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岩橋「嘘でしょ!?じゃあ、紫耀先輩は本当は風ちゃんのことが好きだけど、昔、親友の彼女を取っちゃったことで親友が自殺しちゃったから、だからもう同じことはできないって、廉先輩に遠慮して身を引いたってこと!?」(16話で詳しく書いてあるので、読んでない人は16話へどうぞ)

神宮寺「そういうことになる…」

岩橋「でも紫耀先輩、神宮寺のこと信頼してそのこと話してくれたのに、俺に言っちゃっていいの?」

神宮寺「いや、俺はあえてその事を舞川先輩に話そうと思ってるんだ」

岩橋「風ちゃん本人に!?」

神宮寺「だって紫耀先輩は親友が死んでしまった過去をずっと背負って、責任感じて、だから本当の気持ちを封印しようとしてるんだよ!?そんなの見てられないよ俺!もともと俺、紫耀先輩と舞川先輩、すっごくお似合いだと思ってたからさ…」

岩橋「でもそんなことしたら、今度は廉先輩を裏切るってことになっちゃうよ…?」

神宮寺「そこなんだよ問題は…。だから玄樹に先に相談してんだろう?紫耀先輩も廉先輩も大事な仲間だから…」

 

 

廉「じゃあ、迷わなくて済んでよかったな」

神宮寺「廉先輩っ!?」

廉「全部聞いてもーたわ」

 

廉先輩の隣には、舞川先輩も立っていた。

 

 

ガチャ。

 

平野「たっだいま~。ん?みんなどーした?」

 

紫耀先輩が帰ってきて、静まり返ったみんなの空気に身構える。

 

風「平野…ほんまなん?中学の親友の話…」

 

紫耀先輩がハッとして、俺に掴みかかる。

 

平野「ジン!テメェ!言うなって言っただろ!?」

神宮寺「ごめんなさい!でも俺…後悔していません!だってこんなのフェアじゃないから!紫耀先輩に1人で苦しんで欲しくない!そのためには僕が悪者になったっていいんです!気が済むまで殴ってください!」

紫耀先輩が乱暴に掴んだ胸ぐらの手を離す。

 

風「平野、じゃあ、桃ちゃんとは…?」

平野「…元カノってのは本当。でも今は何もない」

風「じゃあ、名古屋に帰ったのは何だったん?」

 

舞川先輩は表情を変えずに一つ一つ質問していく。

紫耀先輩は、苦しそうにしぶしぶ答える。

 

平野「その日は…親友の命日だった。墓参りに行ったんだ」

 

もし最初から知っていたなら…(風サイド)

そんな…。

だから、あの時どうして名古屋に帰るのか「言いたくない」って言ったんや。

平野にとっては、絶対にえぐられたくない傷だったから。

 

私はてっきり拒絶されたんだと思った。

元カノとヨリを戻したんだと思った。

 

もし、

もし、そうじゃないって知ってたら私は…

あの時本当のことを知ってたら…?

 

 

廉と付き合ってなかった…?

 

 

 

隣に立っていた廉が、ぎゅっと手を握ってきた。

だけど、私はその手をするりと抜いた。

 

風「ごめん…っ!」

 

そう言って、自分の部屋へと駆け込んだ。

今更そんなこと知らされたって遅いよ。もう遅いよ…!

 

図書館壁ドン(風サイド)

河合先生「平野ー!お前、英語の小テストやばいぞ!?休校中の授業もかなり遅れとってるしな。次の期末テストまでにちょっと勉強しとけ」

平野「はーい」

河合「大体お前は返事だけだからなぁ。舞川!ちょっと平野の勉強みてやれ!」

風「ええっ!?」

廉「俺が教えますよ!」

 

廉が慌てて立ち上がる。

 

河合「でも英語だったらやっぱり舞川だろう?」

廉「つーか、補習なら、ふみふみ、自分でやれよ!教師の仕事なんだから!」

河合「俺はテストの問題作らにゃいかんから忙しいんだ!生徒同士で助け合え!」

廉「それ職務放棄やし!」

平野「ふみふみ、俺大丈夫だから!」

河合「お前に断る権利はない!いいな、舞川?」

風「はい…」

 

 

放課後、平野とふたりで教室に残り、机を合わせて勉強することになってしまった。

かなり気まずい…。

さっきから説明している私も、聞いている平野も、多分上の空で全然内容なんて頭に入ってない。

 

ふと沈黙になる。

 

平野「…昨日、ジンが言ってたことだけど、さ…」

 

やっぱり来たかぁ~その話…!

 

平野「全部、忘れてほしい」

 

…ちょっと拍子抜けした。「俺本当はお前のこと好きなんだ」とか言われるかと思って、正直身構えていたから。

だけど、その拍子抜けは、”ホッとした”のか”ガッカリした”のか、自分でもよくわからない。

 

 

でも「忘れてほしい」って、ジンくんの言ってたこと、否定はしないんだね。それって、やっぱり、平野は私のことを思ってくれているって解釈していいの…?

 

 

 

一応河合先生から出された範囲の勉強が終わり、職員室に報告に行く。

 

河合「お!ご苦労ご苦労!じゃあ頼まれついでに、ちょっとこの資料を図書館に返してきてくれ!」

平野「ええぇ~~!ふみふみ、人をコキ使いすぎじゃない~?」

河合「まあまあ固いこと言うな!」

 


 

平野「全くふみふみは人使い荒いよなぁ」

図書館で、本を片付けながら、平野はまだブツブツ文句言ってる。

 

 

風「そんな適当に入れてたら後で先生に怒られるよ?」

 

平野は本の入れ方が雑で、ところどころ本が飛び出している。

 

平野「大丈夫、大丈夫…っ!!」

 

バラバラバラ!

 

上の段から本が数冊落っこちてきた。

 

 

平野「痛ってぇ~~!」

風「平野大丈夫!?」

平野「舞川こそ大丈夫だったか?」

 

平野は私を庇って、本棚に壁ドン状態になっていた。

ものすごく顔が近い。

 

 

欲しいと思っていたその人が、あと数センチ手を伸ばせば手の届く距離にいる。

 

この手を伸ばせば…

きっとこの人を、手に入れることができる…。

 

 

風「平野、私…」

 

是が非でも手に入れたい(廉サイド)

河合「お疲れお疲れ~!」

 

ちょうど部活も終わる頃に、ふみふみが部活に顔を出しにやって来た。

 

廉「テスト近いからって部活にも顔を出さないで、生徒の補習も生徒にやらせて、職務怠慢やぞ!」

河合「なんだ永瀬、さっきから俺に当たり強いな?」

岩橋「廉先輩、風ちゃんと付き合ってるんですよ?なのに先生が紫耀先輩と2人っきりにするように指示したから」

廉「玄樹!余計なこと言うなや!(怒)」

河合「ほえ~!?前らそうなの!?三角関係!?青春じゃん!うっひょー!甘酸っぱいねぇ~!…あ、やべ、じゃあ俺もっと永瀬に怒られちゃうわ」

廉「は!?なんやねん!?」

 


 

なんかすっげえ嫌な予感!

いてもたってもいらなくなって、部活の片付けもそこそこに図書室に走った。

俺、何をそんなに焦ってるんやろう。

今まで恋愛に熱くなることなんてなかった。

スマートな”恋愛マスター廉”やったのに、最近キャラ変ひどいわ…。

 

 

風ちゃんが紫耀に気持ちがあることはわかっていた。

だけど、紫耀が元カノとヨリを戻したことで、俺を選んでくれたということも。

だけど、その前提が崩れてしまった。

しかも紫耀も風ちゃんのことを好きだということもわかってしまった。

 

 

やっばすぎんだろぉ~~っ!!この状況!!

今2人っきりにさせるのは危険すぎる。

どちらかが自分の気持ちに正直になってしまったら…。

 

 

風ちゃんが俺の手を振り払ったその意味は…考えないようにしていた。

もし、そうだとしても、諦められないんだ。

絶対に譲りたくない。

こんなにも俺を走らせているのは…それは君なんだ。

 

 

俺はプライドも何もかも捨てて、それを阻止したかった。

どんなにかっこわるくても、是が非でも手に入れたい。

そう思えた人やから。

 

 

 

廉「ぬぉ~~っ!紫耀に取られるぅ~~~っ(ダッシュ)!!」

 

諦めたなら 変わらない 変われない 誰も譲れない

いつだって走るよ 何故だろう

”It’s You”

King & Prince「Mazy Night」

作詞:RUCCA 作曲:Tyler Shamy・Tido・KAY

 

 


 

ドアは開いていた。

 

ガラガラガラ!

物音がして中を覗くと、紫耀が風ちゃんに覆い被さる様に壁ドンしていた。

 

だけど、周りに散乱した数冊の本を見て、状況はすぐに理解できた。

多分上から本が落ちてきて、とっさに紫耀が風ちゃんをかばっただけや。

 

 

 

それなのに2人は、時が止まったようにそのまま間近で見つめ合ったまま動かない。

 

おいおいおいおいー!これはちょっとヤバイ雰囲気なんじゃないか…!?

こういうハプニングからのキスシーン、よく少女漫画であるやつやって前に海人が言うとったぞ!

 

 

風「平野、私…」

 

風ちゃんが意を決したように口を開く。

目は潤んでいる。

 

やばいやばいやばい!「私、本当は平野のことが好き」のパターンやぁ~~!!

 

とっさに部屋の中に飛び込もうとした、その瞬間…

 

 

風「私、廉の事が大切なの」

 

 

え…?

 

 

うわぁ…、俺、最低やん。

大好きな人のこと、疑ってたんやん…。


大切な人は(風サイド)

 

風「平野、私…」

 

平野が息を呑むのがわかった。

 

風「私、廉のことが大切なの」

 

平野の目をまっすぐに見て言う。

 

もう遅いよ、平野。

 

風「廉は、私が一番辛い時にずっと支えていてくれた人なの。そして廉も私のことを必要としてくれてる」

 

もう後戻りはできない。

 

風「廉のこと裏切れない」

 

それはまるで自分への決意表明みたいに。

 

風「これからも、廉と付き合っていく」

 

これでいいんだよね?

 

平野「うん」

 

平野は小さく頷いてから

 

「やっぱ舞川は舞川だな!そういうところ」

 

と言って笑った。

 

そういうところが(平野サイド)

風「平野、私…」

 

その後に続く言葉を期待したのか、警戒したのかわからない。

 

だけど、舞川が口にしたのは、俺が想像した言葉とは違った。

 

風「私、廉のことが大切なの。裏切れない。これからも廉と付き合っていく」

 

 

平野「やっぱ舞川は舞川だな!そういうところ」好きになったんだ。

 

 

ラブラブな日々(風サイド)

それから平野とは何もない。

あの時、私たちは同じ道を行くと決めた。

私にとっても平野にとっても、廉は大切な人だって…。

 

 

そして廉とはうまくいっている。

 

…はずだった。

それなのに、どうして…。

 

 

廉「もう、別れよか?」

 

どうしてこんなことになっちゃったの…?

 


 

廉は毎日のように私の部屋に入り浸ってる。

ご飯の時と寝る時以外はほとんど。

 

しかも部屋にいる時は、ずっとキスしてくるし、どこからととなく手が伸びてきて、色々触りまくろうとするし、隙あらば服の中に手が入ってくるから、ガードするのに手一杯(>_<)

 

 

初めて付き合う人が廉って、絶対難易度高すぎ。

めちゃくちゃ恋愛上級者コースやもん。

私なんかが太刀打ちできるような人種やない(*´Д`*)




 

 

だけど、私が初めてだから気を遣ってくれてるのか、無理矢理しようとかそういうことは全くなく、大切にしてくれてるんだなぁと思う。

 

 

そして廉が部屋に帰って行く時、なぜだか私は気まずさを感じる。

廉は平野のいる部屋に帰っていくんや。

 

 

だけど、なんでそれに私が気まずさを感じる必要がある…?

 


 

そして、季節は夏。

いよいよ最後のインターハイがやってきた。

 

廉「俺、夢やったんよねー。チア部の彼女に応援してもらうの」

風「だって初めてじゃないやろ~?今まで散々色んな子と付き合ってきたんやから」

廉「いや、それがさ、不思議なことに初なんよな!チア部の子と付き合ってる時に公式戦があったことがたまたまなくて!」

風「それ、廉がすごいスピードで付き合っても別れちゃうからやろー?自業自得やん」

廉「ま、まぁ…それはえーとしてぇ…」

 

痛いところをつかれたらしく、廉は話をそらす。

 

廉「俺の事だけ応援しててな?」

風「そんなわけにはいかんよ」

廉「え〜、んじゃ、俺がゴール決めたら風ちゃんに投げキスするから待っといて!」

風「廉、ディフェンスやん」

廉「何ゆうとんの、風ちゃんのためならポジション無視して上がったるわ!」

風「あはは」

 

そんなたわいもないけど、ラブラブな会話をしたりして。

本当にうまくいっていた。

 

ゴール(廉サイド)

「わあっ!」

観客席が大きくどよめく。

 

ゴール直前で1人抜け出しそうになった紫耀を、相手のディフェンスがなんとしてでも止めようと追いかける。

気持ちが前に出すぎて、相手選手が紫耀のユニフォームをつかみ、2人はもつれるようにして転がった。

しかし一瞬早く紫耀が蹴ったボールは、そのままゴールへと吸い込まれていった。

 

ピー!

 

ゴールを示すホイッスルが鳴ったのに、あまり歓声は起きなかった。そこにいたみんなが、激しく転がった後、そのまま立ち上がれずにうずくまる紫耀に注目していたからだ。

 

紫耀はそのまま担架で運ばれていった。

 

この時点で1対1の同点。

しかし相手選手は一発レッドとなり退場している。

どう見てもこちらが優勢。すぐに逆転できる。

 

…と思っていたが、なかなか苦戦していた。

紫耀を失ったフォワードはほとんど機能していなかった。

 

廉「あーもうイライラすんなぁ!」

 

紫耀が体を張って入れた一点、無駄にできるか!この勝負、必ず勝つ!

 

 

 

実況「永瀬が上がる!永瀬が上がる!サイドバックの永瀬がどんどん上がる!そしてそのままゴール!決まったーーー!」

 

よっしゃ!ほんまに決めたで!

 

客席を振り返ると、チア部が大きくポンポンを揺らしながら、ゴールを祝っていた。

しかしそのピラミッドの1つが欠けていた。

そこにいるはずの風ちゃんの姿はなかった。

 

廉「ほらな、やっぱり行っちゃうんやろ…」

 

本当は最初からわかってた。

 

ずっと手に入れたかった未来。

やっと手に入れたと思っていた。

 

でも、本当はどこか欠けてた。

それを見ないように、一生懸命埋めてた。

 

毎日せっせと風ちゃんの部屋に通って、ずっと一緒にいれば、風ちゃんに俺以外の何も考えさせないようにすればって。

そんなせこい手使っても、埋められるはずないのに。

 

だって欠けているのは、俺の中の信じる心だったんだから。

私を導く運命の王子様はどこ!?

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