「ねえ、〇〇ちゃん?」
「?」
「〇日ー、何の日か分かる?」
「そりゃあ分かりますよ!!記念日ですよねっ?」
身を乗り出しながら聞くとあぎょう君はにこっと笑って言った。
「ちょっと奮発していいレストラン予約したんだ!一緒に行こっ」
「えっ!いいんですか…?」
「うん、」
えへへと笑うあぎょうくんを横目に嬉しい気持ちでいっぱいいっぱいだった。
〇日_
今でもあの日の事は忘れない。
出会いは4年前
私が待ち合わせで待っているとき。
ふと、向かいの男性に目がいった
元々世話焼きな私はほっとく訳にいかなかった
「あの、大丈夫…ですか?」
「えっ、?… 」
顔を上げた男性は今にも倒れそうでどん底の顔つきをしていた。
急遽友達に連絡し、その男性を家に連れ寝かせた…
我ながら、流石にやり過ぎたと思ったがその人の家も知らない
きっと何かあったんだろうとそう思い数時間が過ぎると彼が目を覚ました
「ん、ここどこ…?」
「あっ、すみません!!ふと目に入って今にも倒れそうなものだったので…!」
「すみません、ありがとうございますっ」
そう言うと共に彼の目には涙が溢れていた
そこからほっとけなくなり連絡先を交換
2人で会うようになったりした
その日から数ヶ月後
「ずっと、初めて会って助けてくれた時から好きでした…!!」
彼、あぎょうくんから告白
そんな日からもう2年が過ぎようとしていた。
「懐かしいなあ…」
思い出に浸りながら食事をする。
記念日
夜景が綺麗に見えるレストランで彼は何処かぎこちなく、そわそわしている。
「…?」
最後のデザートが来て、彼が口を開いた
「ね、俺ら結婚しない?」
「え、…?」
そう言うと席を立ち、ひざまづき結婚指輪を私に差し出した
「〇〇ちゃん、俺と結婚してください!」
涙が自然に零れるのを感じた
「はいっ、勿論…!」
指輪をはめる手は少し震えていてあぎょうくんらしいなあ。なんて口が緩む
指輪がハマった薬指に優しく口付けをするあぎょうくん。
「世界で1番愛してるよ」
そう甘い言葉を私に囁くのだった
コメント
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あ〜好き、出会い方が最高( ´ཫ` )グハァ
「ヤンデレ気質の狐さん」のように続編出します