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覚醒

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覚醒

2 - 第2話

♥

71

2024年06月03日

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向井ー翔太くん、晩ご飯食べる?

渡辺ー食べる。

向井ーほな、帰ろか?

渡辺ー今日は何?

向井ー煮込みハンバーグと温野菜とスープや。

渡辺ー食べる食べる。


2人は皆んなに挨拶して帰って行った。

向井の家に着くと、すぐ料理を始める向井。

渡辺はいつも暗室を見たがる。


渡辺ー康二、暗室は?

向井ー入ってもええで。

渡辺ーぅわっ、デカくしたなぁ。

向井ー2枚とも、傑作品やさかい。

渡辺ー賞も取ったし?

向井ーそや。自分で見てもええ写真やろ?

渡辺ー恥ずかしい。


渡辺は熱い夜を思い出してしまう。

少しだるい身体。

でも、気持ちは満ち足りている。

そんな翌朝の自分。

安心して眠っている。


向井ーもうちょっとかかるから、雑誌でも読んでて?

渡辺ー分かった。


テーブルに置いてある雑誌。

次のコンテストの募集がある。

渡辺は知らないが、有名な写真家が審査員をしているらしい。

今までより難易度の高いコンテストだと。

応募のページを折ってある。

名前も書いてある。

モデルとタイトルがない。

過去入選作を見る。

向井の腕で撮れるかと微妙なところだ。


渡辺ー康二。

向井ーもうちょっと待ってな。

渡辺ー違う、このコンテスト。

向井ーもう応募せんよ?

渡辺ーそうか。

向井ー恥ずかしいやろ?

渡辺ーまぁな。

向井ーやから、諦めた。

渡辺ー・・。


明日の朝が2人とも早いので、晩ご飯を食べコーヒーを飲んだら渡辺は帰って行った。

向井は、渡辺の見てたページを見る。


向井ー3回目はないわ、撮りたいシーンはあるけど、翔太くんに協力してもらわなあかん。そんなん無理や。


重いため息。

雑誌を閉じ、ソファに寝転がる。

ふいに起き上がり、暗室に向かう。

「微睡」「繭」大きなパネルにしてある。

2枚持って寝室に行く。

何もなかった寝室の壁に飾った。


向井ーええやん。


ベッドに座って眺めている。

もう1枚掛けれるようスペースは空けている。

だが、ここに写真が飾られることはないかもしれない。

いや、ないだろう。

少し残念に思う向井だった。

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