・オリキャラの過去編です。
・中二病じみてます。すんません。
・死ネタがあります。
・何でもありな方向けです。
・最後に簡単な説明をつけています。
俺は寒いのが大嫌いだ。仕える者なのだから平気だろうとか言う奴も居るがな。仕える者は、20歳位の体と頭脳を持って生まれる。生まれてから一年位は混乱期と呼ばれ、能力が使えない。
生まれたところはロシア連邦、とても寒い所だ。だから、寒いのは馴れている。でも、ダメだんだ。
俺は昔、自分の大切な人を自分の手で壊してしまった事がある。
その日、俺は生まれた。
「お、生まれたのか」
「みたいだな。初めての弟だな」
顔を見上げると二人の男がいた。二人とも背が高く、暖かい服装をしている。
「俺は国炎帝だ。お前の兄だぞ。兄さんと呼んでくれ」
「俺は主炎だ。お前の兄になる」
二人の男は、俺の兄だと名乗った。そうして、国炎帝……兄さんは俺の頭を雑に、でも優しく撫でた。
「兄さん、兄貴、よろしく!」
「お前の名前は?」
兄さんが俺の頭を撫でるのを止めて聞いた。
「俺は、炎露だ。その筈」
「ハッハッなんだよその筈ってはっきりしろよな」
そう言って、兄貴は大きく口を開けて笑い出した。その時、何故か兄さんはぽかーんと口を開けていた。俺はそれが不思議で聞いてみたんだ。
「兄さん、何でそんな驚いてんだ?」
「主炎はな、あんま笑わないんだ。でも、お前のおかげであいつあんなに楽しそうに笑ってるってのがな、嬉しくてさ」
「そっか」
兄さんと話し終えても兄貴はまだ笑っていた。
「家に帰って飯でも食うか。今日は炎露が生まれたからな、豪華な飯にするか!」
「兄さんの飯か、旨いから炎露期待しとけよ」
「わかった」
「Xaxa期待に応えれるように頑張ろう」
兄さんも兄貴も幸せそうに笑っていて、俺も釣られて笑った。
家に入ってしばらく待ったら、兄貴に連れられてダイニングに来た。机の上には、沢山ロシアの伝統的な料理があった。
ボルシチ〔赤かぶのスープ〕や、プロフ〔羊肉を使ったロシアの炊き込みご飯〕、デザートとして、ブリヌイ〔ロシア風のパンケーキ〕と本当に沢山有ったんだ。どれもこれも旨くって本気で幸せだった。
ある日、俺は兄さんにひとつ質問をした。
「なぁ、兄さん」
「どうした?」
「兄さん達の主って見つかったのか?」
そう、主についての質問だった。
「主炎の主はまだ産まれていないだけだな」
「俺の主は、もう、死んだんだ」
「あ、なんかごめん」
兄さんにとって辛い話だったかなって思って俺はとっさに謝った。でも、兄さんは気にしてなかったみたいで、謝った事に怒った。
「時々俺みたいなイレギュラーっているんだよ。主が死んでも生きてる、そんな奴がさ。まぁ、俺は炎露の混乱期が終わるまでは意地でも死なないよ」
そう言って、兄さんはまた俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。その兄さんの手は、暖かかった。
そんなこんなで、俺の誕生日が過ぎて冬になった。その日は酷く寒い日だった。
「もうそろそろ炎露も能力が使えるようになるんじゃないか?なぁ、主炎」
「だなぁ。炎露はどんな能力だろうな」
「俺みたいな回復系か?」
いつにも増して兄さんがニコニコしながらそう言う。
「俺みたいな武器系かも知れんぞ」
そんな兄さんに対抗するかの様に兄貴が言った。
「まぁどっちにしろ、能力が使える前兆として体が痛むが、頑張ってくれ」
兄さんは優しく微笑んで言った。
「わかっ、い゙だい゙」
言い終わる前に全身に激しい痛みが広がった。まるで中から切られているかのような痛みで、立っていられなかった。
「大丈夫か!?兄さん回復!急いで!」
「わかった!」
二人の慌てる声が遠くから聞こえてきた。朦朧とした意識の中で兄さんと兄貴が「頑張れ」とか、「すぐに楽になるぞ」って励ましてくれた。
しばらく痛みに耐えていると、段々無くなっていったい。
「はぁ、はぁ、ましになった」
「良かった」
「良かった。ほら、炎露、立て」
そう言って、兄さんは俺に手を差しのべてくれた。俺はその手を使って立とうとして、手を掴んだ瞬間兄さんの手が凍り始めた。
「え?」
二秒と経たすに兄さんは全身凍ってしまった。俺も、兄貴も状況が読み込めなくって固まってしまった。
「……炎露、大丈夫か?」
「あ、あぁ」
十秒程考えてやっと俺は、俺達は状況が理解できたらしい。
「俺がやったのか、これ、兄さん?返事してよ、頼むから」
暖かかった兄さんの手はもう冷たかった。
「炎露……とりあえず暖炉の近くに近づけよう」
「そ、うだな、氷みたいだし、溶けるかもしれない」
固まったままの兄さんを暖炉の火に近づけると案の定氷は溶けていった。
「良かった」
「!よくみろ」
兄貴に言われて兄さんをよくよく見ると、溶けていった所から砕けるように崩れて消えていった。
「な、んで、死ぬんだ」
仕える者は死ぬとき、砕けるように崩れて消えていくと聞いたことがある。
「兄さんから聞いたんだが、兄さんは、主が先に死んでるから心臓が一瞬でも止まってしまうと死ぬんだと」
兄貴はこんな状態なのに以外と落ち着いていて、俺に淡々と話す。
「俺が落ち着いてる理由はな、もうそろそろ死ぬだろうなって兄さんが言ってたからなんだよ。死んだら、自分の主に会えるんだって言ってたぞ」
「どんな理由であれ兄さんはもうそろそろ死ぬんだって言うのを知っていたからな、炎露は優しいから、そんなこと言うと悲しむからって口止めされてたんだ」
まさかの事実を兄貴から聞いて驚いたけど、それでも自分が兄さんを殺してしまったのは変わりない。
「そう、か。悪い、兄貴、しばらく一人にさせてくれ」
兄貴からの返事を待たずに俺は走って部屋に行った。俺が触ったドアノブも凍っていて、やっぱり自分がしたことなんだと自覚した。
ドアの奥から兄貴が「飯、置いとくぞ」とか、いっていたが、食う気にならなかった。そのまま何日も部屋にこもっていた。
寝たら、兄さんが死んでいく夢を見るから寝なかった。
兄さんが死んだのはそんな凍るように寒い日、だから、寒いのは嫌いだ。
どうだったでしょうか?不明なところが多いと思うので軽く説明します。
プロフィール
国炎帝
・露帝に仕える者。
・既に主が死んでいる。
・能力は、治癒
主炎
・ソ連に仕える者
・まだ主が産まれていない。
・能力は、考えた武器を出せる。
炎露
・ソ連の次に代表になるカントリーヒューマンに仕える者。
・能力は、雪と氷を操る。
次に、 時代ですかね。この世界は、国が生まれてから彼ら仕える者の主となるカントリーヒューマンが生まれます。ですので、露帝とソ連の代替わりの時です。
こんな感じでしょうか?では、2770文字お疲れ様です。
では、バイ
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