〈__まずは、私の正体を見抜くことから始めてみてはいかがでしょうか。〉
前々からやるべきだった。
けど、手をつけられていなかった課題。
__それは、この車掌さんの正体を見抜くこと。
みんな正体が分からず、
口を閉ざしていたその時、
突然、Nakamuが口を開く
nk「ねぇ、車掌さん。」
次に、Broooockが口を開く
br「僕ら、面識あるよね?」
次々とワイテルズのメンバーが口を開く
sya「むしろ、俺ら仲良いんじゃない?」
Kn「なんなら俺ら親友…いや、“ズッ友”だよね?」
sm「俺らを集めて、動画撮影を始めてくれたのも、お前だったよな」
kr「……お前なんだろ?」
「「「Nakamu」」」
ガチャリ……
突然、扉が開くような音が鳴り響き、
列車の先頭側…運転席側から、
ゆっくりと車掌さんが出てくる。
nk『…正解です。』
そう言うNakamuは、
花龍列車で着ていた、
きっちりとした制服を着ていた。
nk『私は…Nakamuこと、花龍列車の車掌です。』
nk「…じゃあ、なんでここに居るの?」
br「そーだよ、花龍列車はどうしたのさ」
nk『海獣列車は臨時便ですからね。』
なんてよく分からない言葉ではぐらかし、
車掌さんは話を続ける。
nk『では、希望者の皆様に“切符”を発行します。』
nk『希望者様は…こちらへどうぞ。』
“希望者”__すなわち、
帰りたいと思う人、
そして大人になる覚悟がある人、
ということだろう。
コツ…コツ…コツ……
列車内に、硬い足音が響く。
tm「俺は行くよ。」
pn「ッ……ともさん、、」
するとともさんは振り返り、
にっこりと笑う
tm「大丈夫、大人になるのが怖くても、」
tm「俺には着いてきてくれるみんなが居るから、だから怖くなっても大丈夫。」
tm「……大丈夫、僕らの絆は、ダイアモンドより硬いんだ。」
gt「__そんなこと言われたら、」
gt「着いていくしかないっすよねぇ!!」
pk「ともさんとぐちさんが行くなら、もう行くっきゃないっすよね!」
rd「ww……それもそうだわ、ぽまえら、着いて来てくれるよな?」
kyo「…はぁ、そりゃお前が行くなら俺も行くわ。ともさんもあぁ言っとるし。」
md「俺モ〜。トモサントラダオクンガ行クナラ…怖クテモ大丈夫。」
ru「……怖い、怖いけど、大丈夫。みんなが居るし。」
co「大人になることより仕事の方が怖いから大丈夫。それにみんなも居るし〜」
rd「流石社畜イカww」
そして、クスクスと笑いながら、
ワイテルズのみんながこちらに歩いてくる。
nk「やっぱ俺らも、いつまでも高校生気分じゃ居られないよね!!」
br「もうそろそろ大人になる時だよねぇ〜!!」
sya「まぁ、それでもゲームはするけどねw」
Kn「それだけは大人になっても変わらない気がするわw」
sm「そりゃそうだろ…w」
kr「やっぱそうだよなw」
そして、
ノアさんとトラゾーが歩いてくる。
kr「俺は行くべきだと思うし、行かなくちゃいけないと思うから、だから行くよ。」
tr「大人になる怖さも、みなさんと一緒ならスリル満点のアトラクションに変わりますしね!w」
すると、それに続いて、
覚悟を決めたように、
しにーもこちらへ歩いてくる。
sn「僕は……僕は、正直怖いです。」
sn「決断と、それに伴う責任に追われるのが嫌で、どうしようもなく怖いです。」
sn「__でも、きっと怖がっても大丈夫なはずだから。」
sn「“くだらない日常”が、僕の日常の中にあって、続いてくれるだけで、」
sn「僕はなんでもできる気がするんです!!」
そう言って、
屈託のない笑顔を浮かべた。
pn「…」
でもただ1人、
ポツンとその場に立ったまま、
動かない人がいた。
pn「…俺、、大人になれないよ、、」
pn「俺…どうしても怖いよッ……!!」
絞り出すような声でそう言って、
ぺいんとはへにゃりと座りこんでしまった。
tm「怖がっても良いんだよ。」
そう言ってともさんは
ぺいんとに手を差し伸べる。
そして俺らもぺんちゃんに近寄り、
手を差し伸べる。
rd「肝試しとか、ホラーマップとか楽しむみたいに、」
rd「怖いのも全部、俺らと楽しもうぜ?」
gt「大丈夫だってェ〜、」
gt「大人になんのが怖くても、俺らが一緒に怖がるから!w」
tm「さ、行こ!ぺんちゃん!!」
pn「ッ~~~…うんッ…!!」
ぺいんとは顔を上げて、
俺らの手を取る。
そして、俺らは全員で、
車掌さんの前へと歩いて行った。
nk『ふふ、全員お揃いですね。』
そう言いながら車掌さんは、少し嬉しそうに微笑んだ。
そして列車内にはイルカやシャチなどの海獣が泳ぎ出し、
人数分の切符をはらはらと落としていった。
切符にはタツノオトシゴが刻印されており、とても綺麗だった。
nk『ここからの道は、タツノオトシゴがしっかりと覚えています。』
nk『ですから貴方達がすることは、切符を手に取って、あとは目を瞑るだけ。』
nk『__さぁ、お別れの時間です。』
そうして車掌さんが手を上げて、
ハンドサインのような物をすると、
イルカやシャチが一斉にジャンプして飛び交い、
今までの駅で出てきた魚達も泳ぎ出した。
イルカが跳ねる度に泡が浮かび、
シャチが跳ねる度に飛沫が上がった。
そして、綺麗な泡や飛沫に包まれて、
俺達は目を瞑った。
ガタンゴトン…
ガタンゴトン…
電車の音でハッとして、目を覚ます。
rd「ここ…は……」
慌てて窓の外を見渡すと、
もうそこは海の上ではなくて、
陸の上…そう、普通の線路の上を走っていた。
…さっきまで、海の上に居たはずなんだけどな、、
rd「……夢、か。」
カラン……
ガラスが転がるような音がして、
ふと足元を見る。
そこには、
いつしか少年がくれた、
シーガラスで出来ている、
綺麗な馬の人形が転がっていた。
__まるで、『夢じゃないよ』
とでも言うかのように。
《海獣列車と片道切符》
_END。
コメント
4件
ワ、ワァ…なん、なんだ!? 名言が飛び交ってる…大人になるのが怖いなら一緒に進んでく…(みたいな)…エモ… 完結お疲れ様〜!!最高だった…
最初からイッキ見してもうた... 小説の書き方も内容も好きすぎる✨️
完結してしまった…長かったような短かったかのような