大きく綺麗な手。
ガラスのような割れものを
触れるかのように優しく優しく撫でられる。
そのまま首元の吸血跡を撫でられる。
くすぐったくむず痒い。
🕶「…これ痛くなかった??
大丈夫だった??」
とても不安そうに聞かれる。
不安にさせないようにと笑顔で
『大丈夫でしたよ。
少し痛かったですけど。』
とすると安心したのか
🕶「…よかったぁ。
俺たちのこと怖くない??」
“怖くない”
今ならそうはっきり言えるのだろうか。
自分のためを思っての行動や言動。
ここにきたのもドズルさんたちにあったのも間もないだけど怖くないそう言い切っていいのだろうか。
『怖くないですよ。
みなさん優しいですもの!!』
たとえこのあと何があっても
自分は怖くないと言えるのだろうか。
やはりまだまだわからないが
怖くないといってもいいよね。
どんな自分でも
ゆるしてくれますか??
ぼんさんから笑みがこぼれる。
🕶「…よかった!!」
🕶視点
今だから聞けたこと。
“怖い”
正直みんな怖かったと思う。
おんりーちゃんに
吸血鬼だと伝えたときからずっと。
相手は自分よりも弱々しい人間だ。
生まれて初めて人間という種族にふれて
コミュニケーションをとって
すべてが初めてのことだらけ。
いつか自分の前から消えてしまう
かもしれない。
いつか自分の力で
傷つけてしまうかもしれない。
いつか…いつか
…なんて考えたくもないけど
そのいつかはきっときてしまう。
自分のことを嫌いになって
離れてしまうかもしれない。
自分の中に不安がよぎる。
嫌われたくないなんて
自己中かもしれないし
俺なんかがおんりーちゃんを幸せ
にしてあげられないかもしれない。
守ると決めても
本当に自分が守ってあげられるのか。
いや守れる守れないじゃないんだ。
守るんだ。
俺がおんりーちゃんを
守って幸せにしてあげるんだ。
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コメント
7件
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夢中になってよんでしまう‼︎