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「……いくと、さん……」
「何?」
「あの、これは……」
「ん?」
「……も、しかして、酔って、ます?」
先程練習も兼ねていくつかお酒の作り方を教わった詩歌。作ったお酒は全て郁斗一人が飲んだ為、もしかしたら酔っているからこんな風にからかい出したのかもしれないと思い尋ねるも、
「酔ってなんかいないよ? 俺、酒は強い方でね、基本酔わないんだよ」
郁斗は全く酔っていないようで笑顔を浮かべながら詩歌を見下ろし続けている。
見つめられて恥ずかしくなった詩歌が顔を背けようとするも、
「逸らさないで、その可愛い顔、もっと良く見せてよ」
郁斗の骨ばった手が彼女の頬に触れて、邪魔をする。
触れらた頬が熱くなり、詩歌の体温がどんどん上昇していく。
見つめられて恥ずかしいのに逸らす事すら出来ず、触れている郁斗の指が頬から唇へ移動して行くのが擽ったかった詩歌は、
「……っ!」
思わず声を上げそうになるのを我慢する。
「擽ったかった? ごめんね。でも、声は我慢しなくていいんだよ? そんな風に我慢されると、もーっと虐めたくなっちゃうなぁ」
けれど、そんな彼女の反応を愉しむように悪戯な笑みを浮かべた郁斗は詩歌の唇を親指の先で撫でた。
「……ん、……はぁ……」
唇に触れる指先の動きにピクリと身体を震わせた詩歌。擽ったさとゾクリとした何とも言えぬ感覚に身を捩り、反射的に目を閉じるのと同時に、我慢が出来なかったのか、彼女の口から吐息の混じりの小さな声が漏れた。
そんな詩歌の表情はとても色っぽく、郁斗に限らず男ならば欲情してしまうだろう。
女性にあまり興味の無い郁斗ですら彼女の魅力に捕らわれたのか、もっと触れたい、今よりも強い刺激を与えたらどのような反応をするのだろうという好奇心が頭の中を駆け巡り、Tシャツの裾を掴んだ彼はそれを一気に捲りあげた。
「きゃっ!?」
それには流石に詩歌も驚き、悲鳴にも似た声を上げる。
「いや……」
Tシャツ一枚をワンピースとして着ていた詩歌はそれを捲り上げられてしまった今、彼女の白く細い華奢な身体が露わになってしまう。
捲り上げられた際、驚き反射的に両手で胸の辺りを隠した彼女だったのだが、郁斗が詩歌の腕を掴んでどけてしまった事によって、フリルとリボンの付いた水色のブラジャーによって隠されている少し小ぶりな胸が晒されてしまい、恥ずかしさが最高潮に達した詩歌は顔を背けて身体を震わせた。
そんな彼女を前にした郁斗は流石に少し虐めすぎたと反省したのか、
「ごめんごめん、ちょっとやりすぎちゃったね」と謝りながら捲り上げTシャツの裾を戻し、詩歌の身体を解放するとソファーから降りた。