テラーノベル
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みんなで住む家に帰ってリビングに入った時、6人が神妙な面持ちで帰ってきた俺を見てきた。
「え、な、…なに?どうしたの…?」
立ち上がったクロノアさんが固まっていた俺に近付き肩に手を置いた。
「?…クロノアさん…?」
「トラゾーは俺たちのこと好き?」
「へ?いきなり何を…?」
「答えて」
友人としても好きだし、尊敬もしてる。
「勿論好きですけど…。いきなりなんですか?ドッキリ?」
「好きならいいよね」
「だから何の話…」
話の脈絡が掴めない。
「俺たちトラゾーのこと好きなんだ」
じぃと見てくるクロノアさんに、たじろぎながらも純粋にそう言ってもらえて嬉しくなる。
「ぁ、ありがとうござ「だから、トラゾーには俺たちの性処理係になってもらおうかと思って」………へ?」
この人、今なんて言った?
俺たちの性処理係になってもらおう?
セイショリ?
ガカリ?
「………はっ///⁈」
脳が言われたことに追いついて、理解する。
とんでもない爆弾発言を言われたことに。
「俺たちの好きってそういう意味だよ。でも誰ひとり譲れないし渡したくない。ならトラゾーに頑張ってもらえばいいじゃんってなってね」
当然のように言うクロノアさんの後ろ、5人が頷いていた。
「い、意味が分かりません!!それに俺はいいなんて言ってないっ!」
肩を掴むクロノアさんから逃げようとしても、思った以上の力に動けない。
「あ、因みにらっだぁさんもいるからね」
「はぁ⁈」
性処理ってそんなの!
そんな道具扱いみたいな。
「やです!!」
「決まったことだし、このシェアハウスをするにあたって多数決で決まったことは必ずしなきゃいけないルールだったよね?」
「ひ、卑怯だッ!そんなの俺対みんなになっちゃうじゃないですか…そんなん多数決も何もあったものじゃ…ッ」
何かを決める時、住む俺らで多数決をとってその可否を決めていた。
半分に割れた時は代表者のじゃんけん一発で決定させる。
運も実力のうちというやつだ。
「とにかく俺はい、…ひぁっ⁈」
目の前の人ををどうにか押し退けようとしていたら、手を滑らせたクロノアさんに首を撫で上げられた。
「ぁッ…今、のは…」
「性処理って言い方は悪いね。でも、俺たちはトラゾーとヤりたいもん」
「クロノアさんの口からそんな言葉聞きたくなかった…」
「幻滅した?」
この決定事項はもう諦めるしかない。
ふるふると首を横に振る。
「……いえ、クロノアさんもちゃんと男の人だったんだなって思っただけです」
そしたら背後で、すっとリアムさんが立ち上がった。
俺の方へ歩み寄ってきたかと思ったら、手を引かれる。
「お前には俺たちの全てを受け止めてもらう。好きな奴に触れたいと思うのは当然のことなんだからな」
「ぁ、う…」
それが性処理に至るのがおかしいとは思うけど。
「取り合いになるくらいならこうやってした方がいいでしょ?」
だからと言ってみんなと、えっちなことしなきゃいけないだなんて。
「…そもそもホントに俺でいいんですか」
「言ったでしょ?好きだって。好きな子に触りたいって思うのは当たり前のことだろ」
「……」
友人とでしかみんなのことを見てなかった。
妙に甘やかされたり変に過保護と思うことはあったけど。
「…、」
きゅっとクロノアさんのパーカーを握ってリアムさんを見る。
「ぉ、…俺なんかで、いいですか…?」
丈夫さは取り柄ではあるけど、面白みのない体だ。
「何も知らない身体を暴くのが面白いんだろ」
「そうだ。無知なお前を犯すのが愉しいんだからな」
「ひ、ぇ…?」
「そうそう。トラゾーのそんなこと知らないって思うことまで教えてやるよ」
「ぺいんと…」
「そうだね。教え甲斐があると思うよ」
「ステイサムさん…」
「僕らだけに見せて欲しいです。トラゾーさんの可愛いとこ」
「しにがみさん…」
「みんなの言うとおり!俺たちがトラゾーくんを気持ち良くしてあげるから大丈夫だよ〜」
「スティーブさん…」
6人に囲まれてぎゅっとクロノアさんのパーカーを握り締める。
ありもしないのにそこにそういうものがあるかのように下腹部がきゅんと疼いた。
性処理なんてって思ったけど、こんなに熱烈に求められてしまうと嫌な気がしなくて。
「性処理じゃ、なくて…こ、恋人じゃ、ダメですか…?みんなのこともっと、知りたい俺って、はしたない…?」
部屋の中に静寂が訪れる。
「「「恋人になってくれるの⁈」」」
「「「恋人になってくれるのか⁈」」」
かと思ったら近所に聞こえるんじゃないかと思うくらい大きい声が部屋中に響く。
「ぅわっ」
自分で言って恥ずかしいけど、なるなら恋人の方がいい。
性処理はなんか虚しい感じがするから。
「だめ…?」
クロノアさんを見上げると6人が胸を押さえて俯いた。
「性処理だけで、いいんですか…俺の、気持ちは欲しくない…?」
この人たちを友人としてじゃなくて恋人として見たい。
この人たちが俺以外の人といるのが嫌だったのはヤキモチを妬いてだからなんだって思う。
嫌だって思ったのは道具のように扱われると思ったから。
「…俺、なるならみんなの恋人になりたいです…恋人に、なって…そ、その性処理じゃなくて、…、…ちゃんと、ぇ、……えっちなことしたいです…ッ」
「「「「「「」」」」」」
1番距離の近かったクロノアさんに抱き締められた。
この人のこの優しい匂いが好きで擦り寄る。
「トラゾーが可愛すぎて死ぬ…っ」
「「「「「同意見ッ」」」」」
おそるおそるクロノアさん自身も背中に手を回すと更に強く抱き締められた。
「あの、よろしくお願いします…」
みんながそれぞれ笑って頷く。
そして、その日から俺はみんなの恋人(性処理係)となったのだった。
ポン酢2
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サイコーです✨ ポン酢さんのtrさん受け大好きなので作品が増えて嬉しいです!