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本気になってはいけない恋

170 - 第170話   幸せなプレゼント⑩

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2024年06月17日

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そして、三輪ちゃんと高杉くんの司会の元、皆が参列している場所へと、樹と二人で一緒に入場していく。


用意してくれた初めて見るその場所は、広いガーデンの中にたくさんの花に囲まれた華やかに輝きを放った装飾で。

その中を樹と二人で歩きながら幸せを噛みしめる。


参列してくれた人たちの顔を一人一人ゆっくり確認してはまた幸せになる。

ずっと私たちを見守って来てくれた人・応援して来てくれた人・皆が笑顔で祝福してくれる。


その人たちの前で、樹と私はこれからの想いと愛を誓う。


そして結婚証明書に二人で署名。

神様ではなく、大切な人たち皆の前で私たちの結婚をこの証明書に刻む。


立会人は樹と私を繋いでくれた一番お世話になった二人。

誰より近くでずっと見守って応援してくれた無くてはならない二人。

新郎側からは修ちゃん・そして新婦側からは美咲。

そしてその証明書と共に参列してくれた人たち皆にこの結婚を承認してもらう。


樹とのこの出会いも結婚も、私たち二人で進められたことじゃなくて。

ここにいる一人一人の人たちの想いが積み重なって辿り着くことが出来た。

この結婚は私たちだけではなく、皆に承認してもらうことで、きっとようやく今カタチになった。


人前式が終わると、今度はまた美咲に部屋に連れて行かれる。


「今度はガーデンパーティー用のお色直し。そっちのドレスも麻弥ちゃんが用意してくれたから」


美咲がそう言って見せてくれたドレスはまたさっきと違う素敵なドレス。


「これも?」

「もちろん。お色直しはしないとね。っていうか、それは樹くんのたっての希望でさ。また透子の全然違うドレス姿見たいんだとさ」

「フフッ。樹らしいね」

「まぁ今日はあんたたちが主役だからさ。私は言われる通り花嫁さん綺麗にするだけのこと。着替えたらまたヘアセットするから」

「ごめんね美咲。ゆっくりしてもらえなくて」

「私はこうやってる方が落ち着くからさ。ほら着替えといで」

「うん。ありがと美咲」


そしてまた新たなドレスに着替えて美咲にヘアセットをしてもらう。


美咲は招待客なのにこんなことまでずっとしてもらって申し訳なさもあるけど、でも正直いつでも側にいてくれる親友が、こういう瞬間も側で力を貸してくれることが嬉しくて。

美咲が言ってくれる言葉に素直に甘えてしまう。


「よし。行っといで」


そう言って美咲が全部準備が出来た私の背中を押してくれる。


力強い親友からのエールをもらって、部屋を出ると、そこに待っていた愛しい人。

そして部屋から出てきた私に優しく穏やかに微笑んでくれる。


「やっぱり正解」

「え?」

「そのドレスも透子すごく綺麗」

「ありがと・・」

「やっぱり結婚式やってよかった。こんなに綺麗な透子見れた」

「樹も。すごく素敵」

「当然。透子に釣り合うのはまぁオレくらいだろうから。今は自信持って透子の隣にオレも並んでいられる」


そう照れくさそうに冗談を言って笑いながら伝えてくれる樹。


うん。

ホントに素敵だよ、樹。


「私も」

「ん?」

「私もこんなにカッコいい樹見れてよかった」

「そっ?」

「うん」

「惚れ直した?」

「うん。もう何回も惚れ直してる」


きっともう数えられないくらい、一つ一つの瞬間の樹を。

何度も私はその度に樹を好きになっていく。

前よりももっと、今よりももっと。


「でもまだまだオレには適わないけどね。透子のこと好きな気持ちは、透子がオレを好きな気持ちにもきっと負けないから」


どこで誰と張り合ってんだか。

だけど、ずっと変わらないその樹の言葉がまた私を幸せにしてくれる。


「じゃあ、私も負けないかな」

「何が?」

「今誰より一番ホントにすごく幸せ。きっとそれは樹にも負けない」


きっとこれは私の方が負けない。

こんなにも幸せにしてもらってる今の私は、世界中の誰より幸せだと自信持って言えるから。

きっとそれは樹にも適わないでしょ?


「確かに。今日はオレより透子が一番幸せになってもらいたい日だからね」

「でしょ?」


樹がこんなにもたくさんの想いと愛情で幸せをプレゼントしてくれている。

こんな幸せは他の誰も味わえない。

私だけの特別な幸せ。


「じゃあ、これからもっと幸せになりに行こっか」


そう言って笑顔で手を差し出す樹。


「うん」


抱えきれない幸せが、樹に向けたこの笑顔からも零れ落ちる。


きっと今日はこの幸せも、樹への想いも、ずっと溢れて、きっと止まらない。

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