「」⋯剣持
『』⋯加賀美
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『ふぅ…』
最近は配信などでパソコンやスマホに向き合うことが多く、少し疲れてしまった。
『ちょっと目を休ませましょうかね…』
しばらく目を閉じてソファに横になっていると、学校に行っていた剣持さんが帰ってきた。
「はぁ…つっかれたぁ…!」
「社長まだ帰ってきてないのかな?」
「とりあえずテレビでも観よ…」
そう言ってソファの方に向かってくる剣持さん。
「ぅわっ、びっくりしたぁ、」
「…社長、ねてる…?」
寝てはいないがこのまま寝ていることにしていたら何をするのだろうか。
気になった私は何も応答せずそのまま寝ていることにした。
「…寝てるよね、?」
確認でもするかのように私の頬をつんつんしてくる剣持さん。
「…寝てるなら何したっていいですよね」
…いやいや全然そんなことはないですよ剣持さん?
ほんと、何をしだすのか…
ちゅっ、
…ん?
剣持さん?
「ははっ、社長全然起きない、w」
そんなことを言いながら、これでもかとキスを落とす剣持さん。
頬、額、瞼、首筋…。
そして最後には唇に少し長めのキスを落とす。
満足したのかどこかに行こうとする剣持さん。
その手をパシっと掴んだ。
『おかえりなさい、剣持さん』
「…ただいまです、起こしちゃいました…?」
一瞬驚いたような顔をしたがすぐに笑顔に戻る剣持さん。
ソファから立ち上がり、剣持さんにとっては衝撃の事実を明かす。
『起きた、というか最初から寝ていませんでしたよ?』
「…ぇ、」
剣持さんの無理やり貼り付けたような笑顔が引き攣り、だんだんと顔が赤く染まっていく。
「ぇ、?えっ?///」
「嘘ですよね、?///」
今までにないくらい焦っている剣持さん。
本当に可愛らしい…♡
『私とのキス、足りなかったですか?』
『剣持さんキス大好きですし、おはようとおやすみのキスだけじゃあ足りませんよねぇ…?』
「ぇ、ゃ、ちがうんです!」
こうやって普段余裕たっぷりの剣持さんをいじめるのが大好きなんですよね…
『いいですよ、今日は思う存分、私とキスしましょう?♡』
『ほら、今日なら私を好きにしていいですよ』
「え、いや、///」
『ほーら、今日だけですよ?♡』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
社長を好きにしていいって滅多にないことだけど、
今の流れだとキスとかだよね…
恥ずかしすぎるでしょ…
とりあえずほっぺ触ってみよ、社長のほっぺつるつるだしもちもちしてて気持ちいんだよなぁ。
「じゃ、」
社長の頬に触れると、心地よさそうに目を閉じて、もっとやってと言わんばかりに、すりすりと頬を擦り寄せてくる。
「…社長、ほんとにされるがままですね…」
『今日は好きにしていいって言いましたしね、それに剣持さん、意外に甘えさせるの上手ですし、』
そうなのかな、と少し照れくさくなった。
社長の両頬をむにっと掴み、そのまま左頬にキスをしてそっと離す。
すると僕の肩に手を置いて耳元で囁く。
『ほっぺだけでいいんですか?』
「ッ…?!///」
なんか今日、社長が可愛いッ…!
どくんどくんと周りに聞こえていないか心配になるくらいに心臓の音が大きくなる。
ドキドキしながらも社長に顔を近づける。
ただ、僕の身長では社長の顔に届かない。
その恥ずかしさで僕は涙目になってしまう。
『そんなに涙目になってしまって、本当に可愛いらしいですねアナタは♡』
もう恥ずかしさに耐えきれなくなり、社長のシャツをぐいっと引っ張る。
ちゅっとキスをすると、社長が舌を入れてくる。
「んはッ、♡むぅッ…♡///」
「ぷはッ、♡」
唇を離すと、社長がいたずらっぽく言う。
『キスだけでこんなにとろとろになっちゃって、そんなに気持ちよかったですか?”私との”キスは♡』
あぁもうほんと、ドSすぎるあの人は、
でもちゃんとキス上手いから気持ちいいのはほんとなんだよな…
だからこそ、キスだけでとろとろになってしまう僕が情けなくて、恥ずかしい。
恥ずかしさが限界に達し、ぼろぼろと涙が溢れてくる。
「もう今日はむりですっ!///」
「このへんたい!///」
泣きながらばたばたと2階に上がっていく。
『あ〜あ、今日はさすがにいじめすぎましたかね…w』
『剣持さんが可愛いすぎるのが悪いんですけど…』
『次から気をつけないと…』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈