◻︎爆弾投下!
夜になった。あれからは既読もつかず電話の返事もない。晩ご飯の準備をして、写真をLINEで送った。
〈今日も残業なの?冷めないうちに帰ってね〉
送信。
〈寝ないで待ってるから〉
送信。
なんの返事もなければ既読もつかない。電話をかけてみる。
『おかけになった電話番号は……』
これは電源を切っているのだろうか?それでも電話をかけつづければ履歴は残るんじゃなかったっけ?
どっちでもいい。LINEにもメッセージにも、留守番電話にもしつこくコメントを残す。
結局、その日、夫の和樹は帰ってこなかった。
◇◇◇◇◇
それからもしばらくの間、LINEやメッセージを送り続け、電話もかけ続けた。
あれから一度も既読がつかない、電話も通じない。
___よし、爆弾投下!
私は奈緒にLINEを送る。
〈爆弾投下!〉
すぐに返事が来た。
《ラジャー!》
爆弾は奈緒に任せて、私は次に進む。離婚届を記入して市役所に提出、同時に住民票を移す。子どもたちの姓はそのままで戸籍を新しく作る手続きをする。
___よし!
一通りの手続きが終わって、少し気が楽になった。残りの手続きも順番に進めることにする。
あとは、奈緒が投下した爆弾が、うまく桃子を追い詰めるように願うだけだ。そのままで、しばらく放っておいた。
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