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第10話 救い
「こんの…!」
光希は相当怒っていた。
「遅いよ、光希。君たちは”彼女”を制御できてない。
ねえ、佳代?君は僕ら側の存在なんだよ」
佳代は味方も敵も区別せず、攻撃をしていった。
「危ないっ!!」
西円寺の腕が切り裂かれ、血が飛び散る。
「ーーく…..う…っ」
瓦礫が宙を舞い、爆発が起き、港が崩れていく。
「ほら、見ろよ。これが”彼女の本性”た。
お前らの中に、悪魔がいたんだよ」
笑い声と共に、安東はこのように告げた。
しかし、みんなはまだ諦めなかった。
西円寺こう述べた。
「ーーいや、まだ”完全”じゃない。戻れるはず…..!」
「なぜ?根拠は?」
林が聞く。
「佳代ちゃんが私に斬りかかった時、本気で切り掛かってこなかった。
きっと佳代ちゃんの心の中で何か引っ掛かることがあるんだと思う。」
「そうと決まったなら誰か…。」
「僕がいく。
みんなには援護を頼みたい。いい?」
「うん!」
そう言っている間に佳代は怪我をして横たわっている日向の胸を貫きかける。
寸前で光希が間に入り、剣で影を受け止めた。そして言った。
「佳代!!目を覚ませ!戻ってこい!!!!負けるな!」
ー誰かが私の名前を呼んでいる…。
あ…。光希さんだ。早く…行かなきゃ…。
戻る…。もどる…!私は…人間だ!!
すると、いきなり佳代の攻撃、動きが止まった。
まだ完全ではないが、少しずつ人間の姿に戻っている。
「伝わった…?伝わったのか…⁉︎」
「やったあ!やった…!」
みんなは抱き合って喜んだ。
でも、安東はそれどころではなかった。
「お前は何をしているんだ…⁉︎」