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「汝、陰鬱なる汚濁の許容よ…」
何処かでそんな中也の声が聞こえた。
此処に中也は居ないのに。
________
或る日、中也が消えた。
突然、中也が行方不明になったのだ。
_______
助けに行かないと、と思った。
太宰は、ただただ心配だった。
ふと、其処にあった鏡に手を伸ばしてみると、手が入る。
これだ、と思った。
普段、太宰はこういう不確定要素の多い事は信頼する相手以外で信用しない。
瞬間、吸い込まれた。
其処には、汚濁形態の中也が居た。
此処は『ナイトレイブンカレッジ』の校庭である、などと存在しない記憶が出てきた。
汚濁形態の中也により、他の生徒と思われる子供達が怯えている。
中也が闘っていたのは魔獣……のような物。
闘いは終わったと思われるが、異能解除が出来ない為汚濁形態のままだ。
他の生徒は恐らく背丈などからしてここは一年生達。
そしてそこに適応する為か、私も中也も十五歳の姿だ。
私は中也に近付く。
侵入者と思われたが、それよりも心配が勝ったらしく教員と思われる人達から近付くなと警告される。
それでも関係無しに近付く。
「中也、仕事の時間は終わりだよ。私の元に戻ってこい」
腕を掴んだ瞬間、中也の体に浮き出た禍々しい模様は消えて行く。
「……手、前…ンで、ここに……」
「中也」
名前を呼び、此方を向かせてから中也の頬を叩く。
生徒___恐らく此処で中也の友達となった者と思われる___が「何してんだ!!」と私に威嚇する。
そんなのは聞かず、すぅ、と息を吸う。
「……僕が居ない所での汚濁は死を意味するんだぞ!!?なぁ、中也!!僕が居ないと分かっておきながら、どうして汚濁を使った!!!こっちで君を待つ人は無限に居る!!なのに、なのに君がこっちで死んだら、誰にも死んだ事を気付かれずに君は『荒覇吐』として死ぬことになってた!!!言っただろう!?!『君が化け物として死ぬなんて許さない』って!!僕が告白した時の言葉、君は覚えてるだろ!?!?」
「す、まねェ、彼奴らを守るにはこれしか……」
「五月蝿い!!言い訳なんて聞いていない!!!」
怒りのあまりに、中也に捲し立てる。
「なぁ、僕を一人にしないでくれよ、中也、」
「一人にしねェって、手前が告白してきた時に俺が約束しただろ?」