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いるま視点
「…え、らん?」
俺がコンビニから出た時、目の前を走っていくらんが見えた。
俺の声が聞こえたのか、こちらを振り向く。
「あ、いるま、どしたの?珍しいね」
「いや、たまたまこっち来てただけ。てか、 この雨の中、傘なしで走るって風邪ひきたいのか?」
「駅までなら行けるかなーって…」
「いやいや、無謀すぎんだろ、傘買えよ、小学生か」
「あー、…財布を、家に忘れてきまして…」
「はあ?電子決済とかいくらでもあんだろ」
「…俺はアナログなんだよ」
「今時そんな奴いんのか…はあ、ちょっと待ってろ」
そう言って俺はもう一度コンビニに入り、傘を買ってきた。
「ほらよ」
「え、いいよ、お金…」
「じゃあ今度なんか奢れ」
「ん…」
「俺がいたことに感謝しろよー、そうじゃなきゃ…ってらん?」
「…え?あ、感謝する」
俺がらんの顔を覗き込むと、らんがこちらを見た…が、
「なあ、らん、」
「傘ありがと!そろそろ会社戻るわー」
そう言ってらんが慌てて立ち上がろうとする。
「っ!」
「っと!?…あっぶねー」
すると、よろけて倒れそうになり、俺が腕を支えた。
「…やっぱお前、風邪ひいてる?」
「え」
らんが呆けたような顔で俺を見るが、やっぱり焦点が地味にあってない。
それに、今触れた時に気づいた。
「 熱あるだろ。めっちゃ熱い 」
「…えー、そんなことないよー」
「説得力ねえな、その調子だと何日か前からか?熱以外は?」
「…ちょっと気持ち悪いなー、ってだけだからだいじょうb」
「大丈夫じゃない、家帰るぞ、お前の家どこ?俺の家よりは近いだろ。あとコンビニでなんか買ってくるからちょっとそこで待ってろ」
「いや会社帰、」
「いいから待ってろ!」
「はい、すいません」
もう一度コンビニに入り、薬やなんか食べれそうなものを買った。
店員「又のご来店をお待ちしております…?」
…もう二度と来たくねえわ。
出ると、らんが前でおとなしく待っていたから少し安心した。
内心会社戻るかとヒヤヒヤしてたんだよな…
「…らん、おい、らん」
「あ、いるま」
らんが振り向く。呼んでも気づかないって相当だな…
「家は?どこ?」
「こっから歩いて10分くらい…」
「ここタクシー捕まらんし…歩けるか?」
「…ん」
うーん、無理そう。
「…肩貸すから」
「…ごめん、ありがとう」
「いーえ、おかげで俺の休日は潰れたけどな」
「…ごめん…」
いつものらんだったらここで言い返してくるところだが、逆効果だったか。
「とりあえず道案内だけ頼むぞ、俺わかんねえし」
そう声をかけて歩き出した。
白玉くん
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66
ことみ
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コメント
1件
読ませていただきました〜!第4話、いるまくんの優しさがじんわりと沁みる回でしたね。雨の中、らんさんがふらふらしてるところに偶然出会って、ツンツンしながらも傘を買ってあげて、「肩貸すから」って…もうその台詞だけで胸がいっぱいになりました。普段の軽口とは違う、切実な優しさが滲んでいて。あと「もう二度と来たくねえわ」って心の中でツッコむところ、ギャップ萌えですらあります(笑) 休日が潰れたって言いながら、全然嫌そうじゃないのがまた…。この距離感、すごく好きです。次が気になります!