テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
1,363
#溺愛
908
この短時間で更に人が増えていた。
とは言っても、日曜日の夜ということもあって、端まで見渡せるぐらいの人数しかいないけど。
あ、あの人!
さっきの男性を発見して胸がうるさくなる。
先頭車両が停まる辺りにいたから、ここからでは顔がよく見えない。
いや、よく見えても困るか。
全体の雰囲気からして、アリかナシかで言ったらアリだと思う。
ああいう人が彼氏だったら嬉しいとも思うし。
……いやいや、落ち着け。
あんなモテそうな人が私に一目惚れなんてする? 詐欺の可能性も捨てきれないし、気軽に連絡なんてできないよ。
手に握りしめていたままだった、連絡先が書いてある紙。
これを持ってるからいけないんだ。電車に乗ったら鞄の奥底にしまおう。
そんなことを考えていると、男性もこっちを見たような気がした。
すぐに逸らしたけど、見ていたのがバレたかもしれない。
隠れたくなって、到着した電車に急いで乗り込んだ。
コメント
1件
読み終わりました。第11話、いいですね。連絡先を握りしめたまま「鞄の奥底にしまおう」と決意する心理描写がすごくリアルで、胸に刺さりました。あの一枚の紙が持つ重み——彼女にとっては希望と恐怖の両方なんですよね。駅で目が合った(ように見えた)瞬間に慌てて電車に飛び乗るラストも、初々しくて思わず応援したくなりました。この先、あの紙がどういう形で再び登場するのか、楽しみです。