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19
#snjn
ひつじ
3
すーはーと深呼吸を繰り返す曽野。
「こんなこと聞いて、ほんまにごめん。じんちゃんはさ、はやちゃんを振り向かせたいとか思ってる?」
「っ!!……思ってない。多分、俺がどんなに頑張ったって、勇斗は振り向いてくれないよ。それに、もう幸せになれる相手を見つけたんだから、俺は邪魔しちゃだめでしょ。 」
「ほんま?それ本音?」
「……うん。これは本音。」
本心だった。振り向くわけないとわかっていた。朝笑い合う2人をみて、勝てない、と突きつけられた。
本当に愛おしいものを見る佐野の目線、細かい気遣い。
吉田に向けられることはなかったものだった。
「そっか、なら……。」
「舜太?さっきから本当にどうしたの?」
もう一度深呼吸をした曽野はゆっくり話し出す。
「じんちゃん、弱みにつけ込むみたいでほんまは嫌やねんけど、今しか言えないと思うから言うね。」
「う、うん、」
「俺。じんちゃんのことが好き。」
「……えっ。え?……ぇえ!?!?」
この衝撃を喰らうのはもう何度目だろうか。思ってもみなかった内容でつい大きい声が出てしまう。
「だから、大好きなじんちゃんが辛そうで、俺、ほんまにほっておけなくて……。あ、もちろん他のメンバーでも心配するで!?でも、なんか勝手に体が動いてた。」
「そ、そうだったの、全然気付かなかった……。」
「うん、隠してたからね。」
「……え、えぇ、舜太が、俺を……?えええ?」
「ふふ、戸惑いすぎ!」
「そりゃ戸惑うだろ!!」
平然としてる曽野と理解が追いつかない吉田。
「え、ほんと、なの?ほんとに俺が好きなの?なんか、慰めるためとかじゃない?」
「こんな嘘つかんて!じゃあほら、触ってみ。」
曽野は吉田の右手を掴み、自分の胸に押し当てる。手のひらからドクドクと心臓の鼓動が伝わって来た。
「じんちゃんと喋ってるだけでこんなにドキドキしてるんよ?わかってくれた?」
「っ、!!」
感覚として、逃げられない事実を突きつけられた吉田は一気に顔に熱が集まるのを感じた。
ほんとに、俺のことが……
「じんちゃん、すぐにとは言わないけど、いつかじんちゃんの心の、はやちゃんに向いてる矢印。俺に向かせられるように頑張るから、これから覚悟して?」
曽野は心臓の鼓動を感じていた吉田の右手を優しく持ち上げその手の甲にちゅっとキスをする。目線は吉田の目を真っ直ぐ見つめたまま。
「絶対に落としてみせるから。」
優しく、でもどこら男らしく微笑む曽野に吉田は顔を真っ赤にして動けずにいる。
はっと我に返り手を引こうとするも、完璧に握られており、捉えられたままだった。
「わ、わかったから!手、離して!!」
「やだ。」
「なんで!?」
「好きやから。」
「理由になってない!!」
誰もいない非常階段での出来事。世界中でこの2人しか知らない会話。
ひとりじゃないと、思い知らされてくれた曽野に感謝しつつもこれから起こるであろうめちゃくちゃな日常を想像して頭を抱える。
この2人がどうなったのかはまた別のお話。
コメント
3件
更新お疲れ様でした!! ありがとうございます。 その別のお話、を聞かせてください!! 幸せになってほしいです❤️💛
のりもちさん、第9話読ませていただきました! 曽野くんの告白、まさかの展開でドキドキしました…!「やだ」って子供みたいに言い返す曽野くんが可愛くて、でも目線は真っ直ぐで「絶対に落としてみせる」って言い切るギャップがたまらないです。吉田くんが「理由になってない!!」ってツッコむところも、思わずクスッとしました。心臓の鼓動を伝えるシーン、すごく印象に残ってます。この先どうなるのか楽しみにしてますね🌷