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こちらの作品はirxsのnmmn作品となっております
上記単語に見覚えのない方、意味を知らない方は
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ご本人様とは全く関係ありません
最近、フォロワーさまが増えてきて、
感謝しかないです💕💕
中には、有名な方もいらっしゃって……✨️✨️
Nさまとか、Nさまとか、Nさまとか……
もしや、Nがイニシャルの方って、
天才しかいらっしゃらないのでは……??
それなら、わたしも見習って、
SをNに変えて、ならくあん……やめます。
さくらあんでいきます🙄🙄
話は変わりますが、
今回本編がいつもの2倍あります🙇🙇
それだけ重要な回なので!!許してください😭
Day4 買い物と猫
普段と違い、大人しい様子のことを
『借りてきた猫』という慣用句で言いますが
猫の本性は普段見せてる一面なのか、
はたまた大人しい様子なのか、
一体どちらなのでしょうか……?
ないこが我が家に来て、
早10日。
今日は、2回目の週末。
1回目の週末はというと、
外に出る選択肢なんて、
最初から頭になかった。
警戒心丸出し。
家の中でも距離は微妙で、
必要以上に近づけば、
〝噛みつくぞ〟って顔をしていたのを
俺は忘れていないからな、ないこ。
……まぁ、
1番の理由は、
俺の急な休日出勤が決まったからやけど。
そのため、心のなかでは
ないことの初めての休日気分。
最近、
ないこに着せる服が
だいたい似たようなのばかりになってきたり
日用品も、足りなくなってきたりしている。
久しぶりに、
ショッピングモールにでも行くのも、
ええかもしれへんなぁ……。
そう考えつつ寝室から出ると、
リビングには
美味そうな匂いが立ちこめていた。
「おはよ、ないこ」
声をかけると、
キッチンに立っていたないこが振り返る。
「あ、まろ。おはよ。
朝ごはんできたよ。
ちょうど起こしに行くとこだった」
……いつの間にか、
ないこからの『おはよう』がないと、
なんとなく
1日が始まった気がしなくなっているのは
俺の勘違いだろうか。
「まろ?どうした?」
気づけばぼーっとしていたらしい。
「ごめん、なんでもない。食べよか」
そう言って椅子に座り、
手を合わせてから箸を取る。
「ん、うま」
「それならよかった」
朝ごはんでこうして話せるようになって。
「毎回言っとるけど、
手伝わんくてごめんな」
「いいよ、大丈夫」
ありがとう、ごめん。
そんな感謝も伝えられるようになって。
「だって、まろ、
1回手伝ってもらったことあるけど、
その時キッチン燃やすかと思ったから」
「あれが俺の精一杯や……」
お互いに軽口まで言えるようになって。
少しだけ、
距離が近くなれたと思う。
そして、
それが特別じゃないことが
ただ、嬉しかった。
「あ、そうや。ないこ」
俺の声に、
シンクの水音が止まる。
洗っていた手が止まり、
それに合わせるように
ないこも皿を拭く手を止めた。
「俺、この後ショッピングモールに
行くつもりなんやけど」
「あぁ、りょーかい。いってらっしゃい」
当たり前のように言うないこに、
首を傾げる。
「え、何言ってるん?ないこも行くんよ?」
その一言で、
ないこの動きが完全に止まった。
ピンクトルマリンのような瞳が
零れ落ちそうなほど大きく見開かれる。
「……は?」
ないこの声は、
驚きというより、戸惑いに近かった。
「いや、なんでそんな顔すんねん。
ショッピングモールやで?
服とか、日用品とか、
見るだけでもええから」
できるだけ軽く言ったつもりやったけど、
ないこはすぐに視線を落とした。
「俺、特に欲しいものとかないし……」
ないこは小さく息を吐く。
「俺は、別に……
外なんか、出なくてもいいから」
その言い方が、
〝行きたくない〟というより、
〝行っていいと思えない〟みたいで。
俺は、少しだけ言葉を選んだ。
「無理にとは、言わんけどな」
濡れた手を拭きながら、
視線を合わせる。
「ないこの服、
買いに行くつもりやから。
サイズも好みも、
俺、まだ全然分からんし」
だから、と
言葉を続ける。
「できれば、
一緒に来てほしい」
ないこはしばらく黙ったまま、
手に持った皿拭きをきゅっと握りしめていた。
……やっぱ、あかんか。
そう思いかけた、そのとき。
「……ぃく」
「……え?」
あまりにも小さくて、
最初は聞き間違いかと思った。
「俺も行くって言ってんの!」
顔を上げて、
少しだけやけになったように続ける。
「俺のやつ選んでもらうのに、
本人がいないのはどうかと思うから」
強がった言い方の裏に、
ほんのわずかな緊張が滲んでいた。
やけど。
それで十分やった。
「っしゃ、俺準備してくるな!」
勢いよくそう言うと、
「……でも、ほんとに見るだけだからね」
念押しするような声が飛んでくる。
俺は振り返らずに、
肩越しに手を振った。
「ええよ、そんなん。
1人より一緒のほうが楽しいやろ!」
そう言って洗面所へ向かいながら、
胸の奥がじんわり温くなるのを感じた。
……ないこを外に連れ出すつもりやったのに、
その時間を楽しみにしていたんは、
もしかしたら俺のほうかもしれんな。
「……人多……」
ショッピングモールに着くなり、
ないこはぽつりとそう呟いた。
……あ。
よくよく考えてみたら、
ないこはドライヤーみたいな大きな音が苦手や。
ってことは、
人が多くて、ざわざわした場所も
当然、得意なわけないよな。
なんで今まで気づかんかったんや、俺。
「ないこ、イヤホンとか持ってへんの?」
音楽でも聴いとけば、
多少マシになるはずや。
「あー……あるよ、一応」
そう言って、
ポケットから取り出されたのは、
どこにでも売ってそうな有線イヤホン。
「え、ワイヤレス持ってないん?」
今どきの高校生やし、
てっきり当たり前に持ってるもんやと思ってた。
俺らが高校生の頃に、
ちょうど流行り始めたやつやし。
「だってあれ高いじゃん」
眉を寄せながら、続ける。
「そんなもの買ってるより、
食費確保することのほうが大事」
当たり前みたいに言うその一言が、
なんだか妙に現実的で。
「……そっか」
それ以上、
俺には何も言えなかった。
服に関して無頓着な俺が
気に入っているブランドとかが
あるわけもなく、
目についた店にどんどん入っていく。
そんな俺に、
ないこは黙ってついてくるだけやった。
……一応、
お前の服買いに来たんやけどな……。
「……ぁ」
ふと、
かすれたみたいな、
ないこの声が聞こえた気がして、
足を止めて振り返る。
さっきまで確かに
すぐ後ろを歩いていたはずのないこが、
そこにいない。
視線を動かすと、
数歩後ろで、ないこが立ち尽くしていた。
人の流れから、
ほんの少しだけ外れた場所で。
その視線の先には、
黒を基調にした服が並ぶ店がある。
星を思わせる模様や、
宇宙を連想させるデザイン。
派手じゃないのに、
どこか目を引くそのラック。
ないこは、
そこから視線を逸らせずにいた。
その横顔を見て、
俺はようやく腑に落ちる。
「……そこ、気になるんか?」
ないこの元へ歩きながら、話す。
「ぇ、あ、いや、別に……」
別に、って。
さっきまであんなに眺めとったくせに、
どの口が言うんや。
説得力なさすぎや。
ほんま、素直やないなぁ……。
「んー……ほな、俺が気になるから、
行ってみよか」
そう言うと、ないこはこくりと頷いた。
店の前まで来ると、
ないこは一瞬だけ足を止めた。
外のざわめきと違って、
店内は少しだけ照明が落とされていて、
流れている音楽も静かめやった。
「……思ったより、静かだね」
小さく呟いてから、
ないこはそっと中へ足を踏み入れる。
ラックに並んでいるのは、
黒や紺を基調にした服ばかり。
星みたいな小さな柄や、
夜空を切り取ったようなプリントが
主張しすぎずに並んでいる。
ないこは無意識みたいに、
一着のタートルネックへ手を伸ばした。
指先で生地を確かめて、
少しだけ目を細める。
けど次の瞬間、
値札が目に入ったのか、
その手がぴたりと止まった。
何も言わずに、
再びハンガーを戻そうとする。
「おいおいおい、ちょ待てや」
思わず声をかけると、
ないこはびくっと肩を揺らした。
「触るだけならタダやろ」
「……」
図星なのか、黙り込んでる。
「似合いそうやと思ったで、それ」
「……ほんとに?」
「ほんとに。ないこっぽい」
そう言うと、
ないこは少しだけ困ったように笑った。
嬉しそうやのに、
どこか遠慮が先に立ってる顔。
その表情を見て、
胸の奥が、少しだけきゅっとした。
俺は、
こいつのことを
分かってるつもりでおった。
けど、
案外まだ何も、知らんかったんやな。
「……試着、してみよ」
「え」
「見るだけ、やろ?それならええやん」
逃げ道を残すみたいに言うと、
ないこは少し考えてから、
小さく頷いた。
「……じゃあ、見るだけ」
そう言って抱えたタートルネックは、
さっきより、ほんの少しだけ
大事そうに見えた。
「どう……?」
試着室から出てきたないこは、
さっき選んだ服を着たまま、
その場でくるっと一回転してみせた。
どことなく、
……いや、どう見ても嬉しそうな顔。
「ええやん、似合っとるで。
1着目、決まりやな」
そう言った瞬間、
ないこはぱちっと目を丸くした。
「え、1着目!?
まろ、何着買う気なの!?
俺、そんないらないってば」
わーわー言い出すないこに、
俺は人さし指を口元に当てて、軽く制する。
「はいはい、
ないこが買うつもりやなくても
俺が買うつもりやからええんですー」
反論する間も与えんよう、
ないこがカーテンを閉める前に、
あらかじめ用意しておいた服一式を差し出す。
「じゃあこれも着てみてな〜」
そう言って、
半ば強引にカーテンを閉める。
中から「はぁ!?」って声が
確かに聞こえた気がしたけど。
俺は何食わぬ顔で、
その場を離れた。
ふ〜んふふ〜ん♪
鼻歌なんか口ずさみながら、
俺は足取り軽くモールの通路を歩く。
その横で、
ないこはさっきから落ち着かへん。
「ねぇ、ほんとによかったの……?」
おずおずと、何度目か分からん確認。
あの後、
結局試着した服は全部買った。
近くにおった店員さんにも
「すごくお似合いですね」なんて
何回も言われとったしな。
そして、
今ないこが着とる服も、
前まで着てた俺のお古やなくて、
さっき試着してた中の一着や。
「ええって言うとるやろ」
歩きながら、肩越しに言う。
「ご飯も家事も、全部任せっきりやのに、
俺、何も返せとらんからな。
そのお礼やと思っといて」
そう言うても、
ないこはまだどこか申し訳なさそうで、
視線をうろうろさせとる。
……ほんま、遠慮しすぎや。
「あー、もう。これでええ?」
その顔を早く変えたくて、
俺は少しだけ強めに口を開いた。
「ないこは、これからも毎日家事します。
俺は、その代わりに、
必要な生活用品は全部用意します。
で、これはその一部」
な?と最後に圧をかけると、
ないこはしばらく黙ってから、
「……分かった」
渋々、そんな声で頷いた。
けど。
その口元は、
さっきまでの強ばりが嘘みたいに、
ほんの少しだけ緩んでいた。
「……あ、せや。
これもないこに」
試着室を離れた時に、
近くの雑貨屋で買ったやつ。
そう説明をつけて、
小さな袋をないこの手に押し付ける。
「え、ありがと……」
今度は、
さっきみたいに遠慮して突き返すこともなく、
素直に受け取ってくれる。
その様子に、少しだけ安心してから言った。
「それ、今開けたほうがええかも」
「え?」
「ほら、そこ空いとるで」
たまたま目に入ったベンチに腰を下ろす。
両脇には、
さっきまで抱えていた服でいっぱいの紙袋。
その間に、ないこを座らせる。
「開けていいの?」
「開けてええって言うとるやろ」
さっきと同じように
何度も確認してくるのがおかしくて、
俺は軽く笑いながら、その反応を待った。
「……ぅわ」
恐る恐る袋を覗き込んだないこは、
次の瞬間、パッと目を輝かせる。
「いいのこれ!?
生活必需品の域超えてない!?」
中に入っていたのは、
小さなケースに収まったワイヤレスイヤホン。
「超えてへんよ」
そう言いながら、俺は肩をすくめた。
有線イヤホンをつけて歩くないこは、
人の波に引っかかりそうで、
いつもどこか危なっかしかった。
これから先も、
ショッピングモールみたいな
人の多い場所に来ることはあるやろうし。
そのたびに、
あんな顔されるんは、正直見てられん。
だからこれは、
ちゃんとした必要経費。
「これ、高かったでしょ?」
さすがにこのお金だけでも返す。
そう言わんばかりの顔に、
俺は首を振った。
「高校生は、高校生らしく気楽にしてや。
それに、俺は社畜やっとるし、
一応、大人やから金ぐらい持っとる」
冗談めかしてそう言いながら、
くしゃりと頭を撫でる。
すると、少し間を置いて。
「……大事にする」
聞き取れるか分からんくらいの
小さな声やったけど、
それは確かに、俺の耳に届いた。
その一言だけで、
今日ここに来た意味は、
全部、報われた気がした。
「もう必要なものないよな?」
「……逆にこれ以上に必要なものって何?」
そう返されて、思わず笑ってしまう。
気づけば俺たちの両手には、
服や消耗品、食品が詰まった
ビニール袋や紙袋がいくつもぶら下がっていた。
「うし、ほな、帰るか」
「うん」
そう答えたないこの耳には、
さっき渡したばかりのワイヤレスイヤホン。
それでも普通に会話が成立しているあたり、
こいつ、耳ええんかもしれんな、なんて思う。
駐車場へ向かいながら、
今日このあと何するだの、
明日は布団を干さなあかんだの、
ほんまにどうでもええ話を並べていたときだった。
「うるせぇ!!
女は黙って聞いときゃいいんだよ!!」
今の時代には、
あまりにも浮いた怒号が、
空気を切り裂くように響いたのは。
声の主は、
若くて、チャラついた雰囲気の男。
そのすぐ隣で、
女性が肩をすくめて縮こまっている。
俺も、周りの人間も、
示し合わせたわけでもないのに、
その2人を避けるように歩いた。
……まだおるんやな。
今どき、関白亭主気取りのやつ。
そんなふうに、
その時はまだ、完全に他人事として
そう考えていた。
「ひゅっ」
と、横で短い息が聞こえるまで。
「ないこ?」
振り向くと、
さっきまで普通に話していたないこが、
明らかに顔色を落として立っていた。
口元が強ばり、
視線は定まらない。
さっきの怒号。
思い当たるのは、それしかなかった。
一気にいくつも考えが頭をよぎる。
理由とか、過去とか、そんなもんは後回しや。
一気にいくつも考えが頭をよぎる。
理由とか、そんなもんは後回しや。
今一番大事なんは、
ないこを、落ち着ける場所に連れて行くこと。
……この距離なら。
視線を走らせると、
少し離れた場所に、
人の気配が少ないソファが見えた。
「ごめんな、ないこ」
声を落として、そっと呼びかける。
「ちょっとだけ、急げる?」
手は引かない。
けど、逃げ道になるように、
半歩前に立って歩き出す。
言葉も説明もいらない。
ついて来られる距離だけを保って。
人の気配が薄いソファに辿り着き、
座った瞬間だった。
ないこは、
堰を切ったように呼吸を乱し始める。
「ひゅ……っ、ひ……っく」
空気を吸おうとしているのに、
胸が追いついていない。
視線は宙を彷徨っていて、
目の前にいる俺の存在すら、
きっと、もう届いていないだろう。
俺は隣に腰を下ろし、
驚かせないように、ゆっくりと肩に触れる。
叩くというより、
そこにいると伝えるみたいに。
「ないこ、大丈夫やで。
大丈夫。ここにはもう何もあらへんから」
「ゃ、だ……ひっ」
「ん、大丈夫よ。俺おるから。
まろだよ。まろ、分かる?」
声のトーンをさらに落として、
呼吸の合間に、静かに言葉を差し込む。
一定のリズムで肩に触れながら、
呼吸が戻るのを、ただ待った。
ひゅ、と途切れていた息が、
次第に、ゆっくりと繋がっていく。
そして
ぴたりと荒い呼吸が止まった。
「……ないこ?」
そう呼んでも返事はない。
さっきまで浅く、途切れがちだった息は、
ゆっくりと、一定の間隔に戻っている。
過呼吸は、ひとまず収まったらしい。
けれど、ないこは目を閉じたまま、
微動だにしなかった。
眠ってしまったのか。
それとも、気を失っているだけなのか。
判断がつかず、
俺は一瞬、動けなくなる。
体勢を崩さないように
そっと支え直したその拍子に、
耳にはめていたイヤホンが、
ぽろりと床に落ちた。
拾い上げた瞬間、
小さな音が、ふいに流れ出す。
オルゴール。
あまりにも静かな旋律が、
さっきまでの異変が嘘だったみたいに、
この場を覆っていく。
ないこの胸は、確かに上下している。
それでも俺は、
その音が止まるまで、
決して目を離せなかった。
コメント
6件
さーちゃんの素敵な小説がみんなに広まっていってるの自分のことみたいに嬉しいっ·͜· ❤︎ Nさまいっぱいだね、!?…私も名前改名しようかな…(🙄 桃さんは家事をします。青さんは〜のとこの言い方が子供を説得するみたいでほんとに好きすぎる…!!😖💘 桃さんが急に様子が変わったのにドキドキしてる…どんな関係があるんだろ…🤔💭 今日も癒しをありがとうーっっ𐔌ᵔ ܸ . .ᵔ ꣓
初コメ失礼致します( . .)" 少し前から作品を拝見させて頂いておりました(><) めちゃめちゃ作品の雰囲気好きですෆ 今回も神作をありがとうございますෆ 次の作品も楽しみにしています💞