テラーノベル
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相変わらずニヤニヤヘラヘラしているペトラとギレスラには聞いても無駄、いち早くそれを察したグフトマはレイブに向き直って質問を繰り返すのだ。
「ま、全く訳の判らん事を言われても困惑するだけだよぉ、一体何の事やらぁ、なあレイブぅ、お前からも言ってやってくれよぉ、チンプンカンプンだって! お前だって判らんだろう? なあ?」
「え? あの雌の事でしょ? 他のが石に夢中な間、ずっと太師匠を見つめてたじゃないですか? あの雌が太師匠の好きな相手で相手も同じ様な気持ちなんじゃないかって言ってるんですよ、ペトラとギレスラはそっち方面勘が鋭いんですよね、自分の相手がいないから」
『なっ!』
『し、失礼しちゃうわね!』
「だってそうじゃないか」
「お、お前、思ったより数段以上はっきり言うね……」
歯に衣どころか歯垢の欠片すら付けずにニッコリと微笑を浮かべたレイブの舌は止まらない。
「まあ当事者じゃないから無責任に話せるんでしょうね、ほれ見て下さいよ、ペトラの顔なんてだらしないでしょ? いつもあんな顔でシエル女史が振られただの弟子のライアと女学生が逢引してただの騒いでいるんですよ、ギレスラ相手ですけどね? 他の奴等には相手がいるけどこいつ等だけ寂しいんですよ」
「お、おう」
『あ、アタシはまだ若いし! ち、近くに雄の豚猪もいなかったから……』
「あ、そう? そこ行くとギレスラは便利だよな! 雌雄とかあんまり関係ないんだもんな! 何だったら一人きりでも卵産めるんだっけ? じゃあ寂しくは無いかぁ、カタボラもいるし…… 雄同士で同性愛になるんだけどな……」
『ばっ! た、多様性と言えよ…… べ、別にカタボラとか、そ、そーゆーのと違うし……』
ペトラの鼻先とギレスラの全身はいつも以上に真っ赤であった。
その様子を確認したレイブは満足気な顔でグフトマに対して言う。
「ほらね、自分の事になったら二人ともこんな感じでしょ? 所詮は外野の騒ぎなんですよ、こんなの気にしない事です、ええ、ええ、気にしたら負けです」
堂々と言い切ったレイブを見るグフトマの視線には何故か尊敬の念が浮かんでいる。
そう言えば『小人の隠し穴』に入る直前にも同じ様なやり取りが有った筈だ。
確かその時レイブは……
「まあ素人さんには難しいよな、お前も、おっと、太師匠も恋愛経験を積んでいけばいつか判るよ! ……です」
そうだそうだ、こんな感じで調子に乗ったんだったな、キープの癖に。
同じ轍を踏むのは一門の伝統なのだろうか? グフトマの反応もその時と同じである。
「レイブ、お前はなんて言うの? 恋愛偏差値って言うの? 高いよな」
「まね♪ こちとらこれぞっ! って決めた相手と、んー、なんだかんだで二年以上? 一緒に暮らしているんでね~、ほらほら、同棲ってやつ? なにせ男と女が一つ屋根の下ですからね~、んま、愛多憎生、悲喜交々、それなりって所ですよ~♪」
「ほぉ…… いや、大したもんだよ、マジで……」
「へへへ♪」
感心一入、手放しで褒めちぎるグフトマの声はレイブの増長を加速させるだけである。
羽海汐遠
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たつ
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コメント
1件
レイブ、強すぎますね(笑)「歯垢の欠片すら付けずに」って表現、めちゃくちゃツボでした。ペトラとギレスラが真っ赤になってるのを涼しい顔で眺めてる構図が鮮やかで、思わず声出して笑っちゃいました。しかも「所詮は外野の騒ぎ」って言い切るレイブにグフトマが尊敬の眼差しを向けるのも、なんか分かるなあと。あおいもこんな風に言い返せたらなって憧れます。ニヤニヤしながら読み終えました🤍