テラーノベル
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いつもみたいに、スマホのバイブ音が朝を告げた。
「うーん……」
布団の上で唸ると、甘酸っぱいような、ちょっと汗臭いような匂いが鼻腔をくすぐった。ん? そんなに汗かいたかな? もうすぐ夏だしな……いや、俺の匂いって感じじゃないな、千歳か?
目を開けると、ボサボサの髪の誰かが目の前にいた。まだ中学生くらいの体格の子が、俺に抱きついて、すやすや寝息を立てている。
「え、千歳!? どうしたの!?」
え、いつもは黒い一反木綿の格好で俺と寝てない!?
『ふえ?』
千歳らしき子が起きた。その子が体を起こし、タオルケットが落ちて俺は瞠目した。その子は、すっぱだかだったのだ。
垢じみてはいるが、色白なのがわかる肌。細いのにふっくらした、しなやかな手足。かわいらしく膨らんだ乳房、優美な曲線を描く腰回り、そして……俺に勝るとも劣らないご立派な竿!!
俺は、仰天しながらタオルケットで千歳の体を覆った。
「ち、千歳だよね!? なんで裸!?」
ボサボサの髪の子には見覚えがあった。千歳がバラバラにされて、核の人が地下の座敷牢に入れられてた時。あの時の、朝霧の忌み子の姿だ。え、でも、なんでその子の格好に!?
『え? ワシ裸?』
千歳は、まだ眠気が抜けきってない口調で自分の体を見下ろし、タオルケットを避けてよく見て、『裸だ!?』とびっくりした。
『え、え、なんでだ、いつも服も作って……あれ? あれ?』
ボサボサの髪はかなり千歳の顔を覆っていて、千歳の表情はよくわからないのだが、どうも目を白黒させているみたいだ。
『か、変われない……この格好から変われない!!』
「ええ!?」
また異常事態!?
「守り刀あるんだよね!? また何か仕掛けられたの!?」
『い、いや体が変な感じは特にないんだけど、ただ姿が変われない!』
「なんでそんなことに!?」
『わ、わかんない……』
千歳は泣きそうな声を出した。
『体変な感じは特にないんだけどさあ、こないだ爆発しそうになった時の疲れたのまだ残ってて、もしかしたら、そのせいかもしれない』
「じゃ、休めばよくなるのかな……」
何が起きているのかはよくわからないが、現状としては、だいたい少女の体を持つ子をすっぱだかでタオルケットだけ被せている状態である。よろしくない。大変よろしくない。
『ワシ、この格好やだ、恥ずかしい』
千歳がタオルケットを被って身を縮こめるので、俺はハッとした。
「えっと、とりあえず服ないといけないよね、俺の服しかないけど、とりあえずそれ着て!」
『服欲しい、あと、ワシ、今、垢まみれだから風呂入りたい……』
千歳の声は、ずっと泣きそうだ。
「えっと、じゃあ、あっち向いてるからお風呂入っておいで! 服は脱衣所に適当に置いとくから!」
『うん……』
俺はそっぽを向き、千歳がタオルケットを布団に置く衣擦れの音がした。
やがて、風呂場の方から『風呂行った! 服頼む!』と声がした。
「わかった、置いとくからゆっくり入りな! 朝ご飯も俺、適当に用意しとくから!」
『うん、頼む、ありがとう!』
えーと、とにかく服を用意しなきゃいけないわけか。Tシャツ……サイズ合わないけど、全裸でいられるよりマシだ、ズボン……ハーフパンツにしておけば裾折り返さなくて済むか、えーとあと……下着! いや、俺のトランクスしかないぞ、貸すのは別にいいけど、千歳はいいのか!? いやでも、あのなりでノーパンを強いるのはかわいそうすぎる……。
悩んだ末、俺はTシャツとハーフパンツとトランクスを脱衣所に持っていった。
「服置いとくよー?」
俺は、風呂場の扉越しに千歳に声をかけた。くそっ、扉越しのシルエットが完全に女の子で、見るのが憚られる!
千歳は、全然気にしてないみたいだった。
『ありがとう、ごめん、一回洗っただけじゃ全然泡立たないから、もうしばらくかかる』
「いいよ、ゆっくり入っておいで、朝ごはんの心配もしないで」
俺は台所に引っ込み、適当に味噌汁と目玉焼きを錬成した。ご飯は、昨日千歳が炊飯器にセットしたのがもう炊けてた。
茶碗にご飯を盛っていると、千歳が風呂場から出てきた。
『悪い、飯ありがとう』
俺はまた瞠目することになった。髪をきれいに洗って、顔を見せた千歳は、息を飲むほどの美少女だったからだ。
まつげの長い涼やかな目元、すっと通った鼻筋、桜色の小さな唇。湯上がりの肌は透明感があって、ぽっと紅色に火照っている。
そんなきれいな子が、ぶかぶかのシャツとハーフパンツ着ていて、胸元は危ういわ、なんの警戒もなく出た手足がハッとするほどまぶしいわで、俺はどこを見ていいかわからなくなった。ていうか、シャツの胸に見ちゃいけないぽっちりが2つある気がするんですけど!!
俺は、千歳から目をそらしながら言った。
「……千歳、ちゃんとした服買おう、女の子用の下着も」
千歳はキョトンとした。
『え、別にこれ着心地いいけど』
「着心地だけで服選んじゃダメだから!!」
少しは気にしてくれ!!
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コメント
1件
いやあ、朝から刺激強いわこれ!(笑) 千歳がまさかの美少女化&全裸で寝てるって、主人公の心臓持たないでしょ。しかも「ご立派な竿」のくだりで吹いたわ。でも垢まみれでお風呂入りたいって泣きそうな千歳に「ゆっくり入っておいで」って優しい主人公、いいコンビだなあ。ちゃんとした服買おうって流れ、ちゃんと気にしてほしいわ(笑) 次が気になる!