父 「このクソガキが!」
私 「ごめんなさい!ごめんなさい!」
私は昔、虐待を受けていた。
父親から特に嫌われていた。
でもある日何も感じなくなった。
どんなに殴られても、蹴られても、暴言を吐かれても、哀しくなかった。
そして私は外に放り出された。
雨と雪が降る中、上着も着ずに外に居た。
でも何も思わない。
哀しいとも、怖いとも、寂しいとも思わなかった。
もう死ぬんだ。まぁ良いか。
どうせ愛されないし、結局いつかは死ぬから。
全部を諦めていた。
??? 「君!大丈夫か!?」
見知らぬ男性が声を掛けてきた。
??? 「あなた、どうしたの!?って何で上着も着ないで此処に居るの!?お家は?
ママとパパは?」
私 「…」
何を聞かれても反抗しちゃいけない。
「はい」か「いいえ」それしか教わってない。
??? 「…とりあえず、お家来る?」
私 「…?」
分からない。何も、でも、視界が…ぼやけて…身体が…熱い…
??? 「大丈夫か!?しっかり!」
??? 「急いで運ばなきゃ!」
??? 「ママ!毛布!車の中にあるよ!」
??? 「とにかくそれを使って急いで家に帰ろう!」
私 「…」
??? 「ママ!起きたよ!」
??? 「大丈夫?」
女の人が私を心配している。
何でだろう?私…要らない子なんでしょ?
生まれてきちゃダメだったんだよね。
女の人 「起きれる?」
起きなきゃ…殴られる…
でも…起きれない…身体がだるい…
女の人 「無理しないでね。ゆっくりで良いから」
何で…?優しくしてくれるの…?
僕…要らない子なのに…
自然と涙が溢れた。
女の人 「大丈夫?何かあった?良かったら、話して欲しいな」
この人はあかりさん。
そして私を見つけてくれた男性がはるきさん。
小さい子供はゾディアークさん。
三人は旅行から帰ってきた時に私を見つけてくれたらしい。
応えようとしても応えられない、答えたら殴られる。
あかりさん 「…怖かったね。大丈夫だよ。きっと君は頑張ってたんだよね」
何も応えられない私に優しい言葉を掛けてくれる。
あかりさん 「良かったら名前教えて欲しいな」
私 「アデル…」
あかりさん 「アデルくんね。よろしく!私が今日から君のお母さんだよ!」
私 「…良いの…?」
あかりさん 「うん!これからは家族だよ!君は生まれた場所が違っただけで、私達の
家族なんだから!」
私 「…!うん!」
これ以上ないくらい嬉しかった。
私は愛なんて貰ったことがなかったから。
優しい人に出逢えて、嬉しかった。
ゾディアーク 「これからよろしくね!アデルくん!」
私 「うん!えっと…ゾディくん!」
ゾディアーク 「アデルくんは何歳?」
私 「えっと…7歳…!」
ゾディアーク 「一緒だ!じゃあ学校一緒に行けるね!」
私 「…?学校って何?」
ゾディアーク 「お勉強したり、運動したりするの!」
私 「一緒に行って良いの?」
ゾディアーク 「うん!一緒!これからは僕がアデルくんのお手伝いするね!」
私 「…!ありがとう!」
それからずっと二人で学校に行っていた。
どちらも成績は同じくらいだったから喧嘩もなかった。
数年後
私 「おはようございます…」
あかりさん 「もー!アデルくん!敬語はダメー!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾家族なんだから!」
私 「あっ…いやでも…敬意は持っておきたいので…」
はるきさん 「そうだぞ〜!愛する我が子に名前で呼ばれるのはなんか複雑なんだ!」
私 「でも私達血が繋がってませんし…」
はるきさん 「うぅ〜!あかり〜!アデルが認めてくれないぞー!(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)」
あかりさん 「あなた〜!( ;∀;)」
ゾディアーク 「何やってんだ二人は…」
私 「ゾディアーク、おはよう」
ゾディアーク 「おはよう、学校遅れるから早めに行くぞ〜」
私 「分かってるよ」
あかりさん 「二人ともー!お弁当忘れないで〜!」
ゾディアーク 「いや、購買で買うし…」
あかりさん 「いやー!食べて欲しいの〜!」
ゾディアーク 「駄々っ子め!」
私 「ありがとうございます♪えっと…お母さん…//」
あかりさん 「…!アデルくん〜!もう好き好き大好きー!」
はるきさん 「良かったなぁー!(T ^ T)」
私 「それじゃあ!行ってきます!」
二人 「行ってらっしゃい〜!」
ゾディアーク 「ごめんなアデル、うちの親うるさくて」
私 「全然、寧ろありがとう」
ゾディアーク 「えっ?」
私 「こんな私をあの時、見つけてくれて」
ゾディアーク 「…そっか…!」
あの時私は、ある意味捨てられて良かったのかもしれない。
だってそうでしょ?
外に居なきゃ、こんなに素敵な人達に出逢えなかったから。
コメント
2件
アデルくんが幸せな家庭に拾われて良かったです!!「血は繋がっていなくても家族」素敵な言葉すぎますね!