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『消えた歌、響く声』

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『消えた歌、響く声』

37 - 第37話 スターライトフェス、エントリー開始

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2025年06月09日

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ジリジリとした陽射しが肌にまとわりつき、夏がすぐそこまで来ているのを感じさせる。

部屋の中に重たい空気が漂い、ミィコはベッドに座ったまま、スマホを手に取った。


画面には「スターライトフェス エントリー開始」と大きく表示され、下には「7月まであとわずか」というカウントダウンが点滅している。


息をひとつついて、肩を軽く震わせながら緊張をほぐす。

コメント欄が動き出し、ファミリーたちの応援の言葉が次々と届く。


「ミィコ、ついにだね!」

「絶対応援してるよ!」

「頑張って!」


その声に励まされるように、ミィコはスマホを握る手に力を込めた。

指先で、躊躇なくエントリーボタンをタップする。


画面が切り替わり、エントリーリストが表示された瞬間、彼女はその光景に息を呑んだ。


「入賞枠…1位と2位だけ…?」


そこには例年の何倍もの名前が並び、競争の激しさがひしひしと伝わってきた。


目を細めてスクロールする手を止める。ますます厳しくなるその状況に、心臓が少しだけ早くなる。


SNSでは、「今年、厳しすぎる…」「もう辞退するしかない…」といった言葉が飛び交い、リストから次々と名前が消えていった。


ファミリーのコメントも焦りに満ちてきた。


「今年、厳しすぎるよね…」

「大丈夫かな…」

「無理しないでね、ミィコ…」


そんな言葉を目にしながら、ミィコは画面をじっと見つめていた。


指先がわずかに震えているのを感じる。過去の不安や恐れが頭をよぎる。

思わず目を閉じ、深呼吸をひとつ。心の中で一度、自分を落ち着ける。


だが、すぐに目を開けると、意を決したように唇を噛みしめた。


「怖くないって言ったら嘘だけど……。私は、ここに立つって決めたから」


そう呟きながら、ミィコはスマホに向かって、画面にメッセージを打ち込む。


「ありがとう、みんな。私は大丈夫」


静かな決意が心に深く刻まれた。エントリーのボタンを押したその瞬間、どこか胸の奥で新たな力が湧き上がってくるのを感じる。


まだ道は長いけれど、彼女の決意が揺らぐことはない。


「絶対、やりきる」その言葉が、心に強く響いていた。



#スターライトフェス #ミィコ #エントリー開始 #決意の瞬間 #不安と向き合って #ファミリーの応援 #未来を信じて #心の中の強さ #今年こそ #諦めない


『消えた歌、響く声』

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