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色のない世界と言われたら、君たちはどう感じるだろう。そんな世界があるのか。疑いたくなるだろう。だけど存在する。ここに。僕らの世界こそ、色のない世界だ。知っているのは、僕らの持つ”色”。”チキュウ”という星では”シロ”、”クロ”、”ハイイロ”と言われているらしい。過去にその星からバグやらなんやらで来てしまった少年から教わった。その少年は、とても鮮やかな”色”をしていた。あの色の名前を、僕はもう覚えていない。また彼に会える日が来るのかな。


歩いていたら何かを見つけた。一輪のユリの花。僕はその花を採った。ユリの花が可哀想だとは思う。だけど、この一輪のユリも、僕も、孤独なんだ。たった一輪しかここには生えなかった。僕も誰かと行動が出来なかった。孤独同士で親近感が湧いた。僕はこの花を大事にしよう、そう思った。


ずーっと歩いていると、そこには街がある。色のない、とても静かな。”チキュウ”は色で溢れていて、街も賑やからしい。僕もいつか”チキュウ”に行けたらいいのにな。


街を歩いていると、一人の少年がこっちを見ていた。僕も静かに見つめ返すと、その少年はこっちに歩いて来た。

「ねぇ、君。どこに行くの。」

その少年に問われる。僕は 「分からない。」そう答えた。

「そっか、散歩かな、自分も連れてってよ。」

人懐っこい少年だった。その後も「この街は本当に静かだね。」とか「色ってなんだろうね。」とか他愛のない話をしながら歩いていた。ふとその少年は足を止めた。

「あ、大事なこと忘れてた。君、名前なんていうの??自分はシキヤ。」

「名前……。」

そんな物、あったっけ。覚えていない。なかったかもしれない。黙っていると、シキヤは僕の手を優しく握った。もちろんユリの花を潰さぬように。

「じゃあ今日から君の名前はイロナ。よろしくねイロナ。」

勝手に決められて進められたけど、とてもいい名前だと思う。

「ありがとうシキヤ。よろしくね。」

僕が笑うと、シキヤも嬉しそうに笑った。僕のはじめての友達。嬉しかった。シキヤになら、僕の言いたいことも笑わずに聞いてくれるかな。僕は口を開いた。

「僕、色を探す旅をしてる。」

「色を……探す旅…??」

不思議そうにされた。そりゃあそうだと思う。いきなり何を言い出しているんだろうって。だから僕は一から説明をした。

「なるほど……いいね、面白そう。その旅、自分も連れてってよ!」

食い気味だった。なんだか照れ臭い。そして嬉しい。これが、僕らの色を探す旅が始まった瞬間だった。

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