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◇◇◇◇◇
リオは天界に来てから、少しの休憩と食事を挟みながら、ひたすら過去の映像を見続けていた。それは、リオにとっては衝撃的な出来事と言わざるを得ないものであった。
女神:「リオ。大丈夫か?」
リオ:「はい。なんとか終わったみたいです。」
女神:「そっか。お疲れ様……。」
リオ:「ナスヴィー様。
先代の教皇様はすごい人ですね。」
女神:「うん。そうだね。」
お互いに何かを言いたかったが、言葉にならず、長い間沈黙が続いた。
リオ:「ナスヴィー様。
僕でいいんでしょうか?」
女神:「うーん。そうだね。
これも運命だからね。
リオには平和な時代に教皇になってもらおうと思ってたんだけど、それも運命かな。
こればっかりは覆せないからね。」
リオ:「そうですか。
わかりました。できる限りやってみます。」
女神:「ありがとうね。結果がどうなったとしても、それはリオのせいではないからね。
出来るだけ頑張ってみてよ。」
リオ:「はい。
ところで、魔族ということは、レキ・グランベルが関係しているということですか?」
女神:「今はまだよくわからないけど多分そうだろうね。彼にはすでに魔人貴族が従者になっているみたいだからね。
ディスハーがどう絡んでくるのかは今後の展開によるかな。」
リオとレキ。
やはり、これも運命というべきか?
女神:「じゃあ、リオ。そろそろみんなのところに戻ろうか。」
リオ:「はい。」
◇◇◇◇◇
リオは世界樹の前に戻ってきた。
あれからちょうど、1日経っている。
リオの気配を察知したリンドウたちも世界樹の前にやってきた。
女神:『みんな。お待たせしたわね。』
リオ:「戻ってきました。」
リンドウ:「ナスヴィー様。リオ。おかえりなさい。」
カゲロウ:「おかえり!」
女神:『それじゃあ、リオ。
最後にみんなの前で最終確認だよ。
教皇として、この世界に挑む覚悟は出来た?』
リオ:「はい。頑張ります!」
女神:『うんうん。いいね。
ここからはみんなにも聞いて欲しいんだけど、もうすぐこの世界は混沌に突入するの。
時期はまだわからないけど、神の加護を持つ2人の真の皇が誕生した時にそれは訪れるのよ。
1人はリオね。
もう1人は追々わかるはずよ。
それから先は私を含めて、神の干渉は禁じられることになるの。
要するに、この世界がどうなっていくかは私たち神にもわからないってことね。
ただ、これはリオにも伝えているけど、その結果に責任を持つ必要はないわ。
この世に正解は一つではないの。
リオの前に道が出来ただけ。
その道をどう行くかはリオが決めるの。
もちろん、リオはまだ成長の途中。悩むこともあるでしょう。
その時は、リンドウたちがサポートしてあげて欲しい。』
リンドウ:「ナスヴィー様。もちろん、承知してます。
私はリオのためにここにいます。
それ以上でも、それ以下でもありませんから。」
カゲロウ:「せや。うちも全力サポートやしな。」
女神:『そうだね。よろしくね。
リオ。これは私からの最後の贈り物。』
リオの手のひらにナスヴィー様からの贈り物があった。
リオ:「あ!これって!?」
女神:『そう。レインボーメダルだよ。
実はリオのスキルのマイ・ガチャって虹カードが出る確率って天文学的数字なんだよね。
今までリンドウとカゲロウが従者になってるけど、それも最初の特典とレインボーメダルからでしょ?』
リオ:「あ!そう言えばそうです。」
女神:『まあ、出ないこともないとは思うけど、これが最後と思った方がいいわね。』
リオ:「そうなんですか。」
女神:『うん、一人いるだけですごいチートだからね。そういう仕様になってるのよ。
だから、このあと、そのレインボーメダルでガチャってみるといいよ。』
リオ:「はい、ありがとうございます。」
カゲロウ:「そっか。もう一人の仲間が増えるっちゅーことやな。楽しみやな。」
リンドウ:「そうね。仲間が増えるのは嬉しいわね。」
女神:『うんうん。
じゃあ、リオの教皇への覚醒の件だけどね。
まだ、ちょっと心配なんで、少し先に延ばすことになるからね。』
あれ?
リオ:「どういうことですか?」
女神:『うん。この先、魔族に対抗するためにね。
リンドウとカゲロウは一度魔人に会っているわよね?』
リンドウ:「はい、おっしゃる通りです。」
女神:『その時、どうだった?』
リンドウとカゲロウは申し訳なさそうに何も言えないでいた。
女神:『そう。そういうことよ。
今からみんなにはもう少し鍛え直してもらうことになるわ。
リオのステータスとスキルの底上げ、それにリンドウとカゲロウは状態異常耐性を上げる必要があるわ。
それとゼータとサランも戦力に加わってもらう必要もあるしね。
幸い、この聖なる樹海は生態系が特殊でね。
状態異常のスキル持ちの魔物も多いのよ。
もちろん、強さも半端なく強力よ。
間違っても死なないように気をつけて。』
リオ:「わかりました!」
女神:『ただね。今の状況から考察するとそんなに悠長なことも言ってられないのよね。
だから、期間は一年よ。
一年間は必死に頑張りなさいね。
あと、リオ。
その間もガチャは引きたいでしょ?』
リオ:「あ!はい。出来れば。」
女神:『シルフィ!』
シルフィ:「はい、ナスヴィー様。」
女神:『エルフの里に使わない貨幣が山ほどあるわよね?』
シルフィ:「はい、冒険者の置いていった貨幣は里に保管しています。」
女神:『でね。これ、人間たちハンターズギルドの換金表とマジックトレイを渡しておくから、リオたちが魔心を持ってきたら、この基準で貨幣を渡してくれる?』
シルフィ:「はい、承知いたしました。」
女神:『オーケー。リオ!そういうことだから、どんどん魔物を狩って、強くなるのよ。』
リオ:「はい、ありがとうございます!」
女神:『じゃあ、ここ世界樹を拠点に一年間、修行するのよ。聖なる樹海から外へは出ないようにね。
リオ、一年後に会いましょう。
楽しみにしてるわ。』
プチュン!
リオ:「ナスヴィー様、行っちゃいましたね。」
リンドウ:「そうね。」
カゲロウ:「ほんなら、修行やな!
その前に!レインボーメダルっちゅうやつを使ってみる?」
リオ:「うん。そうする!」
リオは嬉しそうに答えると、リンドウもそれを見て笑っていた。
◇◇◇◇◇