前回の明那視点になります。明那の家庭環境とかの設定は捏造です。直接的な表現はないもののちょっとRっぽいので無理な方、mbakの表現有りなので苦手な方はブラウザバックでお願いします🙇♂️
それではどうぞ
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明那side
5月の某日。
ようやく引っ越しの手続きも終わり、これから住むアパートへと足を運んでいた。
もともとは実家から大学に通っていたが、母が亡くなってから酒癖の悪くなった父親の元を離れたいのもあり、1人暮らしをすることに決めた。
ろくに学費も払ってくれない親のせいで俺の生活はめちゃくちゃで、運良く恵まれた容姿を利用して俺はお金を稼ぐしか無かった。
好きでこうしているわけではないが、こんな暮らしに慣れてしまったせいで今も何人かと関係がずるずると続いてしまっている。
そうなると帰りも遅くなるし、変に詮索されるくらいなら1人で暮らした方がお金はかかるものの、都合が良かった。
「…結構ボロいな」
俺の部屋は2階の1番奥の部屋だ。
家賃の安さと大学への近さで選んだ物件は写真で見て即決してしまったが、思ったよりも年季の入った2階建てのアパートだった。
「ここ俺以外住んでんのかな」
素朴な疑問が浮かぶ。
玄関の扉の前に来たところで隣の部屋を確認する。
「郵便届いてるし、一応いるっぽいか」
ここにくる前、挨拶のため菓子折りを買っておいて良かった。
「後で渡しに行くかぁ」
怖い人だったらどうしよう。
そんなことを考えながら俺は部屋へと入った。
荷物をダンボールから取り出し、部屋の掃除をしていたら思ったよりも時間がかかった。
ちょっと休もうと思ってソファに座っていたのだが、いつの間にか眠ってしまっていた。
ここに着いたのが昼過ぎだったはずなのに、いつに間にかもう日は暮れていてた。
それどころかスマホを確認するともう日付が変わってしまっていた。どんだけ寝てたんだ俺。
そのまま寝るにも寝れずにだらだらとソファでスマホを見ながら過ごしていると一件のメッセージが届いた。
「次いつ会える?そろそろ明那くんに会いたいよ😅」
めんどくさ…。一回”そういうこと“をした客は思ったよりも面倒で連日メッセージが入ってきて困る。
とは言っても出会ったらお金はきちんと払ってくれるし、案外気前も良いわけで、生活に困っている俺は関係を断てないままでいる。
「引っ越しは終わったの?今度遊びに行きたいな❗️」
「時間があるときなら大丈夫ですよ。俺も楽しみにしてます😌」
適当に返信する。なんだかこのやりとりでどっと疲れたな…そう思っていた時にドアの開く音が聞こえた。
隣の人かえってきたっぽいな。
結構遅い時間だけど何の仕事してるんだろ。
「…明日挨拶しに行くかぁ」
そう思いまた俺はスマホの液晶に目を向けた。
〜翌朝〜
ピピピピッピピピピッ
「っんん…」
スマホのアラームを止め、横になったまま操作する。
時刻は9時過ぎ。
今日は日曜日だし、大学も用事も特にないため少しダラダラする。
ぼーっと天井を眺めてふと、思い出した。
「そういえば今日挨拶しに行くんだったな…」
だらだら先延ばしにして変なタイミングで出会ってしまうのも嫌だし、早めに済ませておきたいところだ。
俺は買っておいたお菓子を用意する。
ちょっとおしゃれなものにしようなんて思って、普段絶対買わないであろうマカロンの詰め合わせなんか選んでしまったけれど、こんなアパートにそんなものが似合う人が住んでいるとも思えないし、好き嫌いも考えて、普通に洗剤とかが無難だったかな、なんてちょっと後悔する。
「まあいいか。そんな関わりないだろうし何でも」
最低限の身支度を済ませたところでさっそく隣の部屋に向かう。
「なんか緊張するな…」
怖い人男性、お年寄り、もしかしたら若い女の人かも知れない。
いろんなパターンを考えるけれど、どれもしっくりは来なかった。
それにいろいろ考えていると、玄関の前でなかなかチャイムを鳴らせないでいた。
「ひとん家の前で何してんだろ…よし。行くか!」
俺は気合いを入れてチャイムを押した。
ピンポーン♪
…なかなか出てこないな。
もしかして出かけてる?でも特にドアの音は聞こえなかったはず。
少しの間待っていると中から足音が聞こえる。
なんか一気にドキドキしてきた…
ガチャ
「はーい。どちら様ですか?」
うわっ。
なんかめちゃくちゃ意外な感じの人が出てきた。
グレーの髪にところどころメッシュの入った若いお兄さんだ。
しかも寝起きっぽいのにめちゃくちゃイケメン…。
こんな人周りはほっとかないよ。なんて男の俺でもそう思う。
『あっあの…先日隣に引っ越してきたものなんですけど』
やばい。緊張する。俺!がんばれ!
『あのこれ…大したものじゃないんですけど一応挨拶にと思って』
「そんな!わざわざありがとうございます。あの〜お名前聞いてもいいですか?」
やば。名前言ってなかったわ俺…
『あ…すいません。三枝、明那と申します。』
「三枝明那くんか…じゃあこれからよろしく、あきな。俺は不破湊。多分そんな歳も変わらんと思うから仲良くしてな〜」
不破さんは笑顔で言う。めっっっちゃフレンドリーじゃん。
『いきなり呼び捨て…』
「にゃはは。俺のことも好きなように呼んでええよ」
『じゃ、じゃあふわっちで』
「おっ、ええやんふわっち!まあなんかあったらいつでも頼ってな」
『ありがとふわっち。じゃあとりあえず、よろしく』
軽く話した後俺は家に帰った。
「お隣さん。めっちゃくちゃイケメンだったな…」
なんか輝かしいオーラ?みたいなのがすごいし、そのうえ明るくて話しやすいし、俺とは正反対だな…。
「あんなイケメンがお客さんだったらなぁ…」
…いやいや。あんな人が俺みたいなやつと釣り合うわけないし、周りの女の子達もほっておかないだろう。
「あー、なんか虚しくなってきたな…」
自分の思考に自分で嫌気がさしていく。
気を紛らわせたくて、スマホのメッセージを開く。
大学の先輩でいわゆる”そういうこと“をするだけの関係性。
まあちょっと軽い感じの人ではあるけどお金が伴わない関係は楽だし、自分のことを求めてもらえるのに悪い気はしない。
「今日いつもの場所で会えたりします?」
すぐに既読がつく。
「いいけど。面倒いし先に行って準備済ませといて。じゃあ〇〇時に△ホテルで」
返事を確認しスマホを閉じる。
こんなことをしてもなんの解決にもならないことは自分が一番分かっている。
それでも今の俺にはそうするしかなくて。
「まだ約束まで時間あるし、ちょっと寝るか」
嫌な思考で埋め尽くされる前に俺は瞼を閉じた。
コメント
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初コメ失礼しますっ!!!しが様の素敵な作品もしかしたらなんですけど、pixivの方で見させて頂いたかもです!!すっごく素敵な作品だな〜っと思って!ニヤニヤしながら見てました…😇✨(なんか気持ち悪くてごめんなさい!!💦)個人的に続きが気になるっ!って感じです!かいて!とは強要?しないんですけど続きが気になるほどこの時点でてぇてぇかったです!♡