「好きな色はあのかわいー色だよ、ピンク色。でね嫌いな色は、あおみどり。」
あっけらかんとした口調で答える猫のような瞳孔をした少女に、俺は首を傾げた。
「何で青緑が嫌いなんだい」
ピンク色のリボンを付けている点を見れば彼女がピンクが好きなのは明確だった。しかし嫌いな色の方が分からない。
すると彼女はあからさまに眉をしかめ、まるで苦いものでも食べたように舌をべえと出して。
「考えてもみてよぅ、あおみどりだよ? 」
さっぱりだ。分かるわけが無い、遠回しにも程がある。
黙りこくった俺の表情を読み取ったのだろう、やれやれと言わんばかりに理由を喋り出した。
「だってね、アオミドロみたいで気持ち悪いと思わない?」
響きが。
そう続けた。
俺は苦笑いしかできなかった、アオミドロが気持ち悪いかはともかく、彼女の指先の青緑色のネイルを見たからだ。
「最近ネイルにハマってるんだ、綺麗な色でしょ」
その後、興味本位でアオミドロの写真を見せてみると、目を輝かせて『神秘的な虫だ』と答えた。
葉緑体を感じるらしい。
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自分には理解できなかった、