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nk視点
×月×日
今日はいつものような冷たい風は少なく、暖かくて過ごしやすい日だった。
このくらい過ごしやすい日がずっと続けばいいのに。
なんてことを思いながら、家の地下にある長い廊下を歩く。
地下に入ると、暖かい外の空気は遮断され、肌寒い冷たい風が足元を吹き抜けた。
ガチャ
立て付けの悪い、古いドアを音を立てながら開く。
「おはよう、きんとき。昨日はよく眠れた?」
俺は薄暗い部屋の中で、座り込んでいる可愛い恋人に声をかけた。
「…眠れるわけねえだろ。」
せっかく笑顔で声をかけたというのに、恋人のきんときはどうやら不機嫌らしい。
手足に付けた黒い拘束具をガシャガシャと音を立てながら、俺を睨みつけてきた。
俺を睨みつけるその瞳は、俺が初めてここにきんときを連れてきた時と変わらない。
まぁ、睨みつけられるのなんて慣れっこだから気にしないけど。
「あったかくなってきたね。あ、でもここじゃ分からないか。」
「…」
「外はもう桜が咲いているみたいだよ。きんときは桜は好き?」
「…」
「満開でとっても綺麗だったよ。見れないのも可哀想だから、今度写真に撮って見せてあげるね。」
「…」
俺が話しているのに、きんときはそっぽを向いてしまっている。
「あれ?まだ慣れない? ここに来てだいぶ経ったから、もう慣れてると思ったんだけど。」
「…出してよ。」
「え?」
「早くこんなところから出してよ…!」
きんときがそう叫ぶと共に、黒い鎖が音を立てた。
「…なんで?きんときが住む分には困らないと思うけど?」
「なんでって…そういう問題じゃないよ!俺の居場所はここじゃない…!はやく元の生活に戻して!」
「やだよ。」
「は…?」
…何年も前から準備したんだ。
きんときが他のメンバーと楽しそうに話していても、
きんときが俺以外の話をしても、
きんときが俺以外のことを見ていても、
我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、、
ついにその時がきた。
きんときを俺のものにする時が。
ここは何年も費やしてようやく作り上げた、俺ときんときだけの城なんだ。
もう他の奴らに、きんときのことは触らせない。
俺の、俺だけのものなんだ。
「俺ね、今までずーっと我慢してきたんだよ。」
「辛かった。きんときが俺以外の奴と話すたび、嫉妬で狂いそうだった。」
「でもそんな生活も、もうおしまい。」
コツコツ、とわざとゆっくりと音を立てて近づくと、
きんときの体は可哀想なぐらい、小刻みに震え出した。
「これからはたぁっぷり、きんときのこと愛してあげるからね♡」
今まで我慢してたこの愛を、君に注いであげるから。
「なにいってんのッ…おかしいよお前ッ…!!」
まるで俺を、おかしいものでも見ているかのような瞳で見つめる君。
あぁ、可哀想に。
俺以外の奴らと関わったから、きんときもおかしくなっちゃったんだね。
きっと騙されてるんだ。
でも大丈夫。
怯えるきんときの顔を両手で優しく包み込んだ。
「大丈夫だよきんとき。安心して。」
「ひッ…!」
俺が悪い虫からきんときを守るから。
間違った考えを持っている恋人を正すのは、彼氏の役目だもんね♡
『ズッ友』なんて関係じゃ満足いかない。
もっと、もっと、もっと、きんときの特別が欲しい。
時間はたっぷりある。
ゆっくり時間をかけて、きんときを俺だけのものにするんだ。
いつかきんときのこと、俺のことしか考えられない体にしてあげるからね。
俺たちの同棲生活はまだまだ始まったばかりなんだから。
あとがき。
多分続き出します。