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目が、覚めた。夢…だった。忘れていた、日向との出会い。どうして、忘れていたんだろう。私達の魔法が、昼と夜になっている理由に、納得できたから、良かったけど。
朝食の準備。草香と一緒だ。実は、前の村でフライパンのようなものを買っておいた。底が焦げないフライパン。洗うのが楽。すごい楽。火起こしして、肉——昨日、倒した牛の——を、焼く。草香は、食べられる野草(野菜)を持ってきてくれるらしい。——-あ、帰ってきた。キャベツみたいだ。ん?レタス…?中間ぐらいの見た目…?んー?分からない…。どっちにも似てる…。ま、良いか。その野菜を炒めて、肉と一緒に盛り付けたら……出来上がり。なんて言うんだったけこれ… 回鍋肉? いや、違う… 野菜炒め…も、肉が入ってるから、違…いや、ん? …ダメだ。分からない。 まぁ、美味しかったから、良かったけど。
昼。突然、雨が降ってきた。急いで近くの洞窟に…って、無いじゃん。探さないと…その間、また、日向たちと離れてしまった。でも、草香がいる。…前と一緒…
「ねえ、 夜月。」
「うん?」
「夜月、さ、いつも、日向と一緒だよね。もし、 今、ここで、夜月を倒したらさ、日向、どんな顔をするのかな?どうなっちゃうのかな?」
「まさか——-」
「夜月、あなたが憎い!いつも、隣に日向がいて。私は、1人なのに!」
…これって…
「…草香の気持ちは…分かる。私も、そうだったから。」
「嘘つかないでよ! ずっと、日向と一緒だったんでしょ! ずっと、ずっと!」
「違うよ。日向とは、2年くらいしか、一緒じゃない。」
「そう。だったら——-!」
「でも!それが人を倒す理由にはならない!いや、人を倒す理由は、何もない!人を、倒しちゃダメだよ。」
「ふふ、そんなこと言っても、もう、遅いよ。私は、あなたを——!」
これは1回、落ち着かせないと…。彼女の剣を取れば、多分、大丈夫。
柄を狙って…峰打ちで…ここ!
「よし!」
剣は、私の後ろの地面に刺さった。
「残念だけど、私は倒せないよ?ねえ、教えて。 どうして、私を憎んだのか。」
「私…私…ね、家族から、村から、追い出されたの。なんでなのかは…分からないけど…。魔法は、これがあったから、問題なかった。夜月も、 持ってるでしょ。これは。でも、剣の扱いは、 独学。何度も、倒されそうになった。そう。私は、孤独だったの。それなのに…あなたは…私と、違った! 恵まれていた!幸せそうだった!だから!」
「…そうなんだ。……草香、あなたの気持ちは、分かる。昔…日向と会う前だけど、私も、同じだった。そして、今も、そうなる可能性があった。」
「どういうこと?」
「私…私達、流海以外の…違う世界、異世界からきたの。」
雨脚が、弱くなってきた。
「日向と、氷水がいたから、独りじゃなかった。でも、もし、日向がいなかったら?私は独り。 旅に出ていなかったかもしれない。全部、偶然。 私と、草香が、出会ったことも。奇跡だったんだよ。偶然が、重なったことで起きた、奇跡。」
「偶然…。」
雨が止んだ。
「草香、1人じゃ、ないよ。私が…いや、私達がいるから…」
「1人じゃ…ない。うん。夜月、ありがとう。」
太陽が出てきた。
「ありがとう。」
良かった。元気になって。
「夜月ー!良かった!ここにいたんだね!」
「日向!」
「あれ?草香、何か…変わった?」
「気のせいじゃない?」
「お、虹だ。」
「わぁ、本当だ。キレイ…」
私達は、また、歩き始めた。もう少しで、次の村に着くらしい。