…話の流れ的に好きなもの共有して終わっちゃった…
「…そういえば時透、紗奈の事になると派手に記憶力爆上げするよな、ありゃなんなんだよ」
『…無意識で?』
「怖すぎだろ」
「…まぁ、俺が魘されてた理由を完璧に知ってるわけじゃあないからな…」
『…そういえば、紗奈の弟も亡くなったんでしたっけ』
「そうだよ…。だから鬼に対しての恐怖心とかで魘されてるかと思ったんだがな…。まず、悲惨すぎて詳しくは思い出せれねぇけど」
『…記憶力ないですね』
「テメェにだけは言われたくねぇよ」
宇髄さんがジト目で言った
「まぁともかく、紗奈が思い出したくねぇならそれ以上追求しても意味ねぇだろ」
『…まぁ』
宇髄さんの癖に割と良いこと言ってる…
「それより、時透は紗奈の過去を知るより先、お前の記憶を取り戻せよ」
『…そうですね』
「だが、絶対記憶が戻っても紗奈の事捨てんなよ〜?」
宇髄さんがへらへらとそう言った
なんか…
…イライラする
『…霞の呼吸』
「おいっ!悪かったって!」
「ていうかお前の地雷も意味わかんねぇな」