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捨てられても

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捨てられても

1 - 居場所 (アデゾディ)

♥

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2025年12月02日

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父      「このクソガキが!」

私      「ごめんなさい!ごめんなさい!」


私は昔、虐待を受けていた。

父親から特に嫌われていた。

でもある日何も感じなくなった。

どんなに殴られても、蹴られても、暴言を吐かれても、哀しくなかった。

そして私は外に放り出された。

雨と雪が降る中、上着も着ずに外に居た。

でも何も思わない。

哀しいとも、怖いとも、寂しいとも思わなかった。

もう死ぬんだ。まぁ良いか。

どうせ愛されないし、結局いつかは死ぬから。

全部を諦めていた。


???    「君!大丈夫か!?」


見知らぬ男性が声を掛けてきた。


???    「あなた、どうしたの!?って何で上着も着ないで此処に居るの!?お家は?

ママとパパは?」

私      「…」


何を聞かれても反抗しちゃいけない。

「はい」か「いいえ」それしか教わってない。


???    「…とりあえず、お家来る?」

私      「…?」


分からない。何も、でも、視界が…ぼやけて…身体が…熱い…


バタッ


???    「大丈夫か!?しっかり!」

???    「急いで運ばなきゃ!」

???    「ママ!毛布!車の中にあるよ!」

???    「とにかくそれを使って急いで家に帰ろう!」



私      「…」

???    「ママ!起きたよ!」

???    「大丈夫?」


女の人が私を心配している。

何でだろう?私…要らない子なんでしょ?

生まれてきちゃダメだったんだよね。


女の人    「起きれる?」


起きなきゃ…殴られる…

でも…起きれない…身体がだるい…


女の人    「無理しないでね。ゆっくりで良いから」


何で…?優しくしてくれるの…?

僕…要らない子なのに…

自然と涙が溢れた。


女の人    「大丈夫?何かあった?良かったら、話して欲しいな」


この人はあかりさん。

そして私を見つけてくれた男性がはるきさん。

小さい子供はゾディアークさん。

三人は旅行から帰ってきた時に私を見つけてくれたらしい。

応えようとしても応えられない、答えたら殴られる。


あかりさん  「…怖かったね。大丈夫だよ。きっと君は頑張ってたんだよね」


何も応えられない私に優しい言葉を掛けてくれる。


あかりさん  「良かったら名前教えて欲しいな」

私      「アデル…」

あかりさん  「アデルくんね。よろしく!私が今日から君のお母さんだよ!」

私      「…良いの…?」

あかりさん  「うん!これからは家族だよ!君は生まれた場所が違っただけで、私達の

家族なんだから!」

私      「…!うん!」


これ以上ないくらい嬉しかった。

私は愛なんて貰ったことがなかったから。

優しい人に出逢えて、嬉しかった。


ゾディアーク 「これからよろしくね!アデルくん!」

私      「うん!えっと…ゾディくん!」

ゾディアーク 「アデルくんは何歳?」

私      「えっと…7歳…!」

ゾディアーク 「一緒だ!じゃあ学校一緒に行けるね!」

私      「…?学校って何?」

ゾディアーク 「お勉強したり、運動したりするの!」

私      「一緒に行って良いの?」

ゾディアーク 「うん!一緒!これからは僕がアデルくんのお手伝いするね!」

私      「…!ありがとう!」


それからずっと二人で学校に行っていた。

どちらも成績は同じくらいだったから喧嘩もなかった。


数年後


私      「おはようございます…」

あかりさん  「もー!アデルくん!敬語はダメー!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾家族なんだから!」

私      「あっ…いやでも…敬意は持っておきたいので…」

はるきさん  「そうだぞ〜!愛する我が子に名前で呼ばれるのはなんか複雑なんだ!」

私      「でも私達血が繋がってませんし…」

はるきさん  「うぅ〜!あかり〜!アデルが認めてくれないぞー!(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)」

あかりさん  「あなた〜!( ;∀;)」

ゾディアーク 「何やってんだ二人は…」

私      「ゾディアーク、おはよう」

ゾディアーク 「おはよう、学校遅れるから早めに行くぞ〜」

私      「分かってるよ」

あかりさん  「二人ともー!お弁当忘れないで〜!」

ゾディアーク 「いや、購買で買うし…」

あかりさん  「いやー!食べて欲しいの〜!」

ゾディアーク 「駄々っ子め!」

私      「ありがとうございます♪えっと…お母さん…//」

あかりさん  「…!アデルくん〜!もう好き好き大好きー!」

はるきさん  「良かったなぁー!(T ^ T)」

私      「それじゃあ!行ってきます!」

二人     「行ってらっしゃい〜!」


ゾディアーク 「ごめんなアデル、うちの親うるさくて」

私      「全然、寧ろありがとう」

ゾディアーク 「えっ?」

私      「こんな私をあの時、見つけてくれて」

ゾディアーク 「…そっか…!」


あの時私は、ある意味捨てられて良かったのかもしれない。

だってそうでしょ?

外に居なきゃ、こんなに素敵な人達に出逢えなかったから。


この作品はいかがでしたか?

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コメント

2

ユーザー

アデルくんが幸せな家庭に拾われて良かったです!!「血は繋がっていなくても家族」素敵な言葉すぎますね!

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