テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「いやっ……司くんっ……置いていかないでっ……一緒に逃げよう?」

大好きな類の悲痛なお願いオレは胸がとてつもなく苦しくなった。

ごめんな、類。オレも行きたくない。

でも、類を助けるためには


__逝くしかないんだ。



「お前が最近仲良くしてるヤツ、再来年くらいの生贄だぞ。」

後輩の彰人に珍しく呼び出されたかと思えば、こんな突拍子もないことを言われた。

「は?それって」

「ソイツと仲良かったクラスメイトに聞いた。」

嘘だ、そんなわけ。あの朗らかな笑顔を埋めるのか?そんな

「…………彰人。その人の名前を聞いていいか?」

「え、ああ」

一縷の望みをかけて、オレは問う。そうだ、もしかしたら人違いかもしれない。

「名は確か……」

頼む、頼む。類以外の

「神代、と言ったかな。」

「かみ……しろ………」


『僕は、神代類だよ。』


「あ……そ、そうか……」

何故だ?何故類を……

「あいつ髪の毛メッシュ入ってるだろ?それが幸せの印だからとかなんとか。」

と、黄色の差し色が入った本人から言われたら、オレはやはり「お前が行けよ。」と思ってしまう。後輩より類だ。

すると彰人は爆笑しだした。

「な、なんだ?急に」

「お前が行けって顔してるな?オレも4年後行く。」

…………は?

「すまない、本当すまない。死んで詫びる。」

彰人は、先程とは代わり、目を細めて微笑んだ。

「死ぬなら俺の為じゃなくて神代の為に死んだらどうだ?」

「え?」

そうか、その手があったか。

「ありがとう、彰人。」

すると彰人は、目を見開き、そして笑った。



___ごめんな、類。一緒にいてやれなくて。

でも、オレはどうしても最愛の類が征くのが耐えきれなかったんだ。

こんな方法でしかお前を救えなかったオレを。どうか許してくれ。


「愛してる、類。」



__天馬司の最期の脳裏には、最愛の少年がうつっていた。




__________________




「え?類?」

「やぁ、司くん。」

「お前、なんでここに」

「だって、司くんのいないセカイなんかいても意味がないだろう?」

「……お前ってやつは。」

「ははっ……でも良かったな。ここでまた司くんと出会えて。」

「まぁ……そうかもしれないな。」

「……ねぇ、司くん。」

「ん?」

「来世では、僕と付き合ってくれる?」

「……もちろんだ!」

「ふふ、嬉しいな」

「……じゃあ類。」

「ん?」

「じゃあ、行こうか」


「次のセカイに」




___これは、あの世へ咲くはずだった少年の代わりに咲いた少年と、後を追った少年が次のセカイで繋がることを約束した。

そんな幸せに続く物語。

この作品はいかがでしたか?

3

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚