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Yuki
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#ご本人様には関係ありません
ゆーふぉくん
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俺が人に興味ないっていうのは有名な話で。
特にグループのメンバーは皆感じているようで、過去の撮影でも事あるごとに話題にされている。
特に変えるつもりもないし、そもそもそういう性格なのだから治せないと割り切っている。
「だいちゃん、おーい、だいちゃん?」
「え?」
今は車の中。
仁人のレコメンに、メンバー全員でゲスト出演するために、スタジオに向かっているところだった。
柔太郎に話しかけられて、ふわふわとしていた意識を引き戻した。
「まーた、話きいてなかったでしょ?」
「あは、ごめん」
「ほんと、わかりやすいよねー」
メンバーも、俺の反応には慣れっこで、特にそれで何か言われることはない。
そんな空気感はとてもありがたくて、改めてこのメンバーであることに感謝する。
「でもさー」
前の席から、勇人が首だけ後ろに向けた。
「太智って、仁人の話する時はいつも食い気味で乗っかってくるよな」
「それわかる!仁ちゃんのことになると、めっちゃ喋ってくるよな!」
勇人の言葉に、舜太が興奮気味に賛同した。人差し指を立てて、俺に向けてぶんぶん降ってくる。
「あー、吉田さんね。なんやろ、同期だからかな」
「というよりよっしーのこと結構好きでしょ」
「えー、好きっていうか、もう付き合い長いし、よく知ってるからかな?」
柔太郎に言われて改めて考えてみる。
確かに仁人のことになると、自分の中でぎゅんと焦点が合って、仁人が焦ったり困ったりするようなことを言おうというモードになる。
それはもともと自分の中にいる、バラエティ向けの顔が出てくるのだと思ってたけど、仁人だけっていうのはなぜだろう。
「仁人はなんか、いじりやすいんよなー、皆もあのツンデレな感じをわざと出させに行くみたいなところあるやんか。耳真っ赤にさせて照れたりさ、落ち込んでみたりするんが、見てて楽しいんよね」
「うわ、太智、いきなり饒舌!」
「え、え、いや、なんか変な雰囲気にせんといて!笑」
いつものようにワイワイと車内が沸く。
これから仁人に会いに行くのに、変に意識したくなくて、俺はその場の雰囲気を変えようと茶化すように言った。
スタジオに着くと、そわそわを隠しきれていない仁人に出迎えられた。本人はいつも通りを装っているつもりだろうが、
メンバーが来たことへの嬉しさが表情や声に滲み出ていて、俺はまたむくむくと自分の感情が動くのを感じる。
「え、ちょ、仁人なにそのワイドパンツ!これどうなってるん?女の子みたいやん!」
「おまっ、ついていきなり何?」
「いやいや、だって、これ見てよ!もうこんなんスカートやん!」
「まじでいらんことしか言わないじゃんこいつ!ほんと、帰って?」
半分冗談半分本気のテンションで仁人が不機嫌な表情を作る。
あー、見ていて飽きない。
ダボっとしたニットを身に纏い、指先まで隠れるほどの袖も、どこか女子を感じさせて、思わず俺はその袖をちょんとつまみ上げた。
「あん?なんだよ」
「これも、くわぃいねぇー!」
普通に可愛いとか言うはずもなく、いつものようにいじり倒す。
それにますます不機嫌な顔になる仁人。
その顔が俺を楽しませる。
「もう、こいつまじでやだ」
カメラが回っているわけでもないから、本当に素なんだろう。
口を尖らせて拗ねた顔をすると、仁人は俺に向かって言った。
「ごめんごめん、仁人の服おしゃれやで」
「今更おせーよ!あと初期装備のお前に言われても嬉しくねーし」
このタイミングで言ったところで何一つ機嫌を直せないと分かった上で、あえて褒めてみる。仁人はそれに律儀に反応を返しながらも、他のメンバーにも声をかけにいった。
あーあ、俺との会話終わっちゃった。
つまらない。
「だいちゃん、顔にですぎ」
柔太郎に横から声をかけられたけど、俺はそれに答える代わりにニコッと感情のない目で笑って、席についた。
放送は無事に終わった。
目の前に座る仁人は、メンバーのボケ全てにツッコミを入れて疲れたのか、ぐったりと背もたれに寄りかかった。
「はぁー腹減ったー」
いつもの口癖が出る。
「ラーメン食いて〜」
そんな大声で言われて、誘わないほうが不自然じゃん。
「なに、吉田さん、ラーメン食べに行きたいの?行く?」
「いや、別に。一人でいくし」
「はっ、やばこいつ。めんどくさ!」
俺はツッコミながらも、他のメンバーの予定を思い出す。いつも把握してるわけではない、というかしていない。ただ、行きの車でそういう会話になったから覚えてただけ。
それでいくとみんな明日早い。俺以外は。
仕方ない、付き合ってやるか。
「いいよいいよ、吉田さん頑張ってたし俺がご馳走するよ」
「いや、だから一人で…ってまじ!?太智が奢ってくれるの!?」
なら行く。
と一言。
その様子が本当に、、、飽きない。
まさにツンデレとは仁人のためにある言葉だと思う。
「仁ちゃん今日はありがとうー!」
「よっしー、次のゲーム配信の撮影、後で相談させて、また連絡するわ」
「お前ら今からラーメン行くの?ぜってー太るじゃん!」
メンバーは去り際まで賑やかで。
ガチャガチャと支度をしながら、スタジオ出口まで揃って向かった。
俺と仁人も既に車寄せにつけている車に一緒に乗り込む。
後部座席に座るとマネージャーがシャっとカーテンを閉めて外部からの視覚を遮ってくれた。
「吉田さんとご飯とか、撮影以外で久しぶりじゃない?」
「あー確かにそうかも。前いつだっけ?」
隣同士で座ると、それまでより急に近く感じて、俺は若干変な汗が出てきた。
仁人と二人きりになると、なぜか顔を見ることができない。これは昔から。
綺麗な顔立ちに見つめられると緊張するからっていうのもあるし、仁人がまっすぐこちらを見てくるのが、なんというか、耐えられないのだ。
「めっちゃニンニク入れたいんだけど、太智どうする?」
「え?なに、どうするって」
「いや、なんか一人だけにんにく食べたら臭いって思われるじゃん。恥ずかしいから太智にも食べてほしいなって」
「え、いや、別に気にしないけど…」
さっきまで、メンバーと一緒にいた時の騒がしさからは一変、俺は完全にプライベートモードに切り替わったのもあって、おとなしく返す。
仁人はかなりな恥ずかしがりだ。お風呂もメンバーで入りたがらないし、こういう変なところを気にする。
自分もこだわりが強くて、ポイントは違うけど気にしいなところがあるので、仁人の性格は結構合っていると思う。
「え、じゃあ俺入れていい?」
「うん、ええよ、まっじで俺気にしないから」
緊張していた空気がだんだんとほぐれて行く。仁人と話す時はいつだってこんな感じで、気がつくとテンポよく話し始めている。気を遣わない仲というのは本当に心地良い。
ふと、柔太郎に言われた言葉を思い出した。
「俺、仁人のこと好きなんかなぁ…」
「…え?」
つい口に出していた言葉に自分でも驚いた。それを聞いていた仁人も隣で固まっていた。
「えっ…?」
その先の言葉を求められるように、仁人がこちらを見ながら改めて問うてくる。
俺はまた汗が吹き出してくるのを感じて、見つめてくる仁人から顔を背けた。
大きな瞳がきゅるんと見てくることが本当に恥ずかしい。
「いやいやいや、ごめん、なんでもない」
手も顔も大袈裟なくらいに振って話を終わらせようとするも、仁人の興味から逃れるのは容易くなかった。
抗議の言葉は出さないものの、それ以上を話そうとしない俺に、あからさまに不機嫌な表情になる。
「…あっそ」
絶対に納得していない。
気まずい空気をさらに悪化させて、仁人は正面に向き直った。
これは話さないと機嫌直らないやつ。
「…いや、違くて。さっきみんなでスタジオ向かってるときに話になったのよ」
ついに話し出した俺に、しかし仁人は興味なさげに、だけどちらりとこちらを見た。
絶対気になってるであろうに。
そういうところ一つ一つが俺のツボにハマってしまうのかもしれない。
「俺って基本人に興味ないやん?だけど、仁人にはいつも絡むよなって言われたのよ」
仁人が意外そうに顔を向けた。
大きい目を一際大きくさせて、驚いた表情になる。
「だから、なんで仁人には絡みに行くんやろなぁって話!」
先ほど口にした言葉は仕舞い込む。
ただの状況説明で終えようと思った。
しかし、次の瞬間、仁人の白い耳と頬がピンク色に染まって行く様を見て、俺の思考は停止した。
「えぇー…仁人、、その顔は、、やばいって」
口に手を当てて、俺は思わず言葉を漏らしていた。何がどうやばいのか、を説明するまで頭が回らず、思ったことをそのまま呟く。
「…はっず…」
仁人はそうとだけ呟いて、窓の方に顔を背けた。耳は上の方がもう真っピンク。ほんと色白やなぁ、とか頭の隅の方で思っていると、急にくるりと振り向かれた。困惑した表情と艶っぽい瞳で見つめられて、俺はすぐに目を逸らしていた。
本当にこの瞳に、俺は、弱い。
「…それさ、もう、俺のこと好きじゃん」
濁そうとしたのに、はっきりとそう言われて俺にまで熱が伝わってきてしまう。
でも、変に取り繕うことも嘘をつくこともできず、思わず素直に感じているままを答えてしまった。
「え、た、たぶん…好き…」
「…たぶん?」
あー、もう反則。
そんな寂しそうな声色、どこで覚えたん?
なんでこんな仁人にキュンキュンしたり、気になったり、かまいたくなるのかなんて、自分でももう気づいてしまった。
俺は避けていた目をついに見つめ返した。
「いや、…好き、です」
そう告げた瞬間の、仁人の嬉しそうな顔。にやけるのを堪えているような、でも口角は少し上がってしまっている、俺の好きな顔。
「…まじで。今めっちゃ恥ずいんだけど。あ、でもありがとうございます」
ん?
なんかやけに素直。
待てよ、これ俺がそういう意味で好きって伝わってる?
「じん…」
「またどっきりかと思ったけど、カメラ回ってないよね?」
あぁ、
俺の一世一代の告白が。
キョロキョロと嬉しそうな様子で車内を見回しながら言う仁人に、俺はまたもや心が鷲掴みにされる感覚に襲われる。
これは絶対伝わってないやつ。ただの、友達としての好意を伝えただけって処理されてるやん。
なんっで、こいつはこんな鈍いねん。
無自覚なところがまたタチが悪い。
こんなに良い見た目なのに、抜けてるところも、鈍感なところも、なのにいきなり鋭いところも。
計算してないのに、全部俺の思考を絡め取っていく。
「仁人さぁ、」
「ん?って、ちょ…!」
顎に手をかけてこちらを向かせる。
いつもは恥ずかしくて直視できないその目を、強引に引き寄せる。
俺の、真面目で、でも少しイラついた表情に、ようやく仁人はいつもとは違う雰囲気を感じ取った。
「だい、ち…?な、なに?なんかいつもと…」
「もう黙れって」
「…っ!!」
突然のキス。
ここまですれば、さすがの仁人もわかるやろ。
ちゅっ、と軽く触れた唇は、すぐに離れて冷めていく。
その熱とは対照的に、首まで真っ赤に染め上げた仁人の姿。
「さっきの好きっていうのは、こういう意味やからな?」
固まったままの仁人に、もう一度顔を近づける。
その気配を感じ取って、仁人が少し距離を取ろうと体を引いた。狭い車内、すぐに後ろのヘッドレストに逃げ場を塞がれる。その反応にちくりと心が痛むのを感じながら、俺は再び唇を重ねた。今度は少し深く。
「んっ…ぁ、ぁいち…」
驚いて開きかけた唇の間から舌を捩じ込ませた。俺の舌を受け入れながらも、甘く、鼻にかかる声で、名前を呼んでくる。
誤算だ。
こんな大胆な行動を取りながらも、今日はこんなことするつもりじゃなかったなんて、とろけていく頭で考える。
薄目を開いて様子を探ると、仁人が目を閉じて、小さく震えながらも一生懸命に俺からの愛情を受け入れている姿。
完全に理性が崩れていった。
たぎる想いをぶつけるように、ねっとりと仁人の口内を味わう。
「…っはぁ、んぁ…、ぁ…ん」
耳に飛び込む仁人の声。
車内には外の音が控えめに響く中、その声がやけに生々しく、カーテン越しにマネージャーに聞こえてしまうのではないかと心配になりながらも、止められない。
仁人も自分から発せられた声に驚いている様子で、声を抑えようとなんとか息だけを漏らそうとする。
「…だ、いち…も、もぅ…とまって…」
はぁはぁと息も切れ切れになった仁人が、小声でそう言うと、蒸気させた顔で見つめてくる。
俺を押し返そうとする腕にはほぼ力が入っていなかった。
ようやく離れた俺の息も上がっていた。
「えぇ、、?俺やば、、」
自分でやったことなのに、俺自身が1番困惑していた。そして、そんな動揺も全て声に出てしまう。
それを聞いた仁人は、だらしなく蕩けさせた表情から一変、険しい表情になった。
「はぁ!?おまえ、自分からやっといて、なにその反応!?」
「いや、ごめんごめん!違くて!」
「何が違うんだよ!」
さっきまでとは形勢逆転。
ギャンギャンと騒ぐ仁人は、少し前の妖艶な姿を見せていた人物と同じとは思えない。
「だ、だって、いきなりしちゃったから、俺も好きだって自覚してからすぐだったし、仁人も、なんか、めっちゃエロ…い、いつもと違う感じだから、戸惑っちゃって…」
「おま…、なんてこと言うの…」
つい口走ってしまった本音に、仁人は呆れながらも照れた素振りを見せる。
「え、仁人は…?俺、告白してすぐがっついた奴になっちゃったけどさ、どう、なの?」
俺の言葉に、仁人は大きな瞳をこちらに向ける。目の縁をピンクにして、特大の恥じらいを含んだ表情に、またしても飛びかかりそうになる気持ちを、なんとか抑える。
「…わかんない」
「えっ?」
「太智が驚いてる以上に、俺も驚いてるんだよっ!突然そんな言われても、はいそうですかってならんて!」
でも。
「き、キスは嫌じゃなかった、から…」
ちょっと考えさせて。
「んほぉぉおほほほほおお!!」
「きしょくわりー笑い方すんな!」
この、仁人の顔だけで、今の俺にとっては充分な返事なわけで。
やっぱり自分が正直な性格だったと実感した。
なんで仁人には意識を持ってかれるのか。なんでこんなにも気にしてしまうのか。
なんや、、自分小学生男子みたいやな。
好きな子には、いじわるでもなんでもして、自分を見ていて欲しいもの。
でも、本当は自分にしか見せない仕草や表情、反応が欲しい。独り占めしたい。
その願望がもう少しで叶いそうな予感を感じながら、俺はこの後のラーメンにニンニクを入れようと心に決めた。
また味わいたい快感。
仁人が恥ずかしがらないように。
そわそわする二人を乗せて、車は夜の道を軽快に駆け抜けていった。
コメント
1件
みぅです🤍読了しました。 太智くんの人に興味ないけど、仁人だけは別っていうギャップがもうたまらないです…!柔太郎に「顔にですぎ」って言われるシーン、めっちゃ分かるって思いました(笑)。仁人のツンデレ具合も可愛すぎるし、車内でのキスの流れも、太智くんの理性が崩れていく感じが生々しくてドキドキしました…。 最後に「ニンニク入れよう」って決めるところ、なんかもう完全に恋する男の子って感じでほっこりしました🥀 続き、すごく気になります…!