タイトル通りです
⚠自己満夢小説
⚠ifパロ
⚠時代が分からん
⚠終始夢主side
⚠雰囲気重視
⚠脳死状態で書いてます
それでもいい方だけお進み下さい🦊
「此処、何処…?」
或る日、山菜を採りに森に入ったら道に迷ってしまった。
日が暮れる前に帰らねば、熊か猪にやられてしまう。
方位も判らなくなって途方に暮れていると、木陰から音もなく何かが現れた。
「な、何!?」
咄嗟に振り向くと、其処には上背のある青年が立っていた。それはそれは美しい青年。
くるくると巻いたくせっ毛と端正な顔立ちに見蕩れる。
「お帰り、此処は君のような人間が来る処じゃない。もう日が暮れてしまうよ」
「それが……、」
「もしかして道に迷ってしまったのかい?仕方ない、私が案内しよう」
そう言って歩き始める青年の広い背中を追う。
なんて優しい青年なんだろう。でも何故こんな処にいるのかな?
疑問で何から質問しようかと考えていると、あっという間に自分が住まう里が見えてきた。
「此処よ!ありがと…う…」
後ろを向くと、青年の姿はなかった。
翌日、お礼をしたくて家の畑で両親が育てた果物をそっと採って森に入った。
何故か青年は此処にいると確信して。
その確信はどうやら杞憂ではなかったようで、奥へ行くと祠に寄りかかって座る昨日の青年がいた。
「おや、また来たのかい?」
「お礼がしたくて!これうちの畑で採れたのよ」
と果物が沢山乗った籠を手渡すと、
「ありがとう」
と嬉しそうに目を細めた。
「もしまた迷子になったら木に生えた苔を見ればいいよ。苔が生えている方が北だから」
「そうなの?物知りなのね」
「まあね。でもこの森は色んな生き物がいて危ない。もう来ちゃいけないよ」
山菜を採るなら向こうの山の方が安全だ、
と指を指す青年。
「そろそろ日が暮れるね。」
「うん、もう帰らなくちゃ」
「うん、さようなら」
ヒラヒラと手を振る青年の顔は、どこか寂しそうに見えた。
然して数週間は普段のように過ごした。
収穫の時期は忙しいから、畑を出ることができないのだ。だけどそれも落ち着いてきて、ふとあの青年のことを思い出した。
その日、私は青年を忘れられず夜も眠れなくて、両親の目を盗んで家を抜け出した。
ガサガサと草を掻き分ける。
あの時の祠に行けば、きっと青年は居る。
今思えば可笑しい話だ。こんな夜の森に”普通”の人間がいるわけがないのに。
が、月明かりを頼りに歩き回るけど、幾ら探しても見つからない。
「ねえお兄さん、居るんでしょ?もう一度会いたいの。姿を現して」
そう声も出してみるけど気配がまるでない。
すると、何かを感じたので咄嗟に後ろを振り向いた。
そこには青年が座っていた祠。よく見るとその祠の中には狐の形をした銅像が祀られていた。
「……?」
「おや君は」
「!、お兄さん!やっぱり此処に…」
祠と逆方向からすっかり聞きなれた声がしてもう一度振り向くと、其処には───
「驚いているのかい?これが私の本当の姿だと云うのに。もう来てはいけないと云っただろう?」
青と白の大きな耳、九つの尾。
「悪い子には、お仕置をしないとね」
確かに聞いたことがあった。
里の近くの森に、狐の妖が封印されているという。 その封印は迚も古いものだから、もう解けている。
里に降りてくる事はないだろうけど、祠を見つけたら直ぐに帰って、もうその森には近付いてはいけない。
亡くなった祖父が、幼い私に云い聞かせていたこと。
何故私は忘れていたのだろう。
「折角何もせずに帰してあげたのに」
「ゃ、待って、誰にも云わないから帰し…」
「怯えないでおくれよ。前のように笑いかけておくれ。愛しの__」
青年の顔は、酷く幸せそうだった。
夢主(〇〇)
とある里に住む夫婦の一人娘。年齢は16、7歳。初めて会った時から青年(だざ)に一目惚れしているが、自覚はない。今後二度と人間界に戻ることは無い。というか多分堕とされて嫁になる。
だざ(青年)
大昔に封印された九尾の妖。〇〇に初めて会った時に一目惚れしたけど、可哀想だから逃がしてあげたら自分から会いに来るものだから我慢するのをやめた(良い判断)。〇〇と会った最初の2回は耳と尾を隠して青年に化けていた。