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「その【また】は。何時まで続くのでしょうかね。ねぇ。サーシャ。」
そんな独り言を零す。
それからもサーシャは、決まった時間に毎日遊びに来てくれていた。
『あぁ。叶に言っとかなくちゃいけねぇ事がある。』
「随分急ですね。どうしたんですか?」
『あぁ。ちょっと数日此処に来るのが難しくなった。』
「大丈夫ですよ。」
「それより。何かあったのですか?」
『魔界の奴等がこっちに来ようとしてる。』
「え?魔物が、ですか?」
「どうしてそんなことに?」
そんなことが起こっているなんて。もしかしたら、魔物がこちらの世界に来ようとしているのは私がサーシャと関わってるからじゃないか。
サーシャと施設の子達の為にも、私はサーシャと離れた方がいいのではないか。
そんな事を考えていると。
『お前は一切関係ない。』
私の心を読んだかのようにサーシャはそう言った。
「でも。」
『俺が今日言いに来たのは、お前は明日から次俺が此処にくるまでの数日。』
『絶対に施設から出るな。それだけだ。』
「…分かりました。」
『もし。施設から出たとき。』
『お前は死ぬぞ。』
「ですが私だっていざという時の為に、護身用の銃位持ち歩いています。」
『…奴等の狙いがお前だと言ったら?』
…は?何を言ってるんですか…?
全く持って理解が出来なかった。
何度考えても。
サーシャが何を言っているのか分からなかった。
『奴等は、俺がお前と会ってる事を知ってる。』
『そして。』
『お前を殺したがってる。』
「なんで、私なんかが狙われてッ」
『俺が気に食わねぇんだよ。』
『奴等は俺を嫌ってる。』
『だからお前をッ。』
『俺と1番親しい人間を殺して。』
『俺を暴走でもさせようとしてる。』
「そんな。サーシャは大丈夫なんですか?」
『お前なぁ。まずは自分の心配をッ』
「私はいいのです。」
「サーシャが無事なのであれば。」
「…私にとっては、自分よりサーシャの方が大切です。」
「私もサーシャの言う通り施設からはでません。」
『あぁ。それがいい。』
「ですから。サーシャも私の言うことを一つ聞いてください。」
『なんだよ。』
「絶対に無事でいてください。」
『ふはっ。』
『わーったよ。』
「約束です。」
「何時まで経っても帰って来なったから叱りますからね。」
『はいはい。』
大丈夫なのか。勿論サーシャと約束しからには、外に出るわけにはいかない。だけど。
いや、だめだ。
ここで、サーシャを心配するというのはサーシャを信用していないことになる。
大丈夫。サーシャならきっと。
『まぁ。今日はその事を伝えに来ただけだから。』
「分かりました。そろそろ帰る時間ですね。」
『あぁ。明日から絶対に外に出るなよ。』
「分かってますよ。約束ですからね。」
『じゃーな。』
「はい。また。必ず帰ってきて下さいね。」
『あぁ。』
「…約束ですよ。」
『わーってる。』
よし。サーシャと約束しましたからね。
大丈夫。
きっと。
サーシャなら。
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