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王耀、本田菊、香くんが出てきます。
色々捏造まじ捏造
現パロ
マフィア設定これから詰めます
誤字脱字注意
王耀の性格終わってる(ゴメン)
口調違ったらすんません!
では!
神様は不公平だ。
何度そう思ってきたか。
特定の人物に肥料を与え、与えすぎて枯らしてしまう。水ばかり与えられる者は長生きする、栄養過多で苦しむことなどないからだ。
生まれ持ったものは個人差があるとして、時間だけは平等だろう。24時間365日。一人一人に与えられた時間。ひとつでも無駄なことをしなければ充実した毎日になるはずだ。
そこで、愚痴を漏らしたり暴行を加えている時間は、無駄なのではないか。
残念ながら無駄だと思っていない人がこの世に何人もいるのだ。戦争、紛争、虐待…これだから世界は平和に一歩も近づけないのだ。
暴力は全てを解決する?
違うだろ。
誰も幸せになどならない。
それとも、皆幸せになる必要がないのだろうか。
神様がこんな世界にしているのであれば、神様は何を思ってこの世界を作ったのだろう。
神様は人間では無いから、人間の我々には理解らない問題である。
えらく空気が凍っている早朝、午前4時。窓が結露し水滴が滴っている。うちにはエアコンもストーブも無いので毛布にくるまって寒さを凌ぐしかない。生憎、親もつい先日自分を置いて蒸発してしまったので、残された自分には寝て過ごすことしか出来ないのだ。
これからどうやって過ごそう、なんて考えている度に時間はすぎてゆく。
その時間が無駄だと言っている。
布団から出て、広くもないリビングへと向かう
リビングには3枚ほどの紙と、2つの分厚い封筒が置いてあった。
紙には恐ろしい話が書かれてあった。
かかれていたことは、
・父親が不倫していたこと
・自分への愚痴
・自分への謝罪
・分厚い封筒に入っている札束の使い道
・新しい家族のこと
ざっくりとこの5つだ
愚痴は耳にタコができるほど普段から聞いていたので、なんとも思わないが、謝罪は初めてのことだった。母親がどんな思いで14年間自分を育ててきたのかがよく伝わる内容で、愚痴からの謝罪という中身は人間のひどく残酷で滑稽な部分がわかり易かった。
母親はそう、人間なのだ。
その母親から生まれた自分も人間だと思っているけれど、母親は「クズ」や「ゴミ」など言っていたな。
ところで、父親が不倫をして、しかも自分含め5人作っていただなんて気持ち悪い。人間かどうか疑ってしまう。
ということは、自分は人間以外と人間から生まれたハーフなのでは?だからクズになんて成ってしまったのか。生まれた場所を間違えた。
そんなことより、ああ、話が脱線してしまう。
14歳に10歳から3歳までのお世話をさせるとは、地獄だ。バイトもできない。あの大量の札も5人ならすぐに消費してしまう。あの人は脳ミソがある割に機能していない。可哀想だ。自分にあの人たちの血が流れていると考えるだけでもゾッとする。気色悪い。このまま血を全て入れ替えてもらおうか。
残った4人の住所は書かれていたので迎えに行くことは可能である。10歳のガキから迎えに行こう。言語が通じるといいが。
■■■■■■
さて、家を出てガキの家に着いたはいいものの、何だこの家は。まるで寝殿造の屋敷じゃないか。金持ちなのか?だが、金持ちがあの人外と子作りをする馬鹿が住んでいるようには思えない。とりあえず入ればいいのだろう。入れば…
インターフォンもないので、スライド式の戸にコンコンとノックをしてやる。
すると自分と同じで黒髪のガキが出てきた。
「どちら様ですか?」
ませてそうなガキだ
貫禄がある
「てめーを迎えに来たある」
「……誰かも分からない人を、あげてはならないと母上が」
これまためんどくさい家庭だ
こいつの母親は、あの人と違って少しは常識人なのかもしれない。常識人が本当に人外とヤったのか?
「てめーと我は腹違いの兄弟ある。母親から何か事情は聞いてあるあるか?」
「いえ、何も…しかし興味深いので外も寒いでしょうし、中へどうぞ」
「……………」
絶対我のことを見下している
そう思った。この態度がムカつく
「…それで、腹違いの兄弟とは?」
「そのままの意味あるよ。我とおめーは父親が一緒ある。我らの他にあと3人いる。」
「信じ難いですね……」
「母親からてめーらを匿えと言われた。一緒に帰るあるよ……名前」
「ああ、本田菊です」
「……本田、?」
「母の旧姓です。」
「…ほぉ、で、一緒に来るあるね?」
「いえ」
「は」
「私はこの家から離れる気はありません。幸せなんですよ、母上と父上、両方優しくて…2人の私を撫でる手が好きです。」
馬鹿だな、こいつ
「はは、我をあんま舐めんなあるよ。
おめーの母親は8年前に交通事故で死んでるある。つーことは、おめーの母親も、父親も、赤の他人ある。しかもおめーの今の両親、知ってたあるか?人身売買の常習犯……おめーもある程度おっきくなったら、
生きたまま臓器抜かれて死んじまうあるな♡」
「………………え」
「そりゃ悲しいあるよなー、大好きだった両親がまさかの重要指名手配犯!…で、どうするあるか 」
「……いゃ、そんな…………」
「あーあ、すまんある…てめーの大切な夢壊しちゃったか?我…」
「でも大丈夫あるよ、我がいる。我と一緒にこれから暮らすある」
「…っ!」
本田菊の目には涙が浮かんでいて、顔が歪み、眼が宝石のようにキラキラと輝いていた。
実感した、自分はこれが好きだと。
自分の手で、何かを壊す瞬間が好きだと。
気持ちよかったのだ。
それと同時に、この子を絶対に守らなければという使命感も抱いた。
これが興奮、重圧感。
「…やおさん」
「ん?」
「わたし、あなたについてきます。やおさん、わたしを…たすけてください”」
ガキは単純で可愛い。
この子の頼れる人は我だけ
どれだけ重くて、愛おしくて堪らないのか
助けてあげよう、命にかえても。
「行くある、菊」
「はい!」
本田菊が家族になった。
そして、後々わかったのは、重要指名手配犯というのはまるっきり嘘だったということだ。
家に帰ってきて、色々と事情は全て説明し終わった。話す度に菊は顔色、表情をコロコロと変えて見ていて面白かった。この子も人間だと思った。
母親が人間の中でもバカではなく常識人だったからか、人間味が強く出たのだろう。
菊はお腹空いてそうだったのでスーパーで食材を買って、手料理を振る舞った。その日の昼食は餃子だ。
「ん、美味しいです」
「よかったある。」
「それで、次はどの子ですか?」
「…一番下は産まれたてだからイヤイヤ期とかめんどくさいある。だから先に3,4番目を…3番目は少し遠いから4番目あるね」
「わかりました。私に出来ることがあれば、なんでもお手伝いしますからね。」
「…………頼りになるあるね」
家族とか、一緒に食事とか、ほとんど初めてのことだった。だからか少し心が暖かったのと、安心する気持ち。幸せとはこのことを指すのかもしれない。
さて、昼食も食べ終え、食器も片付け、さっさと4番目の子どもの場所へ向かう。
うちにある食器や服も少なかったので、買い物もしないとな〜と考え歩いているとあっという間に家に着いた。
家はボロいアパートで、ところどころ壊れている。うちよりボロいアパートを見るのは初めてのことだった。
「随分年季入ってますね……なんだか、怒鳴り声とか泣き声聞こえません?」
「怖いあるか?」
「…え?」
「ま、無理もねえあるよ。菊はまだ10歳。暴力も見慣れていない。」
「…子供扱い……」
「ふふ、我にとってはまだまだ子供ある」
「4つしか変わらないのに…!」
無駄口叩いてても現状は変わらない。だからもうすぐに突入するしかない。ある程度使えそうなものは持ってきたから、自分のもう1人の家族を救うために、入らなければ。
「菊、行くあるよ」
「はい」
外れそうなインターフォンを鳴らしても、自分たちの声が大きすぎて気づかないのか出る気配がない。鍵は空いてそうだったので、入る。
入ると案の定、女が子供に暴力を振るっていた。子供の顔は腫れ、涙と鼻水でぐっしょり。可哀想だ。その言葉しか出ない。
「誰、警察!?!?」
「……はぁい警察デース。通報があったので勝手に入りましたー」
「耀さん!?」
「中学生のイタズラ!?不法侵入で訴えるわよ!」
「じゃ、アンタが今していたことは、犯罪ではないって言いたいあるか?」
「…っそれは、……これは、愛情表現のひとつだから!」
「仮に愛情表現だったとして、その子は嬉しいと思うあるか?」
「うっさい!部外者が口を挟まないで!!大体なんなの!?あんたたち!」
「あなたがヤった男の、不倫相手の子どもですよ」
「はぁ!?信じられると思うの!?」
「認めろある。とりあえず、警察には通報したあるから」
そんなもの嘘に決まっている。人間は、警察に通報したという嘘に弱い。すぐ騙される。滑稽すぎる。
「…っ……だったらこうするしか!」
そう声を荒らげて女は包丁をあげて我に襲いかかってきた。
「!耀さん!」
ああ、菊の声が愛おしい
我を守ろうとしてくれる、唯一の家族
家族っていいあるね。本当に
でも大丈夫、
反撃はできるから
「ぅ”、…………く”、あ”」
「…ぇ、?」
菊が混乱している
だって、
まさか、
呻き声をあげるのはあの女だとは思わないからね、理解できる、その気持ち
「……我は正当防衛あるから、アンタが最初っから悪い」
「死んで償え」
「……ある!♡」
「ぁ…あ、あぁ……あんた……なんか、ひとごろし……ぃ、」
「人心殺しに人殺しって言われたくねーあるねぇ……そもそも、アンタにこっから先生きていけなんて思ってないあるよ。我も、子どもも、世界も。」
「人間は、どこかで踏み外すと元には戻らない。戻れるのはたった1%だけ。アンタも不倫野郎も、戻れない人間って決まってたある。」
「………こ、の……がき…………あんたこそ、…し……ね、ば……ぃ……の、ょ」
「…………………我もそう思うある。けど、神がそれを許さなかった。…あるね」
「…っ!おにーちゃん」
「!てめ、生きてたあるか!…よかった…」
「ありがとう、おれ、たすかった」
「!」
ありがとう、て、初めて言われた気がする
誰かのためになにかをするのも悪くないかもしれない。
「耀さん」
「どーしたあるか」
「…あなた、人を殺したんですよ、?どうしてそんなにケロッとしていられるんです」
「……」
菊の手が震えて、我に向ける瞳が鋭い
どうしてそんな目で我を見るのだろう
我は何も悪くないのに
「…菊、我は何もおかしくないあるよ。殺人…だって、ただの殺人あるよ?世界中殺人事件なんて一日に一回は起きてるある。これはそのたった一回に過ぎない。ね?それに、この子どもだって助けられたある。我はスーパーヒーローあるよ。」
「……そう、いうものですか…?本当に、殺人は悪くない?」
「?もちろん」
「そうなんですね、すみません、私…未知なんですそういうの……ごめんなさい」
「なぁに、謝ることなんてねえあるよ、菊」
3人でまた家に帰って、香の手当をしてから夕飯を食べる。香はここ2日ほど飲まず食わずで過ごしていたらしく、もりもり食べていた。
菊も香もとびきりの笑顔で過ごしていたみたいでよかった。3人で風呂に入って、3人で歯を磨いて、3人でテレビを観て、3人で寝た。
こんなに暖かい布団はこれまた初めてだ。暖かくて、心地よい。
あと2人が来るのが楽しみだ。
後々分かったことは、あの女はヴァルガスファミリーというマフィア一家の手柄だったらしく、3人はヴァルガスファミリーに目をつけられることになっていた、ということだ。
To Be Continued