はじめまして、さきいか太郎です
今回は、わなかぶを書かせていただきました
ほのぼの系です
毎度のことながらキャラ崩壊が酷いです、捏造もやばいです優しい目で見てください
お願いします🙇⤵
それでは、どうぞ
ちらりと見える犬歯、ガツガツという咀嚼音、微かに膨らむ頬
あぁ、好きだッッ……………❗❗
そんな俺の内なる声は人気のない公園に吸い込まれていく。誰か、誰か助けてくれ。
俺は今、真横にいる天使に殺されそうだ。
俺は小峠華太、人が何か食べているところを見るのが趣味な武闘派の極道だ。
これは舎弟である速水の「この動画面白いですよ❗」という紹介から始まった。
たまには付き合ってやろう……そんな軽い気持ちで臨んだのだが、やばかった。
ただ唐揚げを食べている動画、それに俺は心を鷲掴みに……………いや握りつぶされた。
今では動画で我慢できず、舎弟をよく飯に連れていくようになっている。
「北岡、うまいか?」
「………っす❗❗、このしゃきしゃきするのがスゲーうまいっす❗」
「ん゛っ」
「どうしたすか?」
「い、いや何でもない」
こんな趣味……………バレたらドン引きされるだろうな。でもやめられない。
今度、北岡に撮っていいか聞いてみようかな。
今日は和中の兄貴と半グレ組織「殺火羽蘇(さいこぱす)」をぶっ壊しにある公園に来た。
話によるとその組織は「ヤクザ狩り」と称して集団でヤクザを襲い、現金と金バッチを奪っていく
そうだ。まだ天羽組で実害はないが、そのうちターゲットされるだろう。
そうすれば空龍街の治安が悪くなってしまう。そこでかり出されたのが俺達だ。
作戦はこうだ。深夜に人気のない公園で歩き回る、半グレに捕まる、半殺し。
単純だが、馬鹿共は必ず引っ掛かる。そう確信している。いやそうでなければ俺は四肢に
お別れを告げなければいけないからある意味俺の希望も含まれているだろう……………
そんなことを考えていると、後ろから声をかけられる。
「なぁ、そこの兄ちゃん」
振り返ると、そこには緑色の髪をした若い男が立っていた。
一般人というにはなんというか殺気や敵意が無さすぎる。現に声をかけられるまでいることにすら
気づかなかった。兄貴も異変を感じ刀を握っている。
「そんな気張んないでくださいよぉ、俺はただ、これを渡そうと……………」
ゆっくり視線をその男の手元に落とすと、なんと、大量のメロンパンが入った紙袋があった。
「ウチ、メロンパン屋なんですけど、今新作メロンパンの改良中で、
ちょっと他の人の意見も聞きたいなぁと思いまして食べて貰えませんか?」
拍子抜けだ。ただのメロンパン屋であることに安堵を感じながら、押し付けられた
紙袋を持つ。
「ありがたく頂きますね」
「是非感想聞かせてください❗」
「はい」
軽く会釈しその場を離れる。兄貴も俺に引っ張られながら歩いていった。
「……………、なぁカリン。アイツら白だと思う?」
「死人はでなそうだからなぁ……………う~ん白?」
「やっぱり?だよな……………死臭やばかったけど、なんか違ったんだよなぁ」
「あんな死臭嗅いだことねぇ…………………………あんな甘ったるいの」
「甘ったるい?どんなの?」
「恋する乙女の香水……………みたいな」
「……………………………………………………」
「……………………………………………………」
気まずい。会話が続かない。
たとえ続いたとしても「今日はいい天気ですね」「そうだな」で終わりだ。
会話の種を探そうとしても、まずニュースとか時事ネタは無理だ。俺が合わせられない。
刀の話も同様……………極道の話をしても盛り上がるわけがない。趣味の話なんて論外だ。
俺に残された道はたったひとつ。
「兄貴……………………………………メロンパン食べませんか」
ありがとうメロンパン屋の男。俺の貧相な頭で考えられる最善の策はこれだった。
これなら会話は要らないし、もしかしたら初、和中の兄貴の食べる姿が見えるかもしれない。
というかそっちが本命だ。
俺はメロンパンを兄貴に2、3個差し出すと、兄貴はためらいなく受け取ってくれた。
その声に出さない肯定に、思わず頬が緩んだ。
「……………いただきます」
「い、いただきます」
包み紙を外し、少し大きめのメロンパンを見つめる。バターのいい香が鼻腔をくすぐる。
表面にはざらめがまぶしてあり、とても美味しそうだ。
軽くかじると、サクッと香ばしく生地はふわふわだ。さらに食べ進めると中からジェルが
出てきた。メロンの味がする。
久しぶりのメロンパンに舌鼓を打っていると、最初の目的を思い出す。
兄貴のメロンパンを食べる姿を目に焼き付けることだ。きっと上品なのだろうな。
割って食べるのだろうか、一口サイズにちぎって食べるのだろうか、どっちにしろ尊い。
見ていることを悟られないように少しずつ体を傾ける。よし、やっと見え……………
俺は息を飲んだ。俺の想像に反して兄貴は大口開けてメロンパンを食べていたからだ。
メロンパンは瞬く間に消え、最後のひとつとなっていた。
胸がドキドキする。顔に熱が集まる。これがギャップ萌えという奴か。えっ、好き。
「……………どうした、カブト」
「え、………………あ、その…食べ方が」
「あぁ、意外だろ。俺の家がマナーに厳しかったんでな時々やりたくなるんだ」
「そうなんですか❗」
好みの食べ方過ぎる……………………………………………………。これを我慢することは無理だ。
もう撮ろう。そうしよう。
「和中の兄貴、ちょっと頼みが……………」
『おじさんたち、ヤクザ?』
テメごらクソこの野郎ッッ、邪魔だッッ………(ピー)を(ピー)して(ピー)してやるうッッ。
この後の展開は言わなくても分かるだろう……………。
それにしても、兄貴に頼み込もうしたときの兄貴の目が少し気になる。
あの恍惚とした目が
「あともう少しだったのにな」
「俺の家がマナーに厳しかったんでな時々やりたくなるんだ」あれは真っ赤な嘘だ。
俺は一度もあんな食べ方をしたことがない。
口につけることなく、きれいに食べる。
何故こんなことをしたか?………………………………………決まっている。
カブトに好かれるためだ。
お前の愛は俺一人分でこと足りる。他の誰かに渡さない。
最近、舎弟の北岡が気に入られている。内心焦った。
平和的解決?を望む俺には、こうするしか方法が見つからなかった。
それ以降、カブトは俺と飯にいきたがるようになった。
やっと手に入ったんだ、
大好きだぞ、カブト。
コメント
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めっちゃ好きだ❣️色んな作品をありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))(-人-)ナムナム⇽拝むな😭落ち着け😭( ´•ω•)〆( ^o^)ノシこれからも楽しみにしています‼️
好きいい