今回の登場人物︰カミラ・ロールズ(K.L。ヴァンパイア聖魔学校3年。アダムの双子の姉)、レオン・フローレス(L.F。ヴァンパイア聖魔学校3年。カミラの相方)、アダム・ロールズ(A.L。ヴァンパイア聖魔学校3年。カミラの双子の弟)、ヴァニスタ・ストレンジ(V.S。ヴァンパイア聖魔学校3年。右手に火傷のあとがある)、ルカ・ボーンズ(R.B。カミラたちの担任)、エレノア・ガーネット(E.G。医務室の先生。ルカとグレースの元担任)、その他(レオン母)
※暴力的表現に○が付いていない部分があります
痣が出てから2週間が経った。そんな時、レオンに異変が現れた。
K.L「レオン、おはよう」
L.F「やぁ、おはようみんな。今日は少し寒いね」
A.L「そうだな…レオン、今日は随分と落ち着いているな」
L.F「そう?いつも通りだよ?」
そう、レオンの性格がいつもと少し違うのだ。普段のレオンなら、「おはよー!今日少し寒いねぇ」と明るく言うはずなのに、今日のレオンは落ち着いている。
V.S「…これってもしかして、痣の影響じゃないのか?ほら、あの本に『人格が変わったように』って書いてあっただろう?」
K.L「確かに…今日、ガーネット教授に聞いてみましょう」
4人は学校へ急いだ。
―ヴァンパイア聖魔学校 医務室―
A.L「ガーネット教授、レオンがいつもと違うんです」
L.F「だからいつも通りだよアダム。教授、俺はいつも通りだよ」
レオンはアダムを睨みつけた。
E.G「ん?あぁ、確かにそうじゃのう。レオンよ、こっちに来い」
レオンは渋々ガーネット教授の元へ向かった。ガーネット教授は自分の前に来たレオンを観察した。
E.G「ふむ…見た目は変わって…ん?おい、痣が少し大きくなってないか?」
そう言って、ガーネット教授はレオンに鏡を見せた。確かに、よく見れば大きくなっている。発現してすぐの時は右頬にあったが、今は目元まで広がっていた。
K.L「死の痣って広がるんですか?」
E.G「そうじゃ。痣が大きくなればなるほど痣の影響を受けているということじゃ。レオンがこのような性格に変わってしまったのも、痣が原因だと思うぞ」
ガーネット教授はそう言った。レオン以外の3人は不安そうにレオンを見つめていたが、レオンは不安になるどころか、にこやかに微笑んでいた。それを見たカミラ達は、レオンが怖くなった。
A.L「レオン…怖くないのか…?」
アダムがレオンに恐る恐る聞くと、レオンは、
L.F「全然怖くないよ?むしろどうして怖いの?」
と平気そうに答えた。
E.G「ふむ…このまま痣が広がれば通常よりも早く限界突破してしまうかもしれん。今のうちにどうにかして痣の広がりを抑えねば」
ガーネット教授は下を向いて言った。ガーネット教授はとても悩んでいる様子で、眉間に皺を寄せていた。
V.S「ガーネット教授、痣の面積と魔力量は比例するのですか?」
ヴァニスタはガーネット教授にそう聞いた。
E.G「うーむ…比例とまではいかんが、だいたいそうじゃ。じゃが、元々の魔力量が多いと痣が小さくても限界突破するぞ」
ガーネット教授は続けて説明した。
E.G「痣は、少しずつ大きくなっていく。痣が大きくなればなるほど、魔力も増える。この痣による限界突破は、基本発現から1ヶ月後じゃが、元々の魔力量が多いと1ヶ月も経たずに限界突破する。レオンは元々の魔力量が多いから、1ヶ月も経たずに限界突破すると思うぞ」
ガーネット教授の解説に、カミラ、アダム、ヴァニスタは頷いたが、レオンだけが「限界突破する」ということを否定した。
L.F「俺が限界突破?教授、変なこと言わないで。この俺が限界突破なんてする訳ないでしょ?」
レオンは少し怒った表情で言った。
K.L(やっぱり話し方がいつもと違う…)
カミラはそう思った。もう少し質問がしたかったが、生憎予鈴が鳴る時間になってしまい、4人は教室へ戻った。
―3年Sクラス 昼休み―
K.L「それにしても、レオンのこの性格は何が理由なのかしらね?」
カミラが言うと、
R.B「死の痣が一番の原因だと考えられますよ」
ボーンズ教授が現れた。
V.S「いつの間にいたんですか、教授」
L.F「これくらいすぐ気付けないの?」
ヴァニスタ達はびっくりしていたが、レオンは既に気付いていたかのような発言をした。またこれも、いつものレオンではない発言だ。それと同時に、ほんの少しだけ痣が大きくなっていた。
A.L「話を戻すぞ。俺もボーンズ教授と同じ考えです。この性格は痣が原因。レオンを見てください。痣が大きくなってますよ」
アダムはレオンの痣を指さした。
R.B「確かにそうですね。痣が前より広がってます。朝ガーネット教授の所へ行ってきたんですよね?なんと仰っていたのですか?」
ボーンズ教授が聞くと
V.S「このままだと通常より早く限界突破してしまうと言っていました」
とヴァニスタが答えた。限界突破の原因が死の痣だった場合、いつ限界突破するか分からないため、いつでも戦える状態でなければならない。レオンの場合はどんどん痣が大きくなっているため、もうそろそろ命懸けで戦わなければならならい時が来る。
R.B「…皆さん、そろそろだと思いますよ。準備をしておいて下さい。そして、フローレスさん。明日から、学校に行くことを控えて下さい。これは、貴方の為であり、貴方の友人の為であり、貴方の家族の為であり、ここの生徒と教師の為なのです」
ボーンズ教授は4人にそう言った。
A.L「分かりました。俺たちは、レオンと常に行動することを意識します。何かあった時、すぐに対応出来るように」
R.B「よろしくお願いします。フローレスさん、分かりましたか?」
ボーンズ教授がレオンに聞くと、
L.F「…分かったよ」
と渋々答えた。その後、5、6限を受けて、帰る時間になった。
―フローレス家前―
L.F「わざわざ送り届けないでもらえる?お子ちゃまじゃないんだけど…」
レオンはイライラした表情でそう言った。
K.L「これは仕方がないことなの。今日の昼休みにボーンズ教授から言われたこと、しっかりご両親に伝えなさいよ。それじゃあ、また明日」
そう言って、4人は解散した。
―フローレス家 リビング―
L.F「帰ったよ」
レオンがリビングに入ると、母親がテレビを見ていた。
L.F「母さん、あのねーーー」
レオンは言われた通りに今日の昼休みに話してもらったことを話した。
レオン母「そう…分かったわ。ありがとね」
そこから、どんどん時間が経っていき、レオンは眠りについた。
―1:00―
レオン母「我が子が限界突破する姿なんて…見たくないわ。消す方法はないのかしら…」
レオンの母は、死の痣を消す方法を調べた。でも、調べても調べても“死の痣を消す方法”は出てこなかった。
レオン母「もう!何度やっても出てこない!もうこのまま、限界突破するのを見届けなければいけないの…?そうなの嫌よ!」
レオンの母は腹を立てた。「我が子が限界突破している姿を見たくない」。それは、全ての親の願いだろう。限界突破は、とても危険なこと。命懸けで限界突破をとめ、大急ぎで魔力量を増やす。自分も限界突破した人を○んでしまう可能性があるため、我が子を失う可能性がある。
レオン母「…明日は欠席させて病院に行きましょう」
レオンの母は眠りについた。
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