「うぇるかむとぅーざ、あにきはーうす!!!」
「いらっしゃい、ないこ。」
家に入ってくるなり、めっちゃいい匂いする〜!と無邪気に笑うないこに自然と笑みがこぼれた。
今日は、俺がないこに手料理を振る舞う日。
最近ないこがまともな食事を口にしてない気がしたってのもあるし、二人きりになれるからっていう俺のちょっとした欲もある。
「もうできとるけど、食べる?」
「えぇっ!?まじで!?食べる食べる!!!」
目を輝かせ、首もげるやろってくらいの勢いで首を縦に振るないこ。
そんな様子にまたクスッと笑いながら、じゃあ先座ってて、と呼びかけ台所へ向かう。
いつもより多めに作った料理を器に盛る。
食欲旺盛な彼のことだから、おかわり、と言ってもっと食べてくれるだろう。
「はい、どうぞ。」
「うわ、うまそ……」
持ってきた料理を机に置き、席についたタイミングでないこが口を開いた。
「ね、これツイートしていい?」
「お、全然ええよ」
「んふふ、アニキとお家デート、っと……」
お家デート、ね……
ないこは深い意味なんて持ってないんだろうけど、やっぱ気にしてしまう。
出会った頃はこんな気持ち抱いてなかったのにな、なんて自嘲しながら気持ちを抑える。
「んぉ、うま!!」
目線をないこに向ければ、料理を美味しそうに頬張っていた。
その表情からは疲れの色が抜けていて、少し和んだ。
しばらくして、ないこが口を開いた。
「アニキはさ、武道館で何したい?」
「やっぱライブのことはアニキに訊くのが一番かなって、」
武道館でしたいことなぁ……
「ん〜……、ないこ泣かせる?」
「え、なにそれw」
ライブでないこ泣かせることは俺の密かな夢だったり。ないこ全然泣かへんし。
「じゃあ、俺も武道館でにき泣かせる」
にひっと悪戯っぽく笑ったないこ。
その笑顔で、想いが溢れ出す。
「楽しみにしてるわ、じゃあ、w」
あとは、6人とリスナーのみんなで最高のライブにできたら、俺はそれで幸せ。
この想いも、伝わらなくてもいいから。
それでも幸せやから、小さく零した。
「好きやで。」
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