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ふあぁ〜 … 、って寝すぎた。
(時計を見れば午前11時30分。慌ててベットから身体を起こし、周囲を見渡す。カーテンの隙間から光が照らし、とても眩しい。)
…、やばっ。学校じゃん今日。
(思い出した所でもう時すでに遅くて、とっに今は授業真っ最中だろう。諦めて2度寝でもしてやろうかと再びベットに倒れ込んだ所でスマートフォンからなにやら連絡が届いた。)
『 “ 灰谷 竜胆 ” 』
(何の用だろうか、スマートフォンを気だるそうに開くとメッセージを確認する)
『体調悪い?』
(なんだ、心配してくれたのか。寝坊で休んだ…なんて言える訳もなく申し訳ない気持ちになりながら『大丈夫だよ、心配してくれてありがとう。』とメッセージを送った。)
悪い事したなぁ…、
(1分も経たないうちに彼から返信が返ってきた。『見舞い行ってもいい?』…病気じゃないんだけど、クス、と笑みが自然に零れた。『別にいいけど、本当に体調悪くないよ…?』”送信”、よしこれでいいか。)
(そしてまた睡魔が襲ってきて、私はそのまま眠りについた。)
…… “ あれから7時間が経った ” ……
ん、あれ…今何時だ?
(慌てて時間を確認すると午後17時、当たりは薄暗くなり日が沈んでゆく。)
…… “ピンポーン” ……
(静まり返った部屋にチャイムの音が鳴り響いた。)
…竜胆かな?
(重だるい身体をゆっくりと起こして、玄関へと向かう。扉を開くと、そこには”やっと来たか”と言わんばかりの顔で待っている竜胆の姿があった。)
“竜胆” お前さ、出てくんの遅い。
“私” ごめんごめん、寝てたの。
(笑って誤魔化しては、”上がっていきなよ”と手招きをして家に入るように促す。)
“竜胆” … 邪魔するよ 。
(そう一言だけ行って家の中へ入って行った)
“私” お茶でいい?
(来てくれたので、と冷たいお茶を彼の前へ置いて。)
“竜胆” ん、さんきゅ 。
(この後少し沈黙が続いた。彼が口を開く。)
“竜胆” これ、良かったら。
(差し出された袋の中には、栄養ドリンクやら食べ物やら色々入っていた。)
“私” これ、わざわざ買ってきてくれたの?
(彼が私の為にしてくれたのだと驚いて彼を凝視した。)
“竜胆” なんだよ、余計なお世話だったか?
(私は首を横に振って”ありがとう!”と微笑んで見せた。彼は”…なら、良かったよ”とそっぽを向いてしまった。心做しか耳が赤いような気がしたがそれはあえて聞かなかった。)
“竜胆” お前、明日は学校来いよ?
(圧をかけるかのように私をじっと見つめて彼はそう言った。)
“私” … はは 、ちゃんと行くから安心して。
(そう言うと嬉しそうに”待ってる”と私の頭を軽く撫でた。)
“私” は…、何してんの?
(なんだか恥ずかしくなって彼の手を払っては下を向いて、私らしくない、と自分の動揺に驚くも平然を保とうとして。)
“竜胆” 嫌だったか?…悪ぃ。
“私” ううん、嫌じゃないよ、びっくりしただけ。
(申し訳なさそうに謝る彼にそう言って安心させた。)
(時間はあっという間に流れ、時刻は午後19時になっていた。)
“竜胆” 俺そろそろ帰るよ。
(そう言って立ち上がる彼)
“私” もうこんな時間か、早いね。
(彼を見送ろうと自身も立ち上がって、玄関の方へ2人で歩き出す。)
“竜胆” ここまででいいよ。
“私” ん…、気をつけて帰りなよ?
(玄関で軽く彼に手を振る。彼が少し離れた所で立ち止まると後ろを振り向き”また明日”と口を動かした。)
” また明日 “
(私も同じように口を動かして彼の姿が見えなくなるのをじっと見ていた。)
1話 [完]