テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
友達との茶番で生まれたネタです
多分文章ぐちゃぐちゃ
aoi×tbur 枯れない花
視点主→『』
その他→「」
キャラ崩壊注意
小さい頃、はじめましての男の子からネックレスを貰った。チェーンに青い花が入った小瓶がぶら下げられている小さなネックレス。
そして、その男の子はこう言った。
「俺のこと、忘れちゃったらそれ、捨てていいから!」
幼いながら何だこいつ、とか思ったけど今でも律儀にその一方的な約束は守っている。そんなこと言われたら忘れられるわけないよね?
まぁ、小さい頃の話だし顔を鮮明に覚えてるわけじゃないけど。でも、綺麗な小麦色の肌をしていたのは覚えている。
大人になった今でも俺の首元にはネックレスがかかっている。
小瓶には今日もオイルに沈められた小さな青い花が咲いている。暇なときはこの小瓶を見ることが癖になっていた。
鳴り止まない通知、どこかから聞こえてくる爆発音、そんな騒がしい日常の中でネックレスは癒やしとなっていた。
『…いつも通り綺麗だな』
ようやく取れた仕事合間の休憩時間。お昼も食べていないのにお腹が空かず、無意識のうちに小瓶に蛍光灯の光を当てて独り言を呟いていた。
「アオセーン」
『つぼ浦。どうしたの?』
「カニくんが呼んでた、ぜ…?」
ふと、俺の座っている場所の数歩前でつぼ浦の足が止まった。何かあったのか、とつぼ浦の方を見ると一点を見つめて固まっていた。
「アオセン、それって」
『え?』
「その、手に持ってるやつ…」
『あぁこれ?昔貰ったやつなんだけどね、綺麗でしょ』
小瓶越しにつぼ浦を見るように俺の目の前にしゃら、とネックレスを出す。
署内の蛍光灯の光に反射して小瓶に入っているオイルが輝いていた。
「な、なんでアンタがそれを持ってるんだよ!? 」
『え?』
目の前にあった小瓶をどかすとそこには何故か真っ赤になったつぼ浦が。慌てふためく様子で俺とネックレスを交互に見つめている。
いまいち状況が理解できていない俺は困惑するしかない。なんでこれ持ってることにそんな驚いてんだ?
「俺が渡したのは…いや、アオセンが…?」
『つぼ浦?どうしたの?』
「だってあの時のは…」
固まったまま動かず、何かブツブツ呟いている。どう呼びかけても反応しないのでつぼ浦の目の前に立つ。
そして、自分に気付くように顔を覗き込むと考え込んでいたつぼ浦と目が合う。
「どわぁぁ!??」
『そんな叫ぶか?ちょっと悲しいんだけど』
「し、心臓に悪いぜアオセン…」
ようやく顔を上げてくれたが、瞳はずっと俺の手の方を見ている。そこまで気になるのか、これ。
「な、なぁ!なんでアオセンはずっとそれ着けてるんだ? そんなに気に入ったのか?」
『…気に入った、訳ではないかな』
「そ、そうか…」
『どっちかって言うと忘れられなかったから、かな』
「え?」
『これを渡してきた子がさ、俺のことを忘れたら捨てていいって言ってたんだけど。そんなこと言われたら忘れることなんでできないじゃん』
「…」
『だから俺はずっとこれを着けてる。まぁ顔なんてほとんど覚えてないんだけど』
人間の記憶は声、顔、思い出の順で忘れていくという。今、顔を思い出せないということはこれから段々と思い出も薄れていくのだろう。
それを忘れないためにも俺はこれを着ける。たった一つの記憶の欠片になろうとも。とても大事な記憶だから。
『絶対忘れないぞー、っていう戒めの部分もあるけどね』
「アオセン物事すぐ忘れそうですしね」
『誰がおじさんだコラ』
「おじさんとは言ってませんけど」
さっきまでの狼狽えぶりがなかったかのようにつぼ浦は落ち着いていた。
『さっきまでなにか呟いてたけどもういいの?』
「あぁ、大丈夫っす。アオセンの話で納得しましたから」
『…?』
「じゃあ、俺もう行きますね。そうだ、カニくんが呼んでましたよ」
『ん、ありがとね』
そう言い残して去っていってしまった。
今日は謎にコロコロ表情が変わっていたつぼ浦の顔を思い出し、一人静かに笑った。
面白いなー、アイツ。
『覚えてるよ、ちゃんと』
文章作るのが下手になってきたかもしれん