テラーノベル
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流されたものの一筋縄ではいきません。 うちの涼ちゃんは。←誰だよ。
さーイケ散らかしミンネの出番!書くのに 行き詰まって……ないよ🙄
涼ちゃんの様子がおかしい。
夏バテは治ったみたいだけどなんていうか。
SNSをさぼる。 始まったばかりの個人の呟きアプリ(バブル)もサボる。
制作は全然さぼらない。めちゃくちゃまじめ。
MVもテレビも雑誌もちゃんとこなす。
なのに。大好きだったはずのファンサをなんだかさぼるというか……やらない。 仲直りしたかに見えた元貴との会話もギスギスしてる。
今日も今日とて、レコーディングスタジオから映画の撮影に移動する前に元貴が涼ちゃんを詰めていた。
「涼ちゃん。バブルさぼってるみたいだね。だめだよ。」
「いやー何いえばいいか考えちゃって。」
目を伏せた涼ちゃんに、元貴がため息をついた。
「こないだ撮った宣材写真のボツ送ったから、今すぐバブルを送って。あとインスタもサボりすぎ。明日あげて。また後で連絡する。」
指示だけ出しながらドタバタいなくなる元貴。
涼ちゃんは気をつけてねーと手を振っていたが、
目が笑っていない。こわいのよ。
「涼ちゃん。 インスタだけやったげよっか?元貴に怒られる前に写真あげようよ。」
おずおず近寄った俺に涼ちゃんはこまったように笑った。
「……あまえて、いいかな?」
と言った。
「え、まじで? いややったげるけど……とりあえずスマホ貸して。」
本当にスマホを渡される。まじか。
ポチポチ操作して涼ちゃんに確認をとり、とりあえずアップする。
「いまあげたからとりあえず1個クリアだな。」
スマホを返しながら涼ちゃんを見つめる。
「ありがとう。」
と、2人のスマホがほぼ同時に震えた。
元貴からのラインで。
『涼ちゃん。bubbleは自分でやりなさいね。』
『若井。そのあまやかしは偽善。』
「こわ!!」
叫んだ俺に対して真顔で通知だけ見ている涼ちゃんは、まさかのスマホをしまった。
「……え?まさか未読無視?」
「ささ。レコーディングしましょ。若井、ありがとうね。」
そっと肩を叩かれたから近距離でみつめあった。ら、気づいた。涼ちゃんの俺に対する眼差しもなんだか突き放していると。不安げに見つめる俺を振り返らず、涼ちゃんはキーボードに戻っていく。
びっくりしてどうしたらいいかわからない俺も、とりあえずレコーディングに戻った。
レコーディングがすすんだ夜22時、元貴は撮影が押して戻って来れないと連絡が入った。仕方がないので、明日朝8時に集まることにしてドタバタ解散することになった。
レコーディング中の涼ちゃんは優しくて変わらなかったが、 俺は覚悟を決めて涼ちゃんに近寄った。
「涼ちゃん。帰りに飯食わない?」
ダメ元で涼ちゃんが弱い上目遣いもしてみる。
沈黙がこわい。だめ?だめかな?
「……若井の家でいいなら。」
「え!?珍し!あ!泊まる?パジャマとパンツあったかな?」
安堵から無駄に声がでかくなった俺をみんなが見ていた。
無駄に照れる俺を見て涼ちゃんがだはーっと笑った。久しぶりの本当の笑顔にほっとする。
「……泊まろうかな?コンビニでパンツ買うから、服借りていい?」
「うん!!」
2人は俺に何も話さないから、ずっと知らないふりをしてきた。それを2人も望んでたから。
だけど今の状態はさすがにまずい。
俺は2人が大好きだから、涼ちゃんが 話してくれるかわからないけど、泊まりに来るならまだチャンスがあるはず。
がんばるぞ!と1人拳を握って片付けに入った。
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