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今日も一緒に帰る約束をしていた教室を出る直前になってサラが現れたことに少し驚いた。
というのも彼女は放課後になるとすぐに部活へ行ってしまうので帰り道が同じなのは知っていたものの今まで一度も一緒になったことが無かったのだ。
それに普段とは雰囲気が違う気がしたので聞いてみることにした。
「お疲れ様ですサラ先輩。でも、どうして今朝は部室に来なかったんですか？ それになんだか急いでいるみたいだし……」
私の質問を聞いた途端にサラの顔色が曇り始める。
「実はね、さっき顧問の先生に呼ばれちゃって部長を辞めさせられそうなんだよ～……それで部員たちに事情を説明する為に集まって欲しいっていう連絡が来たんだぁ……せっかく大会に向けて頑張って来たのに残念だよぉ……でも仕方がないかな……」
なんて言い出して部活を退部してしまったのだ。
最初は何が起きたのか理解出来なかったけど後にその理由を知った時はショックだった。
というのも、サラは元々テニス部の副キャプテンをしていたらしいのだが全国大会出場常連校のレギュラーメンバーに選ばれてしまったせいで練習量が急激に増えてしまい、その結果として成績が落ち込んでしまったのだという。
更にサラ以外のレギュラーメンバーは全員2年生で彼女だけが1年だったため周囲からも厳しい言葉をかけられるようになったそうだ。
ちなみにサラ自身は自分が悪いと思っていないらしく、むしろ周りの人間が勝手に嫉妬して攻撃してくるだけだと言い返しているみたいだけど……。
まあ要するにサラはその性格が原因で友達を失ってしまい孤立状態になってしまったというわけなのであった。
そして今日に至るまで色々とあった末にサラとは親友と呼べるくらいの関係になれたので今は凄く嬉しい気持ちになっている。
だからこそ彼女の力になってあげたいし、今度こそ支えられる存在になりたいと思っている。
とはいえ、私の方も最近までは友達を作るどころか学校に行くことすらままならない状態だったので誰かに相談に乗ってもらうとかアドバイスを求めるといった行動をとることが出来なかった。
でも、今は違う。
相談できる相手がいるのだ。しかも同性の友人ではなく異性の友人が！ 今までは辛いことや悲しいことがあった時は一人ぼっちの部屋の中だけで泣き続けてきたけれど、今はそれをやめることにした。
これから先の人生において一人で悩む必要なんて全く無いんだということを親友に教えてもらったからだ。
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