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港の闇
夜は静まり返っていた… 潮風が吹き抜け、かすかな錆と塩の匂いが漂い、波が岸辺に優しく打ち寄せる音が響いていた。
港沿いの廃倉庫群は街灯の薄暗い明かりに照らされていた。リンとヨツメは様子を伺うためにゆっくりと近づいた。
ヨツメはキツネ耳を震わせ、立ち止まった。そしてリンを掴もうと飛びかかった…
バン!
ポケットナイフがリンの立っている場所をかすめ、コンクリートの上にドスンと落ちた!
「耳が良いね」影の中から女性の声が響いた。
暗闇の中から、ジキル/ハイドが現れた。顔には笑みを浮かべ、目にはいたずらっぽい表情を浮かべていた。片手にナイフを持ち、くるくると回していた。
「でも、少ししか役に立たなかったわ!」
彼女はリンにナイフを振り下ろした――しかし、ヨツメの刀はそれを鋭く払いのけた。
戦い
三人は激しい戦いを始めた。刀とナイフがぶつかり合い、金属がぶつかり合う音が廃倉庫に響き渡った。
リンは自ら刀を抜き、ジキル/ハイドに猛然と振り下ろしたが、彼女は軽快に身をかわした。瞬く間に彼女の体は後ろに転がり――
冷たい手がリンの尻尾を強く掴んだ。
「尻尾…かっこいいわね」
彼女は笑いながら、リンの頭上に燃え上がる青い炎を首を傾げて見つめた。
「それに、その炎…かっこいいわね~」
リンの苛立たしい言葉に歯を食いしばったが、動く前にヨツメが刀を振りかざした。ジキル/ハイドは刀を離して避けたが、艶やかな髪が少し切れてしまった。
「ちっ!一日中梳かしてた美しい髪を、少し切られただけなのに…」彼女は散らかった髪を払い落としながら、悪態をついた。
リンは冷たく、ほとんど唸り声のような声で前に出た。
「教えてくれ!ブックオフシャドウを持ってるのか!?」
ジキル/ハイドはからかうようにニヤリと笑った。「ごめんなさい。」 「その本はもう取られてしまった…また後で遊ぼうね!」
リンの姿は、まるで溶けるように闇の中へと消えていった。
真実と絶望
リンはすぐに後を追ったが、ヨツメが彼女の腕を掴んだ。
「まだよ」彼女は冷静に、しかし毅然とした口調で言った。
リンは歯を食いしばり、苦痛に満ちた目で闇を見つめた。
「秘那佐ちゃんがいなくなった…あの本を処分しなければ、全てが失われてしまう!」
ヨツメは彼を見つめた。声には冷静さが宿っていたが、決意に満ちていた。
「何があろうと…影の本を取り戻す方法を見つけなければならない。」
二人の影は廃倉庫に漂っていた。波の音は今も響き渡っていたが、リンの心は絶望と憤りの炎で燃え上がっていた…
第三章 終了